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これからの時代を生きるなら、「パラレルワーク」をまず知ろう

「パラレルワーク」とは?

「パラレルワーク」という言葉をご存知でしょうか?
パラレルワークとは、同時並行でビジネスをすることを意味する言葉ですが、「複数の収入源を持ち、一つのビジネスに依存しない働き方」ということですが、「副業」や「複業」とそれぞれ違いがあります。

副業
本業以外に仕事(サブ的仕事)を持つことで、あくまで本業>副業といったバランスであること。

複業
複業とは、いくつかの仕事を持つことを指し、どの仕事がメインという区別はしない。主・副の関係性はなく、すべてが本業であること。

パラレルワーク
パラレルキャリアは2つ以上の仕事に携わりキャリアを築くことであり、パラレルワークはそういった働き方を意味します。

「パラレルキャリア」という言葉を生んだのは、皆さんご存知のオーストリアの経営学者、ピーター・ドラッカー。『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(通称『もしドラ』)』(岩崎夏海著)でおなじみの、あのドラッカーです。

パラレルキャリアが注目される理由上述の『明日を支配するもの』のなかでドラッカーは、人の寿命が延びて、組織の寿命さえも超えると言われる現代の社会においては、個人は一つの組織にのみ所属し、依存するのではなく、自分の時間や労力の一部を「第二のキャリア」に費やすべきだと述べています。そして彼は、こうしたキャリアの築き方を「パラレルキャリア」と呼びました。

副業や複業と違う点
(1)非営利活動=収入を得ない活動も含まれる
つまりは、無償のボランティアや社会貢献活動なども含まれます。

(2)社外活動であっても何らかの形で本業に結びつけることを意識し、社外との関わりを作ることこと

パラレルワークが注目された理由
パラレルワークという働き方・生き方が求められるようになってきたのは、上述した「人の寿命が延びたこと」だけが理由ではありません。

SNSをはじめとしたソーシャルメディアの普及によって、個人が情報を収集したり、発信したりすることが容易になりました。さらに、こういったメディアを使うことで、人々が余暇の時間を使って社外活動に参加したり、自分と同じ価値観を持つ人たちと繋がりやすくなったことも一因であると考えます。

また、新型コロナウイルスの影響もあり、今後の日本経済がどうなるか、経済的にも精神的にも本業先の企業に依存できなくなったこともあるかもしれません。いずれにしても、私たちビジネスパーソンを取り巻く環境がここ数年で大きく変化したことがその要因となっていることは間違いないように思います。

パラレルワークのメリット

1)多様性に触れ、視野が広がる
・社外に出たときに自分は通用するのだろうか?
・もっと成長したい」「スキルを磨きたい」
・社会に貢献活動をやってみたい

その想いを叶えてくれる一つの方法が、パラレルワーク、つまり2枚目の名刺を持つことだと私は思います。

一つの組織にいると、仕事の仕方やコミュニケションの取り方が画一化し、視野が狭くなってしまうことがあるかと思います。組織が違えば、課題解決の仕方や連絡の取り方、会議の進め方、資料の作り方など全てが違います。

業種や職種が異なれば、物事の捉え方も大きく変わるものです。「本業の組織や仕事の改善点が見えた」「マネジメントの幅が広がった」というのは、パラレルワーカーの人からよく聞く話ではあります。

その理由としては、バックグラウンドの異なるメンバーが集まり、取り組むプロジェクト等に参加することで、思いもよらない価値観や視点が得られ、それを本業に活かすことができるからだと思います。ようになります。

「スキルアップ」や「自己研鑽」を目的に、パラレルワークを実践する人がいるのには、こうした理由が挙げられます。

2)得意なことがわかる、見つかる
本業では持っている知識やスキルが、社外に出ると評価されることがあります。こうした「強み」に気づくことができるのも、パラレルワークのメリットだと思います。

また、「肉体労働を苦とは思わない」「デザインスキルが高い」「ファッションセンスがある」など、スキルではなく性質や気質によるものだとしても、社外で認められ、誰かの役に立つことがわかることは、本人にとっての自信にもなります。本業では使っていないスキルがパラレルワークを実践することで新たな”気づき”となることもあるかと思います。

3)本当に好きなこと、やりたかったことができる
パラレルワークをやってみた結果、得意なこと、やりたいことが見つかるという場合もありますが、本当はずっとやりたかったことを小さく始めてみることもできます。

パラレルワークは誰に指示されてやるわけでもありません。本業外の余暇の時間を使うわけですから、本当に好きなこと、昔からやりたかったこと、夢を実現するための活動に充てられます。

4)人脈が広がる
本業では出会えなかった人たちと出会えることも、パラレルワークの魅力の一つです。しかもパラレルワークであれば、年齢や業種・職種を問わず、自分と近しい価値観を持つ仲間と出会うことができるかと思います。

そして、すぐにではないかもしれませんが、その仲間との出会いは、いずれは本業に還元され、ビジネスの場でも相互に利益を生むことにつながるかもしれません。そうでなくとも、いざというときに頼りになる、信頼できる仲間に出会える可能性はあります。

5)未来の仕事や暮らしに対する備えになる
副収入を得ることが第一の目的ではないのだとしても、パラレルワークを実践することで収入が増えることもあります。

社会貢献活動が収益を生む場合もありますし、その活動を通じて身につけた知識やスキルによって、本業での昇給につながるといったことも考えられます。

こうした組織に依存せず自らのスキルや知識による収入は、「人生100年時代」といわれる現代において、揺らぐことのない大きな自信となります。

ベストセラーとなった『下流老人』(藤田孝典著)で、著者は、老後も貧困に陥らず、安心して暮らしていくための対策の一つとして「密な人間関係」をあげています。また、収入が主目的の「仕事」である場合、退職後に人間関係が疎遠になり、仕事をしようにも有り付けず、貧困に陥ってしまうのだとも述べています。

つまり、自分の価値観に従った“第二のキャリア”こそが、収入の面でも、人間関係の面でも、未来の自分を守ることになるのです。

まとめ

コロナ禍においても、時間は平等に与えられます。こういった情勢だからこそ、「これから何ができるか・何をすべきか」を考えるのに時間を割くこととが賢明だと思います。

「誰か(組織)依存して失敗すると、その人(組織)のせいにする」という考えから脱却して、自立していくことが求められるのではないでしょうか。

その第一歩として、パラレルワークを今一度考えてみてはいかがでしょうか。


※くれぐれも本業を疎かにしないようご注ください。

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