見出し画像

ムーンショット&スーパーシティ

消費税が10%になってから、政府はキャッシュレス化を勧めていますね。
また、コロナウイルスが蔓延してからはテレワークが推奨されています。
テクノロジーの進歩によって僕たちの生活はどんどん未来的になっていきますが、これからの日本はどんな社会になっていくのでしょう?

日本政府が掲げるビジョンがあるのですが、これからの日本はそれを基準に変わっていくと予想されます。
そのビジョンは主に二つ。

「ムーンショット」と「スーパーシティ」

ムーンショット

ムーンショットとは、正確にはムーンショット研究開発制度
内閣府のホームページによると、

我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来の延長にない、
より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発(ムーンショット)を、
司令塔たる総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の下、
関係省庁が一体となって推進する新たな制度

つまり「国が一体となってあらゆる技術革新に力を入れていくぞ!」ということですね。

この背景には、少子高齢化社会やブラック企業問題、さらに台風・地震などの環境問題があります。
また、国連がかかげたSDGsの影響も大きいでしょう。

SDGsというのは、2015年9月に国連サミット採択された、
「持続可能な開発目標」のことです。
これは、世界各国で経済活動を維持した状態で、貧困や差別をなくし、温暖化を防ぐ努力をしていきましょう、という目標ですね。
2030年までに、17の目標が設定されていて、目標内容を見るとムーンショットとかぶる部分も多くあります。

ムーンショットの目標は6つ
どれも期限が2050年までになっています。

①人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
②超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
③AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現
④地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現
⑤未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出
⑥経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現

目標1

2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現

画像1

これは、サイバネティック・アバター生活を目指すことです。
サイバネティック・アバターとは、
ロボットを自分の身代わりとして遠隔操作することや、デジタル空間でのアバターを操作すること。
また、それに加えて身体機能を補強・拡張させる「ロボットスーツ」のような装置や、認知能力を拡張する技術を駆使することです。
これは、脳へのマイクロチップの導入が考えられます。
(マイクロチップといっても、それは液状化されたものになるという話もあります)

要は、
・ロボットの遠隔操作
・アバターを通したデジタル空間でのコミュニケーション
(デジタル空間と書きましたが、ホログラム映像を現実世界に投影させる場合もあります)
・身体や脳の機能を拡張させるテクノロジー
この3つを取り入れた生活を「普通」にしたいんですね。

最終的な目標の期限は2050年になっていますが、
2030年に中間的な目標が掲げられています。
それによると、1人10体ほどのアバターを利用して1つのタスクを遂行できるほどにするようです。

目標2

2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現

画像2

これは臓器間のネットワークを統合的に解析して、起こりうる病気を予防していこうという取り組みですね。
病気の発生メカニズムの研究や臓器の機能を調査したり、医学的な専門家が目指す分野ですが、
個人間では、日々の体調を測定するシステムが導入されるでしょう。

「Circular」というスマートリング(指輪)があります。
これはAIを搭載した指輪毎日の健康状態を分析してくれる指輪。
365日、24時間の心拍数や血液酸素量、運動量などを管理してくれるもので、こういうディバイスを通して健康状態を維持するようになるでしょう。

医学的な研究データと、僕たちの持つ日々の体調データを組み合わせて、
国民の健康を管理していくのが「目標2」というわけです。

目標3

2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現

画像3

これは、単なるAIをもったロボットを作ろうという話じゃありません。
「人生に寄り添って一緒に成長する」というところがポイントです。

つまり、ただ機械のように役に立つロボットじゃなく、人の感情を読み取り理解できるロボットを作りたいんですね。
まるで、ドラえもんのような友達ロボットです。

少子化の時代。
たくさんの兄弟に囲まれる時代は終わり、一人っ子が増えています
そこで必要なのが、ドラえもんと同じ「子守ロボット」
ロボットが「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」となって、子供と同じ目線で子育てをしてくれるんですね。

さらにこのロボットはおせっかいなロボットで、大人になっても面倒を見てくれるみたいです。
内閣府のムーンショット目標3のページには、
「ゆりかごから墓場まで、人の感性、倫理観を共有し、人と一緒に成長する」
と書いてあります。

つまり、子供時代は「お兄ちゃん・お姉ちゃん」であり、青年期は「先生・師匠」。
大人になると「秘書・お手伝いさん」、老後は「介護士・お友達」となっていくのでしょう。
もしかして、ロボットとの結婚が認められたりして。


目標4

2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現

画像4

これはザックリ言うと、エコですね。
環境に有害な資源を無害化する動きと、リサイクルの技術が勧められます。
具体的に言うと、土に還るプラスチック素材を使ったり、電気や水素で走る車を主流にすること。
発電エネルギーも再生可能なものにしていくと考えられますね。

目標5

2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出

画像5

日本は少子化が進んでいきますが、世界では人口増加が進んでいます
そこで懸念されるのが、食料不足
2050年には穀物の需要量が現行の1.7倍になるそうで、このままだと確実に食料問題が起こってしまいます
そこで、この目標が設定されました。

ここでの主な活動は3つ
・昆虫や微生物の肥料化・食品化
・食料生産システムを構築
・食料の無駄をなくす(残飯の再利用)

