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ゆういちの一生 第14話「ゆういち中学3年生。」

ゆういち中学3年生。

ゾーネくんともよく遊んでいました。
ゾーネくん家には、ハイスクール奇面組というマンガがあったり、
ゾーネくんは洋楽が好きで「これがアーハで、これがエアロスミス」って
教えてもらっていました。

相変わらず、高松によく遊びに行っていました。
僕とテリヤマくんともう一人、コーギーくんとの3人組で出かけます。

三つ編みをほどいてしまった女の子に再び。

高松といえば、心残りなのは、小学1年生の時に仲がよくてよく遊んでいたけど、
2年生になって疎遠になって、僕が三つ編みをほどいて泣かせてしまったコマエさんのことです。

コマエさんにまた会いたいと思い電話をしたのでした。

そして、僕とテリヤマくんとコーギーくん、
コマエさんの方は、その友達のモリオカさん、カワモトさんの3対3で会い、
その後、何度か遊びに行きました。

グループ交際。

グループ交際というやつですね。
自転車に二人乗りしてどこかの山の方まで走ったり、
映画を見に行ったのですが、
たぶん、ジャッキーチェンのポリスストーリーだったと思います。

いったい誰が行こうと言い出したか分からない場所に遊びに行きます。
中学生ぽいというか、グループ交際ぽいですね。

コマエさんはというと、せっかく再開したのに、あまり話をした記憶がありません。
こっちはもてなさそうな中学生男子3人組でしたので、
何を話していいのやらという感じでしょうか。
僕はというと、モリオカさんに気持ちが移っていました。

ヤンキー

ある日、その6人で高松の商店街を歩いていると、
自転車に乗ったヤンキー二人が近づいてきました。

で、そこで女子たちとはバイバイして、
そのヤンキーと商店街の裏の方へ向かいました。

そこで「金を出せ」と言われます。
テリヤマくんたちは財布から金をヤンキーに渡しています。
テリヤマくんと仲良さそうに話しているから、てっきり知り合いかと思ったら、
初対面で、絡まれていたのでした。

僕はというと財布を持ち歩かず、
お金を胸ポケットに入れていました。

ヤンキーが僕に「財布は?」と聞き、
持ってないと言えばいいのに

「胸のポケットに入っている」
と答えました。

ヤンキーは僕の胸ポケットを破き、金を持っていきました。
僕が思わず抵抗すると、ヤンキーが僕の顔を殴りました。
そして自転車に乗って走り去りました。

僕は走って追いかけたけど、追いつけませんでした。
(追いかけるくらいなら、初めから渡さなければいいのに。)

テリヤマくんとコーギーくんもヤンキーだったし、
女子と楽しそうにしてたので、目を付けられたのでしょうね。

受験

そんな夏を過ごしましたが、僕は中学3年生、受験生でした。
進学校に入学するために勉強もちゃんとしていました。
僕が受験勉強で高松に行く時間もなくなり、
女子3人との関係は自然消滅しました。

家は、やはりプレハブです。
僕のいる方のプレハブは僕の部屋と台所が一緒になっています。

私立の受験の前の日、明日の試験に備えて寝ようとしているのに、
父親は台所で何かをしています。
「明日入試なんだから寝かせてくれよ」と思っていました。

試験を受け、お昼休みにお弁当を食べます。
弁当箱を開けると、父親が作ったサバ寿司が入っています。

まあ、今思えば、弁当に父親が作ったサバ寿司が入っているなんて最高なんですが、
当時は「普通の弁当にしろよ。恥ずかしい。」と思っていました。

田舎で受験に落ちるとこうなる。

結局、公立の進学校に受かります。
一緒の学校を受験したゾーネくんは落ちてしまいました。

そしたら、町でうわさが流れました。
「ゾーネくん高校受験落ちたらしいで。」
「夜遅くまで部屋の電気がついてたらしいけど、
あれは勉強してたんじゃなくて遊んどったんやな。」

怖いですね。
中学生の失敗を町の人がヒソヒソ話していることや、
部屋の電気がついているかどうかまでチェックされるこの町。
でも、まあ、田舎ってそういうものですね。
当時僕もそういうものだと思い、
何も違和感を感じてなかったのだと思います。

体に異変。

この頃から、体に異変が起こり始めています。
おしっこをするとパンツが濡れるのです。
肛門の近くから尿が漏れています。

後に「尿道下裂」という疾患だと分かりました。
通常の尿道に加えて、他の出口ができてしまう疾患です。
男児の300人から1000人に1人くらいの割合で発症するそうです。

僕は、子どもの頃には発症していませんでしたが、
体が成長することで発症したのでしょうね。
しかし、これはとても恥ずかしいことだと思っていたので、
誰にも話せずにいました。


続き。


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