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ケンブリッジでの研究生活がはじまった

ケンブリッジに到着しました。ちょうど、昨晩こちらに着いて24時間ほどが経過したことになります。緑が多く、美しいカレッジにこれからの一年が楽しみですが、いまはその生活の立ち上げという感じです。訪問研究員としてこちらに滞在をさせて頂く予定です。


昨晩、夜にダウニング・カレッジに到着して、ポーターズロッジという、日本でいう守衛とその他いくつかの仕事を加えた、カレッジの生活でとても重要な位置を占めているポーターに到着を伝えて鍵をいただきました。


ここからが実に大変で、自分でフラットまで行けると述べたのが誤りでした。ポーターズロッジから私がこれから滞在するフラットまで、普通に歩いて5分かかります。夜遅く、暗闇の中で、舗装していない小径を移動しなければなりません。ちょっとした林を抜けていくのですが、とにかく暗くてわかりにくい。また、似たような建物が並んでいるところで、一つ一つ入り口の番号を調べていくと、あまり番号が扉に書いていないのでとにかくわかりにくい。重すぎるスーツケース三つは、砂利道を引っ張って移動するのがほとんど不可能で、まさかこれだけ重いスーツケースを持っていく人もいないでしょうし、林の入り口い置きざりにしてまずはフラットを見つけねば。



ふと、四半世紀前のことが頭をよぎりました。バーミンガム大学大学院で留学するために、ガトウィック空港からロンドンのヴィクトリア駅に到着して、そこから荷物を持ってバスステーションまで移動するのがとてもしんどかった。一年分の荷物を詰めると、とにかくかさばる。旅が上手な方は荷物が少ない傾向があると思いますが、私はそのぎゃくで、あれもこれもと、どれを持っていくべきかわからなくなる。


ともあれ、となりのフラットが灯りがついていたので、入口を教えてもらいとりあえず一安心。と思いきや、建物に入るために、ユニバーシティーカードという磁気カードが必要。これは、ダウニングの人事オフィスで写真を撮り、発行まで数日かかるということで、スペアのカードを借りてかろうじて建物の中へ。今は大学内移動するのに、どこに行くにもこのカードが必要なようです。セキュリティ上の理由ゆえ、やむを得ませんね。


夜遅くに旅の疲れをお風呂で落として、快眠して、朝起きるとまずは、朝食用の食料、さらには生活必要品を買いに街へ。10月4日以降、日本からイギリスへの入国について、二度のワクチン接種を終えていると隔離期間が不要とのことでこれはありがたい。朝食は、イギリスで馴染みのCosta Cafeでマフィンとカフェラテをいただき、街中を散策。



11時からはこれまで受け入れの準備をしてくれたセクレタリーの方とお会いして、カレッジ内の施設などを案内していただきました。カレッジ内に、カフェがあるのですね。これは便利。そしてここで、ダウニング・カレッジのボトルとカップを購入。これはいい。



ちょうど今日は、中庭で、入学したての一年生の方々がガウンを着て、集合写真を撮っていました。昨年は、このような入学のイベントや、入学後の対面授業がかなり制約されていたので、今年は2年分まとめて、多くの学生が入ってくるような感じのようです。学寮長(マスター)も、フェローの教員も、セクレタリーの方々もみなさん、大変ご多忙。時間に余裕があるあのは私ぐらい?



その後、学寮長にご挨拶に行き少しお話しして、お昼ははじめてのカレッジでのハイテーブル。ちょうどハリー・ポッターの映画で、前の方でダンブルドア校長と、ほかの先生たちが食事をしている、あのテーブルです。生徒たちのテーブルよりもちょっと高いところにある(ダウニングは、段差はない)。セクレタリーのひとに、ちょっと気がひけるので、学生側のテーブルに座りたいときに、座ってもいいですか?と訊いたら、それはダメみたい。


ビジティング・フェローも、一応「フェロー」ということで、他の教員の方々に準じているようです。シニア・コモンルームという、教員専用のラウンジもご案内いただき、自由にコーヒーや、夜はお酒も飲めるとのことで、これから楽しみ。しかし、フェローの皆さんの顔と名前を覚えるのは、大変だな。


ランチはドレスコードがインフォーマルでよいようですが、夕食の際はジャケットとネクタイに加えて、ガウンも着用義務とのこと。いろいろとオクスブリッジは特殊な伝統があり、カレッジごとにそれらも微妙に異なるので、セクレタリーの方に、「何か、書かれていない、非公式のルールやマナーで、留意すべきことはありますか?」と訊いてみました。そしたら、特にありませんとのこと。続けて、「あえていえば、中庭の芝生の上を歩く権利があるのはフェローのみで、私も歩けません」。特権といっても、芝生の上を歩くメリットはそれほど多くはないような…。


という感じで、まだ学内のWi-Fiの登録が済んでおらず、もう数日待つ必要がありそうです。こっちに到着してあったSIMカードもよく働いてくれて、比較的快適に接続できるようになりました。このような感じで、私のイギリスへの単身赴任、到着後の24時間が経過しました。

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