寺子屋じゃあさ 新加入の子と既存の子の成長記録
小学1年生二人だけで過ごしてきた寺子屋じゃあさ。開校から5カ月経って待望の新加入の子どもがきました。たまたま二人と同じ小学1年生の男の子。さあ、いままで自分たちだけの世界を大いに作り上げてきた二人は新しい子を受け入れられるのか、また、二人の独特な世界観に新加入の子は入っていけるのか。通う子どもが増える、というのは、寺子屋じゃあさにとっても初体験なのです。ゆっくり、丁寧に、丁寧に、を心掛けているけど、内心は祈るような思いだったのです。
先輩の二人は、非常に心根の優しい子どもたちで、新しい子がきたら、「私は優しい女の子だから、いろいろ優しく教えてあげる♪」と言い、男の子も負けじと「僕は男の子だけど、優しく教えてあげるから」って、心構えをしてました(笑)。そうは言うものの、体験で来ていた時は遊びの中に積極的に交わらせてあげる、ということをしたわけではないですが。とはいっても、子どもたちなりに、自分たちのこれまでの「リズム」じゃない新しい子の関り方に戸惑いながらも、その一緒にいる空間を、自分たちで距離を測りながら過ごしていました。少し自分たちのリズムを守りたいときは、ちょっと離れたりするんですよね。そして、自分たちだけが分かる二人の世界観を繰り広げたりして。大人は関与はなるだけしないようにしていたので、新しい子はそういうちょっと孤独を感じるときはお母さんにくっついて二人の遊びを見ていました。でもこの子はそんなに臆している子ではなく、仲間に加わりたいときは自分から中に入っていくタイプだったので、本当に良かったです。新加入の子は2回目の体験の日の夜に「二人だけが二人として仲が良くて自分が入れないのがくやしい」と自分の気持ちをちゃんと言葉にしてお母さんに説明したそうです。そのふくちゃんの感想をシェアしてもらって、じゃあさの大人達は本当に驚きました。なんて自分の気持ちをきちんと語れる子なんでしょう!そして、既存の子どもたちと仲良くなりたいんだ、っていう意思を持ってくれていることが本当にうれしかった。
そうして、体験活動を3回済ませ、新加入のふくちゃんがやってきました。寺子屋じゃあさは岐阜県加茂郡七宗町にあり、通う子どもたちは町外で実は距離のある家庭ばかり。ふくちゃんにしても寺子屋にくるのに、結構な移動時間ですから、ゆるやかに慣れていくためにお母さんの送迎のしやすい時間、滞在時間も少し短めからのスタートです。初日をすごして、ふくちゃんの気持ち、お母さんの気持ちはどうだったろうと、お聞きしました。そしたら、この感想を伝えてくれました。
初日のふくちゃんに、すでに大きな成長が見られ本当に嬉しかった!
そして、週が明けて第2回目の定期活動日。その日は初めて見守り者が一人で子どもたちを預かる日。かつ、取り立てて活動内容が決まっていない日。さてさて、何をして過ごすかな。ゆくゆくは、子どもたちだけで集まったら「さあ!今日は〇〇をして遊ぼ!」っていう子どもたちだけの世界を創り上げて欲しいので、いろんな遊びができるように水を向けることをやってみようと考えました。まずは、トランプ。ふくちゃんはトランプ遊びに慣れていなかったので、既存の二人は張り切って教える!教える!(笑)子ども三人と私とでババ抜きをしました。図った訳ではなかったけれど、たまたま2回とも私がちょうどよく負けたので、子どもたちは大満足。ふくちゃんは一番になれなかったけれど癇癪を起すこともなく。いつもなら、勝って終わりたい既存の子どもたちだけど、ふくちゃんが満足したならそれでいいよ、という感じ。
これまでよりも人数が増えることで、なかなかペアが揃わない、上がりそうで上がれない、というトランプ遊びらしいやりとりや、駆け引きが味わえたのは既存の子どもたちにとっても良かったと思います。そかー、いままでは、二人だけで居心地はよかったけど、三人になるとそれはまたおもしろいことがあるんだなーっていう感じを、きっと言外に感じたと思います。
さて、そして、定期活動3日目は、瑞浪市の「希望の村」という畑活動や田舎暮らし体験のできる里山古民家へ遠征していきました。今日の活動を、本日の見守りスタッフの川村真基さんにレポートしてもらいました。
前はじゃんさん(川村)に遊んで~遊んで~と、まとわりついていた子どもたちですが、じゃんさんが上手に子どもたちだけで遊べるように雰囲気づくりをしてくれたので、里山で子どもたち四人でイマジネーションを使ってごっこ遊びを楽しんでいたそうです。今日のみゆきちゃんは昼食作りをメインで請け負ってくれました。鍋いっぱいに作った豚汁もぺろーり完食でしたって!
さてさて、今日という素敵な活動日にもう一つおまけの嬉しい報告が。ふくちゃんのお母さんから今日の締めくくりのレポートをもらいました。
寝る前に、今日という一日を振り返ってくれた、ということにまず驚きです。そして、その楽しかった思い出を表現したい、と自発的に絵を描く、という表現方法を取った、ということも。そして、そこに「僕とヤギさんは仲良しだ」という思いを表して、それをお母さんに見せてくれるという!ふくちゃんにとって今日という日は、本当にたくさんの「できた!」が詰まった一日だったんだと思うのです。そんな思いを寝る間際に感じてそして眠りにつけるだなんて、なんて幸せなことなんでしょう。胸が熱くなりました。
寺子屋じゃあさの活動が、子どもたちの一日一日をこんなに幸せにしているんだなぁと思って感動してしまいました。その嬉しさを記録したいと思いつづります。今日を支えてくれたスタッフと保護者のみなさん、ありがとうございました。また場所の提供をしてくださった瑞浪市日吉にある「希望の村」オーナーの加藤ゆかりさん、本当にありがとうございました。
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