【BanG Dream! It's MyGO!!!!!感想】音の中でなら話せた2人
はじめに
こんにちは。
昨日は椎名立希個人に焦点を当てた記事を投稿しました。
↓ こっちもよろしくお願いします ↓
今回はこの作品の主軸を担う要素である「女女関係性」の話をしようかなと思います。
随所に女同士の関係性が築かれており、綾奈ゆにこ先生直々に作成された相関図は回を追うごとに矢印の数と質量が増すカオスの様相でした。
そんなに百合文化に明るくない私でもうみたきの波動に脳を揺さぶられており、二人の過去や未来に思いを馳せる日々……。
その他にも様々な特大感情の開花が見られましたが、今回お話させていただきたいのは高松燈と要楽奈の二人についてです。
「一生」の誓いと居場所
「おもしれー女」
要楽奈の象徴として語り草となっているこのセリフ。
これ、彼女にとっては結構重ための愛情表現だと思います。
バンドに誘われても断り続けて「つまんねー女ばっかだった」と吐き捨てたように、大ガールズバンド時代の潮流からメンバー全員が千早愛音のような動機で集まり、覚悟も音楽への熱もなく消えていったつまんねーバンドを見てきたことは想像に難くありません。
反対に楽奈の技巧を欲するであろう意識の高いバンドも、初期Roseliaのような人間関係の擦れを乗り越えられずに空中分解してライブもやらなくなるつまんねー連中で終わったのかもしれません。
海鈴が「兼任する30の内動いているバンドは10程度」と語っていることからも、大ガールズバンド時代の現在地が垣間見えます。
SPACEの閉店によって一生あると思ってた居場所がなくなり、周りはつまんねー連中ばっかになった楽奈にとって、大真面目な顔して「一生バンドやろう」「初ライブまでは絶対」なんて言い出す女はそりゃあおもしれーワケです。
ガルパ実装に伴って掲載された要楽奈キャラ紹介文でとても腑に落ちたのが、「自分のエゴを強く持っている人が好き」という文言です。
「一生」なんて非現実的で無茶なワガママを大真面目に振りかざせるエゴイストはそういません。学生でしかないあなたに他人の人生を抱えきれますの?
更に、8話でそよさん不在の中練習することの是非に揺れ「バンドやる」以前のところで右往左往する燈に「なんでお前が”やる”って言わんねん」とでも言わんばかりに容赦なく「つまんねー女の子」の烙印を押すシーン。
バンドをやりに来たんだから、強行派の立希に同調して「バンドやる」の一点張りでも良いところなのに燈に失望している辺り、楽奈の発する「おもしれー/つまんねー」の質量を感じます。
まあそもそもおもしれー女とバンドしにRiNGまできたのに、現れたのがつまんねー女の子だったんじゃもう用はありませんね。
このまま練習もライブもやらなくなって消えるつまんねー連中の空気を感じ取るのも無理はないです。
その流れで、崩壊したバンドを再び繋ぐために「ライブ」という手段を取った燈は最高におもしれー女の子に映ったと思うんです。
ライブ中にしか見られないあの悦楽に浸った表情からもわかる通り、楽奈にとって「バンドやる」の最上級表現は「ライブ」です。
一人になってでもライブをやる燈の姿を見て、バンドメンバーに「一生」を振りかざす最高にロックなエゴイストはまだ死んでいないという確信に至った瞬間だと思います。
「何があっても離さない」なんてエゴに満ちたメッセージ、さぞ堪らなかったことでしょう。
楽奈はバンドのいざこざに何一つ関与しないまま、言葉を交わし合うことのないまま、本能の赴くままに飛び込んだライブの中だけでこのバンドが「一生の居場所」であることを悟ります。
でも……居場所って、また誰かが作るんだって。
迷子たちに届いた、「一生の居場所」から立ち昇る無路矢
燈と楽奈のツインボーカルで奏でられる無路矢。
劇中歌にはならなかったものの、アニメストーリーの文脈を多分に継承していることが分かります。
いや、10話じゃん。
果てのない空虚へと投げ続け、嚆矢となっていた声。
燈の詩とそれに寄り添う演奏は、楽奈にとっては交信でした。
示し合わせることすらなく詩と演奏を重ね合わせる2人。音の外で言葉を交わしていなくとも、音の中でなら。
ステージ上に燈の声と楽奈のギターがあるのなら、それこそがこれ以上ないコミュニケーションです。
7話で燈の言葉と楽奈のアルペジオから予定になかった春日影が始まりましたが、楽奈の演奏がイントロに移行した際、さも当然の流れであるかのように歌い始められたのも、事情を何も知らない楽奈が春日影の演奏を始めたのも、不思議じゃない気がします。
燈の覚悟や想いを詩(うた)の中で受け取ったからこそ、楽奈は「一生の居場所」を悟ることができたのだと思います。詩はことばを超えて伝わり、絆を紡ぎました。これが詩超絆ですか。
原初の詩超絆は居るべき場所を指し示す狼煙となり、それを目印に集まってきた迷子たちは、詩と音だけが全てを語る5人だけの詩超絆空間で再び1つになれました。
こういうことなんですよね~~~~~~~~~~~~~
本来は生まれた星が同じだけのよくわからないヤツなんです。
よくわからないままデュオでライブし、その中でよくわからないまま濃密なコミュニケーションを取っているのがらなともなんです。
おわりに・まとめ
何もまとめられず感情のままに書き殴りました。私のnoteもまた心の叫びだから……。
これは余談ですが、負のエネルギーを創作にぶつけられる燈ってクリエイターとしてめちゃくちゃ才能ありますよね。おもしれー女。
あのですね、私、4thライブの初披露で衝撃を受けて以来無路矢って曲が本当に大好きなんですね。
アニメに楽曲の文脈が盛り込まれることが本当に楽しみだったんですが、10話という世紀の神回にそれが眠っており、私としてはそれはもう大興奮でして……。
女女関係性の語りってこれで合ってるんですかね?よくわからなくなっちゃいました。
でも、バンドものとして、ステージに立って演奏することそのものが最大のコミュニケーションになる2人の女って、最強ですよね。
長文になりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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