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本たち直持ち

しばらく会わなかった爺さんと偶然図書館で会った。この爺さんは私のことが好きっぽいのだが距離を間違えていて私のことをチクチクと傷付けるから私はあまり会いたくない。昔はサービス精神があってお年寄りに隙をたくさん与えていたが今は自分の人生の残された時間も1秒1秒大切で無駄にできないと感じるお年頃になってきたから特別に興味をひく爺さん以外はデートお断りでサクッと「あ、じゃあまた!どこかでお会いしましたら宜しくお願いします〜」と言って手ぇヒラヒラさせながらのサヨウナラだ。

毎日毎晩後悔している。昨夜も意味不明に夜泣く次男に「もう早く寝てよ!」と言ってますます泣かしてしまった。私は私の睡眠時間をめちゃくちゃ妨害されたと思って腹が立っていたのだが私は何のために生きているかと考えると好きな人たちと生きるため、好きな人たちに優しくするため、それしか無いのだ。それしか無いのに私はいつも他に何かもっと大切なことがあるかのように思って焦って苛々してしまう。そして後で後悔する。ただ優しく楽しくいたいだけなのに、と泣きたくなる。そして実際に時々泣く。

そんなわけでバスを待つ。図書館からの帰り道。図書館用のバッグを持って来なかったから本5冊直持ちだ。

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