PLAY THE BASEBALL!!

#7プロ草野球クリニック

 皆さんこんにちは。ゆーすけ16です。前回の千葉日野の飯塚さんの記事はたくさんの方が読んでくれたようですごくうれしかったです。現在も数名の方にインタビュー形式で勝手に取材をさせてもらっています。記事がまとまるまでしばらくお待ちください。記事をまとめるのと同時にゆーすけが今まで投手をしてきて得てきた知識や技術などもコラム形式でお伝えできればと考えています。そんなわけで今回は「投球術」とは何ぞや?ということについて考え方、とらえ方、技術などを書いていこうかと思います。あくまでこれはゆーすけの主観であり、反論や違う考え方を持つ方が多数いることを承知の上で今までの成功例や現状どのように投球術を考えているのかを紹介します。価値観や考え方は時間がたつごとに変わるものなので、半年後、1年後に自分で見返しても違うと思うかもしれません。今現状で考えていることを書こうと思います。投手をはじめ野球人が少しでも参考になってくれたらうれしいです。それでは行きます!

 まず「投球術」とは?と調べてみました。明確な定義は出てきませんでした。Google先生で最初のほうにヒットした言葉は、「投球術とは打たせたいボールを打たせる技術」と書いてあるものがあったり、「打者を惑わすこと」や「2ストライクまで早く追い込むこと」や「打者の打率(確率)を下げるもの」と書いてあるものもありました。すべてに対し、なるほどなー。と思いましたが、じゃあ、投球術って実際は何なの?ってだれか一言で表現することはできますか?自分もこれを書こうと思うまで何となく投球術を身に着ける、マウンドさばきをよくするなんて言ってましたけど、人に伝えるとしたらそれじゃ伝わりませんよね。な・の・で!ゆーすけの小さい脳みそで考えました。行きついた答えとして「投球術」は「手段」でした。自分の出した答えでは投球術を目的としてとらえてしまうから答えとして明確にならないんです。あくまで投球術は「手段」や「手法」であり「目的」ではない。と考えると目的にたどり着くのであれば「投球術」という「手段」は投手すべてが持っていなければいけない技術ではないのです。その手段を択ばずとも投手として目的にたどり着くことができます。では「目的」は何なのか?そう。失点しないことですよね。簡単です。例えば、草野球会でニューヨーク・ヤンキースのチャップマンのような170キロ近いストレートと元中日ドラゴンズの吉見投手のようなコントロールを持っている投手なら正直「投球術」っていらないと思います。同じテンポで毎球165キロ、内、外、高、低のボール1個分のコントロールだけで試合は成立するでしょう。何回も言いますが「目的」はあくまで失点をしないということですから。でもそんな投手は草野球会にはいないに等しいのではないでしょうか?だからその目的に少しでも近づけられるよう、目的への近道になるように「投球術(手段・手法)」が必要なんです。今回はその投球術の中でもあくまで投球に関すること(牽制やフィールでイングは後日)を書いていきたいと思いますので必要だと思った方は読んでください。逆に必要ないと感じた方はゆーすけに160キロを投げる方法を教えてください(笑)。今回は投球というところに絞って話を進めていきますので、対打者という形で投球術の話をします。

 まず打者が出塁するパターンは主にこの4パターン。

(1)ヒット

(2)エラー(振り逃げも含む)

