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歌の先で叶えたいこと

大切に胸にしまっている言葉がある
エルマーの冒険などの日本語訳で知られる渡辺茂男さんの言葉

「いるはずのない架空の生き物が心底いると信じること。それが 子供のこころに椅子をつくる。
やがて大人になって、そんな生き物はいないと知った時、その椅子から架空の彼らは去っていく。
でも、今度は本当に大切な人を その椅子に座らせてあげることができる」

わたしも椅子をつくりたい
わたしの椅子を作ってくれたのは、なにも架空の生き物たちだけではなかった
幼い頃に聴いていた いきものがかりや、ゆずや、嵐や、そんな、綺麗事を綺麗事のまま信じさせてくれる歌たちもまたわたしの心に椅子を作ってくれた


ラブソングなんかもう聴き飽きていて
恨みつらみを綴った歌は共感は呼べるけれど明日を渡せることはできなくて
歌じゃなくたって、Twitterに、TikTokに、街を歩けば広告に、言葉は溢れかえっていて
取ってつけたような 本音のふりした言葉では もう人は騙されて泣いてはくれない


ならばなるべく、本当のことを
自分の胸の奥の奥にある、普段は苦しくなるから封印している引き出しを開けて、
取り出したものと向き合って、それはひどく苦しいことだけれど、逃げてはだめ
そうやって近づいた 真実を言葉にして はじめて伝わる熱や力があると思うのです
わたしはそうやって歌を作ってきたし、わたしはそんな歌しかもう聴きたくない


歌の先で叶えたいこと、なんて仰々しいテーマで書き出してしまったけれど
わたしはあなたたちの心に椅子をつくりたい
朝日が差し込むための窓をつくりたい
確かに歩んでいくための靴をつくりたい

絶望は何度でもするし、今だってしているけれど
もうそんなこと歌ったって、仕方がないと思うようになりました
こんなに不甲斐ない自分と、こんなに生きづらい世の中を、それでも諦めて手放したりなんかしない
そのために、本当の言葉で本当のことだけ書いているつもりです

ここまで読んでくれてありがとう
どうかあなたも諦めないで
わたしの歌も、わたしが歌の先で見る景色のことも諦めないで
生きてる意味より、生きてる甲斐だと思います
そんな歌をつくり続けていきます、決意

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