いよいよ食卓に昆虫が並ぶ日が来るということですかね?
昆虫にはタンパク源が豊富なので、利用しないのはもったいないです。
ただ、やっぱり気持ち悪い!
そこをどう「おいしそうに加工するか」ですね。

食料生産システムの構築というのは、農業革命のようなもの。
具体的には、土壌の微生物を管理し微生物機能だけで野菜などを効率的に育てるテクノロジーを開発するとこです。
さらに、異常気象にも対応できる穀物や野菜を作ろうとしています。

最後の食料の無駄をなくす。
これは、生産量をコントロールする動きもありますが、
家庭から出る廃棄されるはずの食材を集めて、再び食品に変えるシステムを作る動きもあります。
つまり、玉ねぎの皮とか魚の骨などを食品にしていくんですね。

内閣府のホームページのイラストを見ると、
廃棄されるはずの食材をカートリッジ化し、3Dプリンターで再び食品にするそうです。

今は、食品を3Dプリンターで作る技術が開発されています。
プリンターにはインクカートリッジがありますが、
食の3Dプリンターはカートリッジ内にインクではなく、
野菜などの栄養エキスをペースト状にしたものが入ります。
そして、抽出してユニークな形の食品に仕上げていきます

ちなみに、下の画像は3Dプリンターで作ったお寿司です。
このお寿司を作るお寿司屋さん、今年には東京でオープンするそうです。
(コロナの影響で今後どうなるか分かりませんが)

画像6

目標6

2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現

画像7

量子コンピュータは2019年にグーグルが開発したことで話題になりました。
この量子技術を日本も発展させて、
2050年までに大規模な集積化を実現しつつ、
様々な用途に応用する上で十分な精度を保証できる量子コンピュータ(誤り耐性型汎用量子コンピュータ)
を開発しようという目標ですね。

これにより、より正確な天気予報が行えたり、経済予測も正確になるでしょう。
また輸送も計算されたシステムに従うようになるので、今まで以上にスムーズになり渋滞もなくなります

この六つの目標がムーンショット研究開発制度です。
ちょっと夢物語のようなところもありますが、
これからの日本はこれに向けて様々な法整備や税金の投入が行われていきます。

そして、これを具体的に実行していくための法案が2020年4月に閣議決定されました。
その法案が「スーパーシティ法案」です。

スーパーシティ法案法案

スーパーシティ法案とは、
人工知能(AI)やビッグデータなどの先端技術を活用した都市を作っていこうという法案です。
ムーンショットは日本全国を目標としてましが、
スーパーシティは一部の地域を特別区に指定して、そこに未来都市を作ろうということですね。

スーパーシティの中には、無人の自動運転車が巡回し、タクシーのように利用されます。
また空にはドローンが飛び交い、様々な商品を空中輸送されます。
支払いはもちろんキャッシュレス
仕事や教育も、ほぼオンラインで行われます。

スーパーシティ法案は、こうした街づくりを進めていくことと同時に、
その街にふさわしい法整備が進められます。

スーパーシティは魅力的ですが、これは恐らくムーンショットの実験でしょう。
こういう街に住むと人はどんな行動をするのか?
セキュリティに不備はないのか?
経済は順調に回るのか?
などが試されると思います。

スーパーシティがうまくいけば、ムーンショットがどんどん進められます
逆に、スーパーシティに不備があればムーンショットも見直されるかもしれませんね。

スーパーシティはどこに作られるかはまだわかりませんが、3つのパターンが考えられます。
①既存の街をスーパーシティ化
②何もない土地にスーパーシティを建設
③IRと一緒の都市で進められる

どうせ、東京だろ?
と思われる方もいるでしょうが、東京のような混雑した都市で全部の車を自動化するのは無理でしょう。
よりスマートな街を作るには、一から作った方がいいのかもしれませんね。
なので田舎にある広大な土地に作られる可能性もあります。
現にトヨタのスマートシティは富士山のふもとに作られるので。

また、政府はIR=統合型リゾートの建設を進めようとしています。
もしかすると、スマートシティはIRの指定都市に作られるかもしれないですね。

テーマパークシティ

消費税10%になってから、政府はキャッシュレス化を勧めています。
また、偶然だと思いますがコロナウイルス蔓延防止のため、テレワークが推奨されています。
これらは、もしかするとムーンショットへの伏線かもしれないですね。

なにはともあれ、もう計画は動き出しています。
きっと未来の日本はこんな風になっていくんでしょうね。
(成功すればの話ですが)

スーパーシティのような計算された都市は、快適そうですが、
理想すぎてなんだかテーマパークのように感じます

テーマパークの乗り物は全て決まったハプニングが起きて、決められた方法でそれを乗り越えます
つまり、一見楽しいけど、決まったレールの上を走らされているだけなんですね。
スーパーシティやムーンショットも一見楽しそうに見えますが、
もしかしたら誰かの手の平で踊らされるだけなのかも
まぁ、それで幸せに暮らせるのならいいのかもしれませんが。

あなたはこういう未来、どう思いますか?

内閣府
3DPid.arts
内閣府国家戦略特区
ビジネス+IT

独自の世界を作り上げて発信する人を増やしていきたいので、サポートよろしくお願いします。