(3)四死球

($)妨害行為

に分けられるかと思います。四死球においては必要な四死球もありますからその場面での出塁は仕方がないとして。その中でも四球になる球を振らせる配球というのもありますよね。よく言われているのは0ボール2ストライクからの遊び球の必要性であったり、2-2より3-2のほうが打者はスイングしやすいなどというものがあります。まず、0ボール2ストライクから外に1球外すような配球をよく見ますが、あれって何ですか?(笑)打者が外に食いつき気味で手が出る打者とか、明らかに進塁打を狙っていて外のストライクゾーンが広くなっている打者とか、2ストライクまでの配球で外しか配球がない場合もあります。ただし、何事もなく打者も当たり前に見逃す外のボール球。あれは完全に無駄球だなとゆーすけは考えています。1球投げるためのスタミナの消費、相手の有利カウントへの移行、打者へ考える時間の提供。。。投手からすればありがたくない話ばかりじゃないですか?でもねー、指導者は言うんです。「2ストライクから打たれたらもったいないだろ!?」「ゆとりがあるんだからしっかり外せ!」って。え?何なん?2-2、3-2から打たれる分にはもったいなくないの?ゆとりがあるうちの勝負したらいけないの?打者とフラットになるまで不利なカウントにもっていって勝負することがフェアなん?監督さん、あなたはどちらのチームの味方ですか?そこでのもったいない精神は捨てましょう(笑)。確かに厳しいコースに投げる必要はある。根拠があるアウトコースはわかる。でも、意味なく1球投げる必要はないですよね。だから打者が考える時間を持てない間に早めに勝負しましょう。勝負を急ぐなと言いますが、急いでよいときはとっとと勝負してしまいましょう。都市対抗に出場するような強豪企業チームって遊び球を投げないなあってイメージがあります。プロのような莫大なデータ量で試合をしている場合は遊び球も必要になってくると考えられますが、草野球はほとんどが1発勝負、。同じチームと年3回大会で当たったらかなり多いほうだと思いませんか?こちらも情報を持っていませんが、あちらのチームもたいしてこちらの情報は持っていないと思います。ましてや時間制限があることが多い草野球では勝負できるところは勝負してしまったほうが良いかと考えられます。これも投球術のうちの一つ。

 次にどうしたらヒットを打たれないか?という点です。これを球速、球種を除いて考えていきます。「それができたらノーヒットノーランじゃない?」と思いますよね。できますよ。ノーヒットノーラン。例えば、打者全員の打率が3割だと考えて、毎打者すべての7割(打てないほうの確立)を引き続けていればいいんです。理論上、超簡単ですが実際に行ってみると難しい。ではなぜ難しくなるのか?

①投手有利なカウントに持っていけていない投手が多いから。

→これはその言葉の通りストライクを取りに行かなければならないカウントを投手自らが作ってしまうからです。そこにはコントロールの技術も必要ですが、これもまた「初球は甘くはるなよ!」という指導者の言葉によりストライクゾーンに投げ込みにくくなっているというのもあります。先ほどの話じゃないですけど、2ストライクからは甘い球はダメ。初球の甘い球はダメ。だとしたら基本的に甘い球はダメですね。全部厳しい球を投げられたらたぶんその人はプロに行っています。アマチュアですから、ストライクが入るか入らないか不安な投手もたくさんいる。もちろん打者もアマチュアですから、良い打者でも7割近くが打ち損じかファールになります。自信をもってストライクゾーンに投げ込みましょう。そうすればおのずとストライクカウントが先行し、自分が勝負しやすいカウントになってきます。

②球種が少ないから。

→ここ10年くらいは草野球でもツーシームやらカットボールやら「ムービング」といわれる球種を多く投げる投手が増えました。一昔前ではまっすぐ、カーブ、スライダー、時折フォーク、チェンジアップくらいでしたね。やっぱり球種が多いのって打者からすると嫌だと思うんです。投手やっている人って「新しい球種投げてみようかな?」ってよく考えると思います。今現段階の球種で満足って人あんまり聞かないですよね。ゆーすけもそうです。ゆーすけが試合で投げる球種はまっすぐ、カーブ、時折ナックルカーブ、スライダー、縦カット、横カット、スプリット、シュートと現段階では8種類程度です。試合によっては曲がらなかったり、落ちなかったりすることもよくあります。でもなるべく試合で使うようにしています。投手って打者と対戦して結果が出るはずなのに、変化球だけは曲がったか、落ちたか自分で決めて使う使わないを判断しちゃう傾向にあると思いませんか?それで試合では使えないって決めつけて自分の球種にならないまま終わってしまう。フォークの握りで落ちなかったとしても絶対にストレートの軌道とは違うはずです。逆に似て非なる球種のほうが打者には気づかれにくく「あれ?打ち損じた?」って思ってくれます。この勘違いを7イニング続けてしまえば失点を0に抑えて勝利することができそうじゃないですか?試合で何度か使って打者にどうしてもフィットしてしまうようであれば、試合に使えるレベルまで練習が必要ですが、何気に投げられてしまうのであれば、それは立派な変化球です。一つの球種として配球に取り入れ投げ込みましょう。

