伝書鳩パーティー #毎週ショートショートnote

ゲームは順調に進んでいる。このままいけば夜明けにはクリア出来そうだ、というところで伝書鳩が画面に現れて、「私とパーティーを組んでください」と言ってきた。

「俺はいらないと思うなあ」と、魔法使いが口にして、戦士と村娘もそれに続いた。

「そうでしょうか、何か役に立つことがあるかもしれません」

勇者だけはそう言う。

「えー、いらないよー、もうすぐラスボスでレベルもかなり上がってるし、私たちだけでじゅうぶんだよー」

村娘が早く行こうと急かすが、勇者は立ち止まったまま。

「伝書鳩さん、あなたは何が出来るのですか?」勇者の問いに「えっとー、ラスボスに何か伝えに行けます」と伝書鳩は答える。

「別に伝えたいことなどないな」と戦士は眉間にシワを寄せている。

「伝えたいことないんですか! 私はありますよ! 平和についてとか!」

勇者の鼻息が荒い。

 パーティーを組む
▷パーティーを組まない

窓から伝書鳩が入ってきた。
括られた紙を広げる。

「ゲームは一日一時間まで!」

ラスボスからの伝言だったみたい。


(436字)



毎週ショートショート企画に参加しています。今週もありがとうございました!

お気づきかもしれませんが、「勇者ヨシヒコ」のイメージで書いてました。ご了承を〜。




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