湯気

イラストレーター 日々の生活を川柳で。 俳句と川柳の違いを検索・模索し、狭間で揺れる。

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  • 湯気 川柳村

    湯気の川柳村

最近の記事

夕闇に 小鈴鳴るよな 虫の声

夕方の散歩。蝉の声はいつのまにか聞かなくなったなと思うと同時に、澄んだ虫の音がする。 意外と高音なのだなとか思いつつ、耳を澄ます。あぁこれは、鈴の音だねとかまた思いつつ、すると、辺りも日が暮れて、すっかりその音の中に包まれて歩いている。 見上げた木の影と空の色の絵。

    • この夏の プール神話は 終わらない

      この夏プールに行ってみたら、首肩の凝りが良くなっている。 夏にバテてきたここ数年だったけど、たまたまなのか、元気だ。 いつの間にやら、「プールに行ってれば大丈夫」という健康神話が己の中に出来上がる。プール後の心身ともにスカッとする感は否めない。 が、左の股関節が痛い。 原因は、平泳ぎしか思い当たらない。 神話もここまでかと思っていたら、泳ぎ方の指導が入り、難なく痛みはなくなった。 ということで、プールの神様、もうしばらくお世話になります。

      • おやつ食べ 水の中のこと 反芻す

        夏のプールは最高だ。 さっき教えてもらった泳ぎ方のフォームを思い出し、おやつを食べる。 水の中の感覚がまだ近くにある。 プールのあとのおやつも、最高だ。

        • にぎやかな 網戸のセミと いびきかな

          夏の午後、やけにセミの鳴く声が大きいと思えば、 網戸の外にひっついて、鳴いたり止んだりしているのだ。 そこに隣室より、なにやらイビキも聞こえ出した。 ひと息つきながら、音の中に居ると、どちらの音も夏の空気と混ざっていく。

        夕闇に 小鈴鳴るよな 虫の声

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        • 湯気 川柳村
          14本

        記事

          やりたいな こわいなぁでも やりたいな

          やりたいことをできる機会に恵まれて、さっと行動に移せるならいいけれど、気持ちが強い分こじらせると言いますか、前に進むことに、もじもじしてしまう。 なんだかわからないけど、怖い。 失敗のイメージが「怖い」のか、実現する興奮感が「怖い」のか、変化の予感から本能的に「怖い」のか。まぁ、どれもあるのです。 ただ、肝心なのは、やりたいに挟まれていることです。

          やりたいな こわいなぁでも やりたいな

          思いだす ああこんなにも 降るんだと

          季節の印象は曖昧だ。 実際の梅雨の雨の日、晴れ間からのザーザー降りの外を眺めて、 梅雨ってこうだったよなとやっと実感する。 そうやって少し経てば、またぼんやりとしていく。

          思いだす ああこんなにも 降るんだと