【ウィリアム・ランドルフ・ハースト】
フェイクニュースで戦争を引き起こしたアメリカの新聞王。1898年アメリカはスペインと戦争(米西戦争)をしたのですが、それを引き起こしたのが、彼のフェイクニュースです。
彼は1887年、父親が買収した倒産寸前の新聞社「サンフランシスコ・エグザミナー」を引き継ぎ、そこでスキャンダラスな記事を量産していました。
彼は真実を伝えることよりもショッキングで市民の感情を煽るような記事を作り、見出しも大胆に大きくし過激なイラストを起用し、販売部数を伸ばしていったのです。
さらに彼は「ニューヨーク・モーニング・ジャーナル」紙を買収し、その後スペインとの開戦を煽るような記事を生み出していきます。
具体的にそれは、キューバでスペイン人が虐げられているという内容で、「スペインの軍隊に捕らえられたキューバの捕虜がその場で殺されている。無力な入院患者さえ助命されない」と煽りました。
しかし、キューバへそれを取材に行った記者が「ここは万事平穏。何も問題ありません」と電報を送っり帰国を希望したのですが、ハーストは「そこへ留まるように。君は写真を用意しろ。私は戦争を用意する」と答えたそうです。
つまり、戦争をでっち上げてやるという趣旨の発言をしたわけですね。
そんな中、1889年2月、アメリカの戦艦メイン号がキューバのハバナで原因不明の爆発を起こします。
この爆発により乗組員250人以上が亡くなったのですが、爆発の原因は現在の不明のままです。
にも関わらず、ハーストはこれをスペインの仕業として、記事にスペイン軍が機雷を仕掛けているイラストを載せて発行したのです。
これに釣られて他社も、スペインの仕業とする記事を新聞の一面に載せてスペインとの開戦を煽って世論を戦争へと突き動かしたのです。
参考
「マスコミはなぜここまで反日なのか」(ケント・ギルバート)18-26頁
ウィキペディア
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