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正倉院の世界展

行くべし!見るべし!

強烈に混んでいると覚悟して行ってみたら意外に空いていて(個人の主観)、1つ1つをじっくり見られてすごく幸せな展覧会だった。


日本の文化財の展覧会では、たいてい文献が展示される。
わたしは普段、(読めないから)そういった巻物とか手紙の類はパスするのだけれど、今回ばかりは違った。

日本史おたくなら知っている、国家珍宝帳=東大寺献物帳が全部ひろげられていたのだ!

その長さ、5メートルくらい?(わたしの主観)

紙というのは光に弱い。だから、巻物を展示するときも、たいていはその一部だけを見せるもの。

それが全部!!!

もう、それを見て、今回の展覧会にかける関係者の心意気に涙が出た。


そして、幸いなことにゆっくり見られる程度の混雑。端から読んで、色々なおどろきがあった。

正倉院の宝物は、聖武天皇が亡くなった後、光明皇后が天皇遺愛の品を東大寺に納めたところから始まるのだが、読んでいくと、この品は毘盧遮那仏に捧げられ、聖武天皇が一日も早く菩薩になるように、との願いがこめられていたこと。

当時の人々の信仰心を垣間見たような気がした。

そして、納められた品に、武具が非常に多いこと。刀や弓が圧倒的に多い。

令和の時代、天皇といえば平和の象徴、おだやかさの権化みたいに思うけれど、奈良時代の天皇は片手に武器、片手に法具を持つ存在だったのだな・・・と、役割の違いをまざまざと見せられる思いだった。


そのほか、教科書で見た数々の品をこの目で見られる喜びにひたっていたのだが、わたしが一番ツボだったのがこれ。

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白石鎮子 青龍・朱雀(この写真は絵はがきを写したもの)

中国・唐時代のレリーフ。西域の香りがぷんぷんするこの青龍と朱雀!
たまらない・・・・・この絵はがきを作ってくれたスタッフにも感謝!

後半は白虎・玄武が出るそうなので、行くこと決定。

正倉院の実物大レプリカもあって、そのスケールに圧倒される。

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むかーし現地で見たはずだけれど、忘れていた。こんなに高い床だったとは。

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ネズミ返しの大きさにもびっくりだ。

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勅封をされた扉。


写真撮影OKの模造品も素晴らしいものだった。


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螺鈿紫檀五弦琵琶

これの制作過程の映像を見て、その細かで緻密な作業に驚いた。本物は勿論素晴らしいけれど、当時の美しさを再現したこちらも、本当に見事でほれぼれ。

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螺鈿紫檀阮咸


奈良時代から伝えられたものを守り、その技術を継承する、その尊さに頭が下がった。

正倉院展は毎年奈良で開かれているけれど、東京住まいのわたしはそのニュースを見ては、いいなぁ奈良に行きたいなぁと思いながら、一度も行ったことがなくて、うらやましく思ってばかりだった。
そして、ものすごく混雑している映像しか見たことがなかったので、今回東京で開かれることを知って、行きたい!でも混んでるだろうし・・・と二の足をふんでいたのだけれど、ふと今朝思い立って劇混み覚悟で上野に行って、拍子抜けするほどに、人が少なくて(正倉院展には)驚いた。

どの作品も、ゆっくりじっくり見ることができた、本当に幸せなひとときだった。心の充電ばっちりだ。


多分後半は恐ろしい人になるのが今から予想できるので、本当に今日はラッキー。神様ありがとう!

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