③球種がばれているから。

→コースはある程度キャッチャーの動き、(気配)やセカンドランナーからの伝達(本来は違反プレーです)等で、ばれてしまう時があると思います。ゆーすけもそうですが、投げる時に逆球になってしまうこともあるので、あくまで目安程度にしかなりません。しかし、コースがわからないとしても球種がわかっていたら投手はかなり不利になりますよね。球種がばれてしまうのはどのような場合が考えられるでしょうか?

(1)ランナーやランナーコーチ、ベンチから指示がある(これも違反プレーです)。これは本来あってはいけないプレーですが、万が一起きていることに気が付かなかったり、守備側のチームから指摘をしないとプレーが続行されてしまう時があります。ランナーやランナーコーチの動き、ベンチの声の出し方などを気にしてみましょう。また、球種のサインパターンを何種類か作っておくこと。(アウトカウントでサインを変動する、ロータリーサインにするなど)も効果的かと考えられます。

(2)投手が球種のサインを確認し、投球するまでの動作で癖が出てしまい球種がばれてしまう。上記の間に自分の癖はあるのか?あるとしたらどのように修正し、または癖を利用しながら投球するのか?を見つけなければいけません。初歩的なことですが、皆さんはサインを見る時にはどのようにボールを握っていますか?ストレートの握りですか?だとしたら違う球種が出たときにどのタイミングで握り替えを行っていますか?サインを見ているときの握りですが、自分が握り替えるのに一番時間がかかるボール(この球種はだいたいの投手があまり得意ではない球種だと考えられます)へ握り替える際に手首周りが動いてしまう。→得意ではない球を投げる→打者からすると何か特別な(ストレートではない)球を投げてくるのではないか?と待つことができてしまう→打たれる確率が高くなる。といった悪循環が起こる可能性が高くなります。最初は苦手とするボールの握りでサインを見るというところから始めてみても効果はすぐに出ると思います。ゆーすけが行っているのはサインを見る前にそのカウント、状況で「自分が」投げたい球種の握りでサインを見ています。キャッチャーとのサイン確認の前に自分で一度先に配球しておきます。そこでサインが一緒であればそのまま投げます。もし違って握替えをしたとしてもパターン化されたわけではなく、打者としては何の球種が来るのかわからない状況が作れます。また、わざとこのカウントからは絶対に投げない球種で握っておいて握り替えを行うということもしています。打席に入っていて、投手が握り替えをするところがわかったり、やたら首を振ってサインが合わなかったりすると打者って何の球が来るのか?いつもより考えますよね。握り替えすることが球種を読まれてしまうことにつながらなければその動作は有効活用できることにつながるときもあります。ある程度リスクが高い動作かなと感じるので、ゆーすけは行っていませんが。次に握り替えのタイミングです。サインを見ながら握り替えを行ってしまうと打者からも見える状況で握り替えを行ってしまうことになります。自分の場合は投球モーションに入り、左足を上げ、右手と左手の割れを作る直前で握り替えを行っています。体が動きながら握り替えを行うので、比較的握り替えをしていることが分かりにくい状況の時だと考えています。動きが大きいときに握り替えるのは難しいですが、できるようになるとかなり効果的に投球を行うことができるようになると思います。

④打者とのタイミングがあってしまうから。

ここが最も伝えたい部分で、打者とのタイミングをずらすことができればそう簡単に打たれることはありません。投手の皆さんはタイミングを外すために変化球を投げたり、クイックで投げたりと工夫されていると思います。その中でも相手が予測している球種と自分の投げる球種が合ってしまい、投球モーションもタイミングも取られてしまったら打たれてしまう可能性は非常に高くなります。そんなときって投げる瞬間に打たれることがわかるような感覚はありませんか?自分は感じることがあります。その場面に陥った瞬間どう回避しているか?を自分なりに解説しようと思います。

(1)打者のスイング軌道から投球するボールの軌道を外す。

これは打者と対峙する前に情報を取っておくことが必要です。イニングの最初(インターバル時)やネクストの打者が素振りをしているときにその打者のスイング軌道(コースも含め)を確認しておく。何も考えていない打者ならたいがいは自分の好きな(得意な)コースを振っていることが多いかと思います。何か意図的に修正(矯正)するスイングをしている打者は苦手なコースや修正したいポイントを考えて振っていることが多いと思います。ということは打席に入る前のスイングにもうヒントがあるかもしれないということです。「あのコースが苦手かもしれない」という仮説を立てた状態で投球を開始することができます。その苦手であろうコースをどのカウントで投げ込むのか?というのも配球(投球術)の一つとなるのではないでしょうか?スイング軌道を予測し、その軌道(ゾーン)にわざわざボールを投げ込まないようにすれば、打たれてしまう可能性は減ってくると考えられます。

(2)同じ球種の中に違う球種を作る。

けっこうこれは難しいと思います。一つの球種(例えばストレート)の中で皆さんは何種類か投げ分けることができますか?腕の振りは同じなのが原則です。その中で同じ球速で回転の悪いストレート、回転をしっかりかけても5キロ以上遅いストレートなど。また腕の振りは強くても最後指にはかけず指の腹でボールをなめるように投げることで投球フォームと球速のギャップが生まれたストレートなど。一つの大きな球種の中に何個も小さな球種を持っておく。そうすることで「打者に打たれるかも?」と思った時に大きな球種は変えず打者とのタイミングを合わせないということが可能になるときがあります。打者とすれば「紙一重」「打ち損じ」とこちらが意図してタイミングを外したことに気づかれないこともあるかもしれません。この「勘違い」に気づかれず7イニング、または9イニング投げれてしまえばたぶん負けることはないでしょう(笑)。とはいっても今はものすごいバットがたくさん出ていますから、そう簡単に打ち取れないことも多くあるとは思いますが、それでも可能性は上がります。そうそう、余談ですが、バットの技術の進歩、あれ何とかならないですかね~?投手はマジでつらいですよ。もういっそのこと全員木製バットにしません?話を戻します(笑)この縦、横の配球と前後を使った立体的な空間での配球(投球術)ができると空振りだけでなく、ゲッツーを取るための変化球や配球の幅も広がってくるのかなと思います。それを皆さんは「緩急」という言い方をするんですよね。なぜ緩急が必要なのか?打者の目線を変えるため?それも必要ですが、すべては打者のタイミングで打たせないため、もっと言えば打者のタイミングで打っているつもりにさせてタイミングを外して打たれてしまう確率を下げるために緩急は必要なんです。交通事故は交差点に同じタイミングで車が入ってきてしまうから起きてしまいます。例えばお互いにものすごいスピードを出した車がいたとしても、同じタイミングで交差点に入ってこなければぶつかることはありませんよね。要はバットが振られているスイング(ゾーン)のタイミングから何かしらの手法を使ってボールをちょっと外せば事故は起きないのです。

以上、長々と書いてしまいましたが、これが投球モーション間での投球術の一部かなと思い今回は紹介させていただきました。もちろん投げること以外のことというのも投手は大切なことが多いので今後も余計なことをいろいろと書いていこうかなと思います。投手の皆さん!進化系バットにひるむことなく、ぜひ打高投低といわれる時代をひっくり返していきましょう!

長い文章で読みずらかったり理解しにくい部分が多く申し訳ありませんでした。最後まで読んでいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。では、またー!!

                ゆーすけ16

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