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サファリ

出発前夜、ルアハ国立公園行きのチケットを渡された。「好きなだけ滞在してきていい」と言う。カロリーナは僕の働いているレストランのオーナーでサファリツアーをプレゼントしてくれた。

朝6時空港へ向かう。久しぶりにセスナに乗れるのでワクワクする。大きな飛行機と違って地上の様子が良く見えるので好きだ。

離陸して40分ぐらいで最初の公園に着陸。
ブッシュの中に滑走路だけがあって、
10分ぐらいするとサファリカーがここで降りる客を迎えに来た。

再び離陸、90分ぐらい飛んで目的地のルアハ国立公園に到着。

僕の泊まるキャンプは公園内にある。そこまで50km程あるという。早速サファリ開始。

少し行くとシマウマ、キリンが次々と姿を見せてくれてテンションが上がる。

キャンプについて昼食をとり
休憩後、再びゲームドライブへ。

夕暮れになると高台のポイントに行き
ビールを飲みながら夕日を眺めた。

夜はダルエスサラームと違って気温がぐんと下がる。タンザニアは今は夏だが内陸に入るとすごしやすい。

滞在しているキャンプはブッシュの中にテントを張っただけのもので柵などなくライオンがテントの横にくることも稀ではないらしい。

夜になるとひとりで歩くことは出来ない。
バッファローと出くわすとビックリして突進してくるらしい。食堂までの数十メートルもガイドが迎えに来てくれる。

夕食の前には焚き火を囲んで会話を楽しむ。
夕食かなりうまい。

パンもここで焼いているらしい。
食事中、時々ライトで辺りを照らすとバッファーが近くにいたりする。

仲良くなったヤシ&ルバのテントにはサソリがいたらしい。それを聞いてからはテント内を歩くのも気をつけるようにした。
夜は星がきれいだ。

翌朝
夜が明け始める6時ぐらいに目が覚め、
2時間ぐらい寝たり起きたりを繰り返す。
テントの半分はメッシュになっているので、外の様子が分かり気持ちが良い。

今日は一緒に行動するメンバーが変わった。
昨夜よく話をしたヤシとルバ&ピエトロ。

楽しいサファリになった。
ピエトロは凄く物知り

ディナー後ピエトロと話す。
彼の話は新鮮で驚き満載。彼の話のお陰で
今自分がアフリカのナショナルパークの
真っ只中にいることを実感した。

ピエトロは30歳、僕と2つしか変わらないが頼れる人だ。イタリア人でこのキャンプのマネージャー&動物写真家。

サソリに刺された場合の解毒はキリマンジャロの頂上の石を刺された場所に突っ込むといいらしい。(僕たまたま持ってる)

今日もキャンプにはいろんな動物が現れた。
バッファロー、ハイエナ、蛇。ライオンの声も聞こえてくる。すごいところで寝ているのだな~と変な気分になった。

3日目
夜明けと共に目が覚める。
体が少しだるい、オフロードを朝から晩まで
1日中走っているからだろう。昨晩のうちにストレッチをしておけばよかったと悔やむ。

朝食は相変わらずおいしい。
自家製のパンは柔らかくて最高!!

朝食後ストレッチ&マッサージ。
音楽はないが、鳥がいつも鳴いている。
体がほぐれたところで9:30に出発。

今日はヤシ&ルバ、ガイドのアーリー、ドライバー、バカリのメンバーだ。

出発早々、何とかマンバという毒蛇を発見‼︎
かなり長い。道を横断するのを見送った。
それからライオンを求めて走り回った。

干上がった川の畔にオスのライオンを発見!遠くから眺めた。もう少し行くとメスのライオンも発見!!これで今日の目的はほぼ達成できた。

通常この時期タンザニアは雨季に入っているらしいが、ここ数年温暖化のせいか雨が降るのが遅れているらしい。
動物達は雨が待ち遠しい...

ルアハリバーの水溜りにたくさんの動物がいた。ワニ、カバ、いろんな鳥。

ペリカンみたいなやつが、大きな鯰を捕まえて食べようとしている所に、ワニがやってきて魚を横取りした。ワニは水辺で水を飲みに来る動物を待ち構えている。鳥たちは羽を広げて美しい。

目の前で繰り広げられる大自然のドラマを観ながらランチ。最高‼︎

足元にはワニ

ライオンやトムソンガゼルに負けず僕も
美女2人に囲まれてハーレム。

少し移動して、再びライオンを発見!数メートルまで近づけた。興奮している僕達を余所目にグーグーと寝ていた。

その後ゾウの家族に遭遇。お母さんゾウは家族を守ろうと 耳を大きく広げて威嚇してくる。さすがにビビる。何度も追いかけられた。ゾウはサファリカーの何倍もの体重があるので向かってこられたらひとたまりもない。ゾウさんは危険だがカッコよかった。そしてキリンの走り方はユニークだ、おおきいのでスローモーションに見える。

その他、鳥やトカゲなど信じられない色をしているやつを見ることができた、地球って不思議だな~。

今この日記をテントの外で書いているが、たまに物音がすると、ビクッ!として周囲を見回す。後ろにライオンがいてもおかしくない。ここに長くいると五感が優れてくるだろうな。

今夜が最後の夜。
明日帰ることにした。
なんだか寂しい、楽し過ぎた。

毎晩ディナーには珍客が現れる。
最初の夜はカラフルなカマキリ、そして蛇、巨大なミミズ型のムカデなど・・・。
夜中ゴミをあさりに来るハイエナを追いかけたり、夕食後ランタンの明かりでピエトロの話を聞いたりみんなと話をした事はいい思い出になるだろう。

明日の飛行機をキャンセルして、ヤシ&ルバの車に同乗して帰ることにした。ダルエスサラームまで10時間、僕のハーレムツアーはまだまだ続く....

ヤシはコロンビア人で5カ国語を自在に操る。彼女の経歴は面白い。コロンビアに生まれ、
家族でスペインに渡り、オーストラリアを行き来して抽選でグリーンカードをゲットしニューヨークへ、それからチリの大学に通い、現在はイタリアの大学で働いている。

ルバはロシア人。ジャズシンガーでインターナショナルスクールの英語教師をやり
イタリアへ留学。彼女も4ヶ国語を話せる。
現在タンザニアの旅行会社に勤めている。

彼女達といると自分の未熟さを思い知らされてとてもいい刺激になる。もっとまともに言葉を話せるようになろう。

帰りの車内でピエトロに教えてもらった方法でアクセサリーを作った。
水がない時期ゾウはバオバブの木をかじって水分を取る。その齧ったあとから皮を取り紐をつくり、拾った綺麗な石を編み込んで作る100%サバンナ産のお土産。

この旅をプレゼントしてくれた。カロリーナと一緒に旅行を楽しんでくれたヤシ&ルバにプレゼントした。 

いい旅でした。
2006年1月


後日ピエトロから衛星を使ってルアハ便りが届いた。
キャンプにゾウがやって来たらしい。

終わり。

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