生生流転

かつては小学校の校庭で一緒に鬼ごっこをしていた。中学に入ると一緒のテレビゲームで遊んだ。そんな勝手知ったる仲であった友人達も、年を取るとそれぞれの道を歩み始める。

会社で出世する人、転職を繰り返す人、アルバイトの傍ら夢を追う人、引き篭もりになった人。みな同じ道を進んでいて、みな平等な環境に置かれていた僕らも、立場や経済的な格差が生じ始める。

それに伴い、主義・思想もそれぞれ異なっていく。政府を肯定する人、否定する人。政治活動に力を入れる人。宗教にハマる人。反ワクチンを掲げる人。お金を借り回る人。

みなそれぞれが正しいと信じる道へ進むことによって、かつて似通っていた僕らはそれぞれ異質な存在へとなっていく。長い時間と長期に渡る継続的な思考が人をそんな狂気へ駆り立てるのだろう。技術の進歩で社会も大きく変化する。人もより変化していくだろう。

そんな狂気に溢れた世界はなんて興味深く、美しく、楽しいのだろう。