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「直感」信じますか?

あなたは直感を信じていますか?
「信じれば夢は叶う」とよく言いますが、直感も信じることで直感の精度を上げられるのかもしれません。

1943年、ニューヨーク市立大学、心理学の教授ガートルード・シュマイドラーは超能力についての調査を行いました。(参考①53-56頁より)
これは透視能力(ESP)についての実験で、まずシュマイドラーは事前アンケートから被験者を二つのグループに分けました。
一つが、透視能力を信じているという「羊グループ」
もう一つが、超能力なんて信じない「山羊グループ」

シュマイドラーは、表に「四角」「丸」「星」「十字」「波」の五種類の図形が描かれているカード(ESPカードと呼ばれる)を用意しました。
カードの裏は白紙で裏からは表の図形は見えません。
そして、裏返しにしたカードから、表の図形を被験者に言い当ててもらうゲームを行ないました。

教授は密閉した研究室で実験を行い、立会人にもカードをめくるまで図形が何なのか知らせないようにしました。
無意識に合図を送ってしまわぬようにです。
また、五種類の図形はそれぞれ均等にシャッフルされています。
なので、被験者が全部のカードに対して「四角」と答えたら必ず1枚は当たり、四角・丸・星・十字・波のいずれかを答え続ければ当たる確率は20%になります。
さらに、答える枚数は事前にでたらめに決定されています。
これは「何回○○の図形を答えたから、次は○○の図形だ」といった、予知によらない答えを引き出してしまう可能性があるからです。

そして結果は、透視を信じる「羊グループ」は、平均20%以上の確率で図形を当てることができました!
実際には、羊グループはさらに六つのグループに分けて6回のセッションで実験が行われましたが、グループごとの正解率は20.6%から21.7%までの幅がありました。
ただ、どのセッションも20%以下ということはなかったのです。
一方、透視など信じない「山羊グループ」も六つにグループ分けされ、6セッション行われましたが、その平均は19.28%
一番成績が悪かったセッションでは16.7%という残念な結果でした。
デタラメで答えても20%は当たるので、正解率の高い羊グループも透視能力があったとは言えませんが、それでも彼らは全てにおいて20%以上だったし、逆に山羊グループが低い結果になったのは興味深いですね。

シュマイドラーはこの結果をこう分析しています。(参考②189-194頁より)
山羊の被験者は「ESP(超感覚的知覚=Extra Sensory Perception)を発揮して正しいターゲットを知ったうえで、無意識に別なコールをした。それが自分の信念に合致していたからだ」
つまり、直感的に正解が分かったパターンもあったのですが、「透視なんてない」という結果にしたいがため無意識にそれを避けた、ということですね。

当時はただのこじつけだと言われていたこの考えですが、今ではこれは「認知的不協和理論」に当てはめられるとされています。
認知的不協和理論というのは、無意識に記憶が改ざんされるという現象
例えば、単調でつまらない仕事を安い報酬でやらせると、はじめは怒りを覚えますが後日「その仕事も結構ためになった」といい評価だと認識されることがあります。
まぁ、人は自分を正当化したいので「つまらなくて安い仕事をやらされた」と思うより「ためになったからやった」と認識したいので、無意識でそういうことにしちゃったんですね。
山羊グループも同じように、「透視なんてない」と言った自分を正当化しようとしたので、わざと外すようなことになったんですね。

羊グループにしろ、山羊グループにしろ、確率ゲームに対して、結果的に自分の望む方向へ動かすことができています。(若干ではありますが)
そう考えると、人には直感的な「何か」があるような気がしてきますね。(透視能力とは言えないほどのものですが)
だとしたら、ネガティブに捉えるよりもポジティブに捉えた方がいい!
「そんなチカラなんてない」と思えば、チカラがあったとしも自ら蓋をしてしまいます。
あると思えば、そのチカラを最大限発揮できるはずです!
最後に、
「信じるか信じないかはあなた次第!」


参考
「脳は直感している」(佐々木正悟)
超心理学(石川幹人)

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