将棋めしとおやつの旅・大阪市福島区(2)内山田
夜行バスは工事渋滞により定刻から40分遅れて降車場に着いた。金曜朝8時。ここからホテルに直行である。
夜行バスは30年ぶりで、カーテンが閉まっていて外の景色が楽しめないことも忘れていた。乗ったところとトイレ休憩で降りたところ以外わからない。目的地に着いたら眩しい朝だった。
バスの揺れと走行音は想像以上、スマホで気を紛らしたいが、見ていると酔う。寝るしかなかったが、何度も目が覚めて姿勢を変え、かなり疲れてしまった。
ゆとりあるシートでフットレストもあったのだが、小さい私には足が届かなかった。カーテン越しで見えない隣の女性は、荷物を足元において、その上に足をのせていた。優秀である。私の大きめのバッグは乗車時に預けてしまった。手荷物として持って乗ればよかった。
などとちょっと後悔しながら歩いているうちにホテルに着き、ベッドで朝寝。
内山田が始まるまでの時間、少しでも身体を伸ばして休みたかったのでこれは好手であった。若ければきっとマック(あ!大阪ではマクドって言うんだっけ)で時間つぶしなどできただろうが。
さて、内山田はとても分かりにくい場所にあるとどこかで読んだがその通りだった。地図上でわかりにくいのではなく、ビルの前に着いてから入口が見つからないのだ。
と言うのも、そのビルの地下駐車場か何かがあるような素振りのコンクリートの坂を下ったところに入口があって、入口らしさが道路からはわかりづらいのだ。既に先客が並んでいたから気づいたようなものの、誰もいなかったらわからなかっただろう。
(店の入口への入口は画像を撮っていなかったため、恐れ入りますが行く方はご自身で探してみてください)
11時15分くらいに着いたが、既に5~6人の女性が並んでいた。是が非でも将棋めしを食べたいファンがいるのだろう。
さて、ようやく開店時間になり入店だ。ぼっちはカウンターである。作っているところが見える好位置は嬉しい。
ランチメニューは一択、プレミアム和牛ハンバーグステーキセットである。ソースが各種あり、大きさも選べる。
残念だが木村九段が何ソースを召し上がっていらっしゃるのか私にはわからない。
限定に弱いのと、旅行中は財布の紐がはき古したパンツのゴム状態になる奇病のため「秋のきのこホワイトチーズソース」に決めた。
カウンターに座ると目の前で焼いてくれるのだが、コロナ対策のアクリルパーテーションにより、私の位置からはあまり見えなかった。焼きあがったスパゲッティとハンバーグの上からホワイトソースをかけた後、チーズをのせ、バーナーであぶっていたところは見えた。
ふっくらとしたハンバーグは牛肉の香りと味に存在感があり、これを召し上がれば午後からの対局も頑張れるだろうと感じた。
ちなみにてりやきソースを頼むとハンバーグの下はもやしである。木村九段が召し上がっているのはきっと定番のもやしタイプだろう。次回来ることがあれば限定ではないソースで食べてみたいと思った。
なお、私の前に並んでいた方々はすべて女性で、私は勝手に豊島先生ファンの方々だろうと思っていた。しかし、グループで来ていた方の会話の中からきゅんだとか区民だとか序盤中盤終盤といった単語は出てこなかった。お一人で来ていた方の中にはファンの方がいらしたかもしれない。ええ、いたに違いない。
(つづく)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?