三略講釈【下略-5】
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。
講釈を進めていきましょう。
本文現代語訳
「君主が臣下に出す指示の事を、命と呼ぶ。それを文章にしたものを、令と呼ぶ。それを実際の行動に移すことを、政と呼ぶ。
命が正しくなければ、令として文書にされない。令として文書に残されなければ、令に基づく政は行われない。政が行わなければ、道理が通らなくなる。道理が通らないようになれば、邪な考えを持つ姦臣がのさばるようになる。姦臣がのさばるようになれば、君主の威厳は傷付けられてしまうのである」
解説
君主が命令を出し、これを法令と言う形で文章にして残し、それに基づいて政治が行われます。
ですので、もし最初の命令自体が誤っていれば、正しい政治が行われなくなります。
政治が正しく行われなければ物事の道理が通らなくなり、その歪みを利用して邪な考えを持つ家臣が勢力を拡大して国が乱れ、巡りめぐって君主の威厳は失われてしまいます。
だから君主は命令を出す時に、慎重に考えを巡らせて決断しなければならないのです。
命令の重要性と、命令を考えることの難しさがここでは語られています。
今回の講釈はここまでとしましょう。
それではまた、次回お会い致しましょう。
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