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【心理学】最初の印象操作

人の印象は最初に与えられた情報に左右されます。
アメリカの心理学者アッシュは架空の人物の特徴を「知的」「勤勉」「衝動的」「批判力がある」「強情」「嫉妬深い」と良い順番に読み上げました。
すると、それを聞いた被験者は「多少欠点があるけど能力に恵まれた人」という印象を抱きました。
逆に、「嫉妬深い」「強情」「批判力がある」「衝動的」「勤勉」「知的」という順に読み上げると、「能力はあるが、欠点が多いため本来の能力が発揮されてない」という印象になったのです。
このように最初に与える情報が印象に影響を与えることを「初頭効果」と言います。
これは、「優しいけど時々厳しい人」と聞くとと優しく感じてしまい、「厳しいところもあるけど優しい人」と聞くと厳しそうな印象を抱いてしてしまうということですね。

また、アメリカの社会心理学者ケリーは、最初に吹き込んだ情報が人の印象に影響を与えることを実験で証明しています。
ケリーは、新しく赴任してくる教授について、ある生徒に「温厚な人」と吹き込みました。
そして別の生徒には「冷酷な人」と吹き込みました。
その後、実際に新任の教授を迎えるわけですが、「温厚」と聞かされた人は新任教授に対して好評価をし、「冷酷」と聞かされた人否定的な評価を下したのです。

ニュースを見てても、政治家などに対して否定的だったり肯定的な捉え方をしています。
そう言った情報を持っていると、実際に会うことがあっても、与えられた印象で判断してしまうんですね。
人の印象というのは、こういった手法で左右されがちです。
あなたが誰かに抱いてる印象も、そういった印象操作によって作られたものなのかもしれません。

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参考
心理学用語事典」(渋谷昌三)170-171頁

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