ゴジラKOM感想など

※ネタバレしかしません

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 物心ついた頃から母親に「ゴジラ観に行くで」と映画館に引っ張っていかれ、家にはゴジラシリーズのVHSが揃っていた我が家。情操教育どうなってんだ。今となっては感謝だけれども。そうして私自身は昭和生まれだけれど平成ゴジラシリーズを主に観て育ったのでありました。推し作品は「vsビオランテ」と「vsデストロイア」なんですけど、それはまあまたの機会に。

 2004年にミレニアムシリーズも終わり、そこから10年経った2014年、ついに公開されたのがギャレス・エドワーズ監督の「GODZILLA」。もうね、本当に待ちに待っていたゴジラ新作。このときももちろん母と観に行った。わたし的には最高だったんですよ。たとえゴジラがずんぐりむっくりしたメタボゴジラと世間から呼ばれようとも…。ハリウッド版といえども東宝と提携しているんだもの。変な設定やトンチキ怪獣は出してこないだろうとそこは信頼していたし、キャストも渡辺謙だもん。そしていざ観てみると、まあ勿体ぶるわ勿体ぶるわ。ゴジラ全然出てこねーの…。オープニングの水爆攻撃と共に現れるゴジラの背びれやなんか秘匿されてるっぽい塗りつぶされていく文章たちに興奮したのに、待てど暮らせど出てこない。ゴジラが。主役が!!!!!!!!!!!そして空港でドシンドシンとめちゃくちゃ太い足が出てきてようやく顔を見せたゴジラ。ここまでで60分かかりました。でもその初登場シーンでの全力のゴジラの咆哮ですべてが吹っ飛んだ。これを待っていたの。ありがとう。響き渡る重低音にどれだけ痺れたか。今でも忘れない。そのあともいちいち勿体ぶりながら出てくるゴジラに、ゴジラの登場をどれだけかっこよく魅せるかにそれだけ命かけてたんだな監督…とわたしは好感を抱いたわけだけど、「怪獣出てくるシーン少なくて物足りない」と不評だったとも言われてますね。なんにしても、ゴジラが人類のあらゆる環境汚染や核実験によって目覚めさせられた存在であることや、渡辺謙扮する芹沢という人物が、初代ゴジラに登場する芹沢博士と本田猪四郎監督の名前を受け継いでいることなどから、日本のゴジラが大切に扱われている、ということでもう胸がいっぱいだったんですよ。世界をその巨体で壊していくけれども、人類の敵となる怪獣を倒してまた海に帰っていくゴジラのヒロイズムは、わたしにとってのゴジラ作品の根底にあったんですよね。初代は幼い頃に観てもよく分からなかったから…。だからどれだけ街を壊そうと、敵を倒せばすぐに帰っていくゴジラを誇らしげに、どこか羨望の眼差しで見つめる芹沢博士たちにわたしも自分の思いを重ねていたわけですよね。

 それがですよ。そのあと公開された2016年「シン・ゴジラ」で、庵野監督によってゴジラはわたしからすればめちゃくちゃ可哀想な存在として描かれちゃう。災害対策ドキュメントとして、今までのゴジラの世界観から逸脱した作品なのは分かってはいる。人間ドラマはとてもおもしろい。でも、ゴジラをヒーローとして観ていたわたしは悲しみで泣いてしまったんですよ。ゴジラがただ抹殺されるべき存在として生まれてきてしまったことに。グロテスクなデザインも、あんなんちびるでしょ。恐すぎるわ。でも、世間は「シン・ゴジラ」を大絶賛した。それもね、とても悲しかった。みんなゴジラという存在が好きで観に行ってるわけじゃないのかなあと。普段地雷とかいうものはあまりないだけに、このときの悲しみの爆発はすごかった。荒れ狂ったもん…。みんないろんな思いがあって観に行ってるんだから、わたしの解釈なんぞ他人にとってはまあどうでもいいんですけど、とにかく楽しみにしていたゴジラ新作だったから、辛さも計り知れず。今では普通に観られますけどね。ちゃんと円盤も買いましたよ。

 で、ギャレゴジのときからハリウッド版ゴジラ(モンスターバースシリーズとして)続編があるのは分かっていたけれど、監督が変わるということと、キングギドラとモスラが出るという情報も出ていたので、本当にどうなるのか…と不安と期待が入り混じる複雑な思いで今まできたわけなんですよね。ギドラとモスラということは怪獣バトルメインになるだろうとは想像していたけれど。そうして少しずつ公開されていくトレーラーに、また心震えて。「月の光」の曲をバックに、青く仄暗い世界の中、押し寄せてくる煙風と…。この頃にはもう期待しかなかったなあ。4月にコナン、5月にキングダムと名探偵ピカチュウに夢中になりつつも、しっかりムビチケと特典のクリアファイルをゲットしていたわたしに、母が「なんでお母さんの分もチケット買っておいてくれへんの!!!!!!!!!!!」とバチギレかましたのも笑った。買いましたとも。公開初日5月31日(金)のレイトショー。IMAX 3Dのチケット2枚を。還暦過ぎたバアちゃんに3D大丈夫なんか?と心配にもなったけど、本人は割とウキウキしていた。

 さて、ここまできてやっと本編について語れる。忘備録みたいなものなのですけど。


▼以下覚え書き


・まずオープニング。石碑に刻まれたレジェンダリーのロゴとか出てくると同時に聞こえてくるゴジラの足音と咆哮。ありがとう。もうその時点で震えた。ゴジラが近くにいる〜!!!!!!みたいな。ここ、あの海底の遺跡?ゴジラのホーム?

・息子アンドリューについて。掘り下げがなさすぎじゃね?とも思ったけれど、まあ掘り下げてもアンドリューが前作のラスト、サンフランシスコでのゴジラvsムートー戦で死んでしまった事実だけで十分本作のストーリーが進むよねと。描かれてたら後々「余談だったな」とか思うかもしれない。

・モスラの孵化。今作、あとで書くけど芹沢博士とゴジラが触れ合うということがとても大切に描かれていると思っているんだけれど、この冒頭シーンでオルカ(怪獣の生体音を使って意思疎通するための装置)でモスラ幼虫と通じ合ったマディソンが触れそうで触れないというのも少し意図してのシーンなのかなと…。

・モナーク公聴会について。劇場で流れる予告を見るたびに、「ゴジラをペットにするのね」という言葉に対しての芹沢博士のセリフの日本語訳が、「我々がペットなのだ」or「我々が支配されるのだ」どっちになるのかめちゃくちゃ気になってた(わたしはペットにされたい派)んだけど、「いいえ、我々こそが彼のペットです」で、もうわたしのテンション爆アゲですよ。このあとのムートーのラブラブモザイクシーンなどもうどうでもよくなっちゃうほどに。

・17体いる巨大生物たち、名前パンフに載せてくれるかなーと思ったら載せてくれてませんでしたね。なんかムートーいるくない…?おまえゴジラに二体ともやられたのでは…?新種…?とちょっと疑問にも持ったけどそれについては監督も言及してましたね。『仲間の一匹、それか新しい個体ですね。冬眠していたメスと考えてもいいでしょう。』て。エッまじか。なんでもありか。

※ちなみに17体 → ・ゴジラ・モスラ・キングギドラ・ラドン・キングコング・ムートー・ベヒーモス・シラ・メトシェラ・モケーレ ムベンベ・バフォメット・ティアマト・タイフーン・アバドン・リヴァイアサン・サルゴン・バニップ

・モナーク、各国共同で作られた秘密組織であり、46年にトルーマン大統領が設立したとあるけど、まじで金を持ち過ぎでは…最強の軍事組織ぽいのに幹部は科学者という。すごい。あとキャッスル・ブラボーのシーンの研究されてるぽい怪獣の口だけ怪獣なに…?ムートー?

・強い女の子キャラ、だいすきなんだけど、テロリストで自分を拉致したアラン・ジョナに中指立てるマディソン最高に好き。

・今作、あらゆる曲にお経入っていてめちゃくちゃ笑ったんだけど(メイキングに袈裟着たぼんさんたちや法被着たおっちゃんたちが映っていて本気度を感じた)、ドハティ監督がギドラについて、「東洋のドラゴンを意識した」と言っていたけど、なるほど曲も…となった。

・来ましたわたしの一番大好きなシーン。今作最初になる主人公たちとゴジラの接近。にしてもGチームってかっこいいな。しかし研究対象として大切に見守ってる割にすぐミサイル打とうとするね?それくらいじゃ死なないだろうし威嚇射撃ってことなのか…?リスク高すぎない?ゴジラ本気だしたらこの基地すぐやられそうだけどな…。まあそれはいいんですけど、ゴジラのバイタルがスピーカー通して基地に響き渡るのめちゃくちゃ良い…こわい…。シールド開いて遠くから青く明滅しながら近づいてくるゴジラかっこよすぎてもうダメ。このへんで昇天しそうだった。目と背びれが青く光ってうねりながら近づいてくるんだよ…。光ってるのが「ゴリラが胸を叩くのと同じ(威嚇)」って言われてるのはちょっと笑ったけど…ゴリラ…。ここマーク(父)とガラス越しにゴジラが見つめ合うんだけど、3Dだと絶妙に距離感を感じられて本当に良かった。ガラス隔てた少し向こうにはゴジラがいるんだよ…。んでゴジラが去ったと思わせて安心させてからの咆哮にわたしの尻が5センチほど浮いて飛び上がったわけですけど。ここでもう胸いっぱいなんですけどまだゴジラの全貌見えてないんですよね〜。はやくはやくと期待が膨らみます。

・南極で凍結保存されてるモンスター・ゼロことキングギドラ、最近発見されたとあるけど、「最強」「ゴジラとライバルだったのかも」ってなんでわかんの?記録に残ってないって言ってるのに…?神話としての見解なのかな…このへんわたしがアホだからわかってないのか…?チェン博士あとでいろんな資料出してくるしな…そこに「ギドラ」の名を冠した記録がないということなのか…

・南極でやっと再会する親子、マークがエマとマディを呼ぶシーン、声が裏返っている演技、とても良かった。ここで父ではなく母を選ぶマディ、本当に賢い。母がもはや何するか分からないから自分がそばで見届けないといけないと思っているの、本当は恐いのにね。そのあいだも聞こえているゼロの心音が不気味すぎる。

・ギドラについて。いろんなところですでに語られているギドラについてだけど、真ん中が長男のリーダー「イチ」、向かって左が意地悪で攻撃的な次男「ニ」、向かって右側が好奇心旺盛でちょっとクレイジーな三男の「サン」だそうで。観てると目立つのは末っ子なんだよね。いちいちいらんことして小突かれたりするし表情豊か。こういうところ、初代ゴジラのスーツアクター中島春雄さんの精神も受け継いでいると監督が言ってたけど、怪獣それぞれに知性や感情があるのがよく出ていておもしろかった。

・そしてここでゴジラ登場。ギドラと激突。なんかギャレゴジのときよりさらに脚太くなってない?このバトル、モナークの機体が2体の間に挟まれるという構図なんだけど、ガラス越しに描かれているうえに3Dでリアルすぎてめちゃくちゃこわい。ゴジラの鼻息すごいバフンバフンしてかわいいんだけどね。ゴジラがギドラの首ガッサー掴んで地面にドーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!で、いやこっわーーーーーってなった。反撃くらって起き上がるゴジラの背景、吹雪というロケーションのはずなのにそこだけ月夜なんだよね…そして次にくる背びれ光っていっての放射熱線。神秘的な演出でした。

・エマからの通信について。今作においての一番の狂人は、環境テロリストのアラン・ジョナでもなく、ゴジラに未知の可能性を信じる芹沢博士でもなく、「人類こそが地球を壊す病原菌」「怪獣たちが地球という自然の防御システム」「だから怪獣たちを目覚めさせて自然のバランスを取り戻す」とか言っちゃうエマなんですよね。サンフランシスコやラスベガスに生命が再び芽吹くから大丈夫、人類は滅亡しない、共生できる…その根拠が観ているわたしたちにはまったく理解できないんですよねえ。何言ってんだこの人ヤバイぞ、ってなる。実はそれも伏線なんですよねえ。エマは「彼らは最初の神なの」って言う。ここはあとであるシーンにまた語られるんですけど。で、「モナークは60年かけてシェルターをつくった。そこに隠れて」と言って通信が切られる。実はアランに怪獣たちを目覚めさせる計画をもちかけたのはエマだった、という真実がここで明らかになる。ここでイスラデマーラの人たちの避難が終わっていないのにオルカでラドンを目覚めさせるエマ。「悪いけど、大きな目的のためよ」って言葉を零すんだけど、エマがアンドリューを亡くしたように、どこかの誰かが家族を失うことになることについてまったく言及しない。あとで父マークがエマに「(そんなことをしても)アンドリューは生き返らない」という言葉を投げつけるんだけど、エマはそれには答えない。だってエマはアンドリューのためにこの計画を実行しているわけではないからね。サンフランシスコでゴジラを目にしたときから、心は怪獣に囚われていたんだろうなあ。家族が大切な気持ちはあるし、シェルターに避難して生きてほしいという思いはあっても、自分が夢想するユートピア計画のほうに人生を賭けているんだから。

・ラドン、あとで「ゴマすりクソバード」とか言われちゃうんだけど、実は強いんだよね。翼でバチーーーーン!!て機体挟んで破壊するのとか、回転しながら機体を弾き飛ばしていくのとか、製作陣の熱の入れっぷりが伝わる。かっこいいもん。こんなんから60秒も逃げるのむりじゃん…。ギドラvsラドン、ギドラのニとサンがラドンの両翼に噛み付いて固定してからのイチが攻撃、ていう連携プレー、一瞬だったけど胸熱でした。仲良しなんだなギドラ。

・ついに登場しましたオキシジェン・デストロイヤー。初出は初代ゴジラ。芹沢博士(若くてイケメン眼帯キャラ)が開発し、ゴジラを破滅に追い込んだ兵器です。今作ではギャレゴジにも登場していたアメリカ海軍のウィリアム大将がその使用を決定します。半径3キロメートル以内のすべての生物を殲滅するという兵器。3キロって狭くない?とも思ったけど、それくらいに留めておいてくれてありがとうという気持ちもある…。これを使用するとなったときに、渡辺芹沢はゴジラに任せようとするんだよね。けれどもうオキシジェン・デストロイヤーは撃たれてしまった…。ギドラのサンの首を破壊し、ゴジラは放射線量・バイタル共に低下し…医療ドラマでよく聞くあの「ピーーーーーー」音…。うそでしょ…ゴジラ死んだの…?リック博士が「(ゴジラに対して)頑張ってくれ」って言うのめちゃくちゃ愛した…。わたしも同じ気持ちだったし劇場のみんな思ってたよ…。さすが初代ゴジラを骨にしたオキシジェン・デストロイヤー…。でもなんでギドラには効かないの…?って疑問が残る。

・ギドラの再生について。これまず「AVでよく見る触手じゃん」て思った人、素直に手を挙げて。ほら。だって先っちょからペロペロ舌出てたら…ねえ。いやまあでもすぐに再生して十字架の後ろで翼広げて火山の上に立つギドラ最強感がすごい。ここで出ましたゴマすりクソバード・ラドンくん。そしてアラン・ジョナが「王が目醒めた」と呟いて、エマはマディから「ママはモンスターよ」と吐き捨てられちゃうわけですね。ゴジラが死んで、ギドラという王が目醒めて人類ピンチ!!!!という絶望的な展開。

・そこではじめに襲撃されてから繭になったモスラが月夜に羽化。ここでチェンの双子の姉妹のリンが登場(写真では出てたけど)。今回、小美人は出てこないけどこのリンとチェンはもちろん小美人のオマージュだよね…?小美人が入っていた観音開きの小箱がオルカのモチーフ、ていう意見も見かけたけど。羽化の瞬間、個人的には翅から出てきてほしさもあったんだけど、このあとで翅のそれはもう神々しすぎるうっっっっつくしい見せ場があるから、そりゃ足から出てくるかあ…とちょっとションボリもしたのであった。この羽化のシーンでモナークの人たちみんな感動して笑ってるの、すごく愛を感じちゃったよ…。

・ここでチェン博士大発見。ギドラは星から落ちてきた偉大な竜であり、地球のものではない、偽の王ということが判明。だからオキシジェン・デストロイヤーも効かなかったのかな?地球の自然秩序から外れている、と言われているもんね。

・パンドラの箱を開けちゃったエマがオルカを使ってファンウェイパークから大きな音を出して怪獣の動きを止めているうちに倒す手立てを考えるとか言ってるけどめちゃくちゃフンワリしとんなと。共生できる言うてたけどやっぱりその根拠と自信がどこから来るのかまったく分からないんだよね。結局「倒す」に思考が傾いてきているあたり、浅はかだよなとしか思えない。アラン・ジョナは「地球を彼らに返そう」って言うけど、テロ側のエマたちはギドラが偽の王だとは知らないわけだなんだよねえ。

・モスラが空からやってきて海上で止まり、光の道ができ、ある位置を知らせる。鳴き声がもう切ない。マークが「録画しているか?」と聞いて、チェンが「歌みたいね」と呟く。そしてゴジラの弱々しい鼓動が聴こえるんだよ…。ゴジラ生きてた…!!!!!!って涙ツーーーーー…。モスラ、ゴジラにずっと呼びかけてるんだよね。そしてバーンズ曹長が「ゴジラとモスラはいい仲ってことか…?」と聞く。そりゃあ公式からこんな…こんなゴジモス認定されたら…オタク焼け死んじゃうわ…。モスラ、「She」と呼ばれて雌ってことにされているし、Queen of monstersだし、こうやって公言されたのがなんか新鮮だったな。今までの日本の作品では公言されてないはずだし。あとこのあと現実に戻った時に気づいたんだけど、モスラ全編通して9割光ってない…?この時点でやっぱりまだ全貌見せてないもん。やっぱりドハティも勿体ぶってんなあと笑ってしまった。ていうかモスラ今までどこいってたんだ。後述するけど卵出てくるってことは産みに行ってたんか?

・ゴジラが生きていると分かったものの、彼は弱っていていつ目覚めるかも分からない。けれど今人類はギドラという危機を目の前にして、倒す方法はゴジラに委ねるしかないという状況。そして決意する。魚雷でゴジラを目覚めさせることを。芹沢博士にとって原爆は父を殺した悪魔であり、ゴジラを目覚めさせてしまったものでもある。そしてマークにとって、ゴジラは大切な息子を奪った悪魔。そしして芹沢は言う。「傷を癒すには、悪魔と和睦するんだ。」「受け入れて学ぶんだ。」「我々の役割とは…」と。原子力やゴジラと向き合うんですよね。そして辿り着いた地下空洞で見つけた古代エジプトやローマのものよりずっと古い遺跡に描かれていたのが、ゴジラのような巨大生物を崇める人間たちの壁画だった。ここでようやく明かされる巨大生物と人類の共生の時代があったという歴史…。エマの言うことは合っていたという…。方法がアレすぎたんだけどね…。ま、まじか〜〜〜ってなったよね…。古代にゴジラたちが生きていただけではなく共生してたのか〜って…。ちなみに初代ゴジラの中でもゴジラは伝説として語られてきていたんだけど、それも共生というのか…。

※初代ゴジラに登場する大戸島に伝わる海神「呉爾羅」について。古来より大戸島近海には呉爾羅なるものが潜み、腹が減ると付近の魚を食い尽くし、やがては陸に上がって人間をも襲って食らうと恐れられていた。そのため島では不漁になると呉爾羅が現れたと見なして嫁入り前の娘を生贄として海に流したという風習があったとされ、その呉爾羅を祀り沈める神楽も残っている。

・海底の遺跡の中で眠るゴジラを発見して、「オーマイガッ」「ジラ〜〜〜」と付け加えるリック博士おちゃめでほんと好き。ここがゴジラのホームなんだよね〜海底の溶岩の中で眠り、パワーを吸収して進化していくんだよゴジラは。

・魚雷が故障して手動じゃないと起動できないとなったとき、真っ先に「私がやる」と声をあげた芹沢博士。そうだよね。そんな大切な役目、誰にも譲るわけにはいきませんよね。これもゴジラと芹沢博士の宿命でもあるのか。ここからのシーンもう涙流しすぎてわたしの意識も朦朧としてたわけなんですけど、とにかく「good bye old friend」とかいう劇中曲の破壊力がヤバイ。神聖すぎてもう拝んだもん。泣きながら。芹沢博士が近づくと目を開けるゴジラ。芹沢博士、ゆっくりゴジラを見上げて触れるんだよ、ゴジラに。ゴジラ史上初めて、人間がゴジラに触れるんだよ。それが芹沢博士なんだよ。初代ゴジラでは、ゴジラをその手で葬った芹沢博士が。今度は人類を救うために、救ってもらうために、ゴジラを目覚めさせる。こんなことある?「さらば 友よ」と笑って芹沢博士の人生の幕が下りる。芹沢博士は今までゴジラの味方のように振舞っていたように見えるけれど、渡辺謙さんもインタビューで答えられていたように、芹沢は怪獣そのものの存在が、いまだにどんな意味を持っているのか分からないので決めつけていない。けれど遺跡で、かつてゴジラが人類に祀られて共生していた歴史を知る。単なる敵ではないと。いつでも自分の人生と共にあったゴジラを友と呼び、そして、地球の未来を含めて、惜別と哀願と、「頼むぞ」という気持ちを込めてゴジラに語りかけるんですよ。もうなんて表現したらいいか分からないんですけど、芹沢博士のゴジラに対するクソデカ感情もだけどわたしのクソクソクソクソデカ感情も大爆発ですよ。祈りよ届け…とか手を合わせてたらですね、感傷に浸る間もなく、流れる「Rebirth」ですよ。タイトルで分かるよね。

・曲のタイトル通り復活したゴジラ、本音を言えばここで劇場に響き渡り観客を震え上がらせる咆哮きて欲しかったんですけど。きませんでしたね。おい。ドハティ。そこだけは許さんぞ。そのかわりといってはなんですけど景気付けの一発、放射熱線。充電バッチリ感ありますね。

・マークがオルカ用の音声をつくった際に「人間とゴジラの声を合わせた」と言う。「なるほど、人間は強欲で残忍な獣」というセリフのあとに出てくるエマ。今作はその代名詞だよねエマ。

・そして舞台はファンウェイパークへ。ゴジラvsギドラ。芹沢博士が気合いれすぎたせいで、ゴジラの体はあと12分で熱核反応を起こしちゃう。イヤ〜〜〜この赤く燃え上がるボディ、大好きな「vsデストロイア」のメルトダウン寸前ゴジラを彷彿とさせてもうね〜、かっこよすぎる。それにしても今作のゴジラ腹回りと下半身めちゃくちゃゴツい割に手が短くて色々不安になります。

・ここでやっとモスラの全貌!!!!歴代より顔がシュッとしててシャープですね。女王感出てる。しかし脚いっかつい。翅の目玉模様はゴジラの目だそうですね!!す、すき〜〜〜!!!!!!

・ギドラが電線?に噛み付いて電流チャージするのもおもしろかった。無限なわけじゃないのよね。

・手ついてハアハアするゴジラも人間味が溢れていた…。

・モスラたゃの翅燃えちゃってるし、ゴジラはギドラに遥か上空から落とされて燃えちゃうし、もう絶体絶命感…でもな、観客たちは知っている…こんなところで終わるゴジラとモスラではないのだ…幾つもの死闘を乗り越えてきたゴジラたちだもん…とかほくそ笑んでたらモスラたゃがゴジラによじ登ってきて守ってくれる…そこでまた涙腺崩壊だよお〜〜〜今まで割と敵対してきたゴジラとモスラだよ〜〜〜?!!!!!それが共に闘うパートナーに…王と女王に…

・オルカを直し、それを抱えて単身車で走りだすエマ、ここではもう家族をどうにか守りたい母親としての行動かと思った。けど、ここで「王が目醒めた」ってドヤ顔で言うんだよね。ここ、過去のサンフランシスコでゴジラを見上げるエマと少し被ったように思ったんだけど、あの頃から「ゴジラこそが怪獣の王」っていう確信があったのかな。世界各地で発見されて冬眠していた怪獣たちを一匹ずつ目醒めさせて、闘わせて、残った王と共生しようとしていたのかなあ。オルカを使って怪獣たちをコントロールするという狙いがどんな形になって理想に結びつくのかまでは分からないけれども。そうだとしたら、エマの目論見通りになってるんだよね。そこがもうゾッとした。

・メルトダウン寸前のゴジラからウォンウォンする音めちゃくちゃかっこいい。ギドラの首をそれで1発1首ずつ倒して、あと1首をあの極太足で踏み潰し…たはずなのにギドラ復活すんのか?!!!!!!!!!!!!!!!!と思わせるギドラの顔アップから実は首くわえてましたヨッシャ留めの一発放射熱線〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!この絵面の強さよ!!!!!!!!!!!ハァ〜〜〜みたいに首ふりドヤゴジラに、さすが王〜〜〜〜〜!!!!他の博士たちも「よかったゴジラが味方で」「今はね」て言ってて、やっぱり味方だよねゴジラは〜!!!!とか感極まってたら来ました他の怪獣たち。ここのラドンがめちゃくちゃちっさく見えて、なんか可哀想になっちゃったよ…ドハティ的にいちばん好きなラドンがこうなる展開、ちょっと切なかったりしたのだろうか…。いや、というか怪獣の頂点に立ったゴジラ、ここで今こそ最高の咆哮をお願いします!!!!!!!!!!!!!!!て思ってたのに、弱いんだよ音量がよォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ドハティ頼むよ〜〜〜〜〜〜別の意味で泣いた…

・エンディングについて。次のキングコングへつながっていくのはわかったけど、アレなに、巨大な卵。コング卵から生まれないでしょ?モスラは?生まれる?監督が「モスラは死なない。蘇るよ」って言ってたの、このこと?モスラ卵産みに行ってたの?このへんもう一回劇場観に行って確認したいんだけどみんなどう思ってんだろう…というかここのゴジラ音頭よ!!!!!!強すぎるわ…サビの「Oh,no,they say he's got to go  Go,go,Godzilla,ooh   Oh,no,there goes Tokyo  Go,go,Godzilla」がね〜…いやほんとみんな聴いて。あとエンドロール後のアラン・ジョナが買うっつったの、ギドラくんの首では…?エッなに復活する?メカになっちゃう…?なんにせよモンスターバースシリーズまだまだ続く…?と期待しているんですけど…。

・エンドロールについて。キャストロールで、ゴジラ・モスラ・キンググドラたちの役者名が「HIMSELF」になってたのも最高に良かった〜〜〜そうなんだよな。彼らは東宝の偉大な役者たちだよな。あらゆる作品で、時には敵として、時には味方として、地球の脅威でもあり人類を救う存在でもある彼らは超一流のスターなんだよ〜〜〜。そこに監督の怪獣たちへの敬意を感じてなんか最高の監督だなって…。そしてバックミュージックよ。モスラのテーマに拝んだし、「good bye old friend」にまた泣いたし、そこからのゴジラのメインテーマよ。製作陣の本気を見たし、金と最高のキャストと怪獣への愛が詰まった作品を本当にありがとうございました…。今作、ゴジラやモスラのテーマが原型をしっかり残して最高にかっこよくリメイクされた曲として流れたの、全世界のゴジラ好きが興奮したであろうなあと。ギャレゴジもかっこよかったけど、曲にしてもデザインにしてもバトルにしても、さらに進化したゴジラを見せてくれたドハティ監督に感謝しかない…。


  だからはやく円盤買わせて。ありがとう。好き。

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