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日本一周 京都・滋賀編

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日本一細かい京都・滋賀旅行の記録。
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#建築

【日本一周 京都・滋賀編10】 棚から京博

 期待していた養源院が開いていなかったり、方広寺を思いの外すんなり観光できたり、昼食をすばやく食べられたりしたために、京都国立博物館を訪れる時間を捻出することができた。それも一時間半ほど。  我々は国立の主要な博物館のキャンパスメンバーであるため、上野の科博や東博、西洋美術館などは無料で入ることができる。それの延長として、国立博物館たる京博も無料で見られるのではないかという淡い期待を抱いて、我らが学生証を振りかざして入場ゲートを通ろうとしたら、係のおばさんに申し訳なさそうに

【日本一周 京都・滋賀編11】 国立博物館制覇を目指して

・国立博物館制覇を目指して  明石の提案で急遽、京都国立博物館に行くことになった。タイトな旅程を組んでいたはずだが、ここまで巻きで進んできたおかげで、テキパキ行動すれば十分周れると判断したのである。  「日本三景」、「日本三大ガッカリ名所」などなど、何かしらの括りを見つけると制覇したくなる我々である。ここは東京、京都、奈良、九州からなる「国立博物館」の一角を担う地であり、今後の予定からして、制覇の難易度も易しめであるため、見学することになった。  東京国立博物館は学生証

【日本一周 京都・滋賀編23】 大正の夢見たSF建築

・分離派建築会100年展〜建築は芸術か?〜  この記事は、旅中に立ち寄った京都国立近代美術館にて開催されていた企画展、「分離派建築会100年展〜建築は芸術か?〜」の鑑賞記録である。  西洋の建築様式の受容と独自のスタイルの確立の狭間で揺れる、日本建築史上最もホットといえる明治・大正時代、そのなかで切磋琢磨した分離派建築会の活動を紹介するのが、この展覧会である。  分離派はその名の通り、既存の建築を模倣するだけのスタイルに異議を呈し、新たなる様式を模索した集団である。その

【日本一周 京都・滋賀県26.5】 街中に溶け込むヴォーリズ建築

・束の間のヴォーリズ建築鑑賞  宿に帰るためのバスは、百貨店・大丸京都店前のバス停から出る。  バスの到着を待つ間、暇に身を任せて大丸の外観を眺めてみると、その建物は、大阪・芦屋にあるヨドコウ迎賓館を彷彿とさせる、端整で幾何学的な造りをもっていることに気づいた。さきほど、京都国立近代美術館で、建築家集団・分離派の企画展を見た私たち。素敵な建築に出会えたのもなにかの縁と捉えて、束の間の鑑賞にふけった。 ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880~1964)  通路に掲示され

【日本一周 京都・滋賀編29】 西洋建築!日本一おしゃれな郵便局

・ヴォーリズラリー  堀切港からバスを乗り継ぎ、近江八幡にゆかりのあるヴォーリズの建築を見に行った。彼は英語教師として滋賀県立商業高校に赴任したのち、建築家として日本全国の1600の建物の設計を手がけた。その第一号となったのが今回訪れるアンドリュース記念館である。 正面  大学時代の親友であったハーバード・アンドリュースが夭折した際に、彼の家から送られた資金をもとにヴォーリズが設計したものである。クリーム色を基調とした外壁に、木枠のガラス窓がアシンメトリカルに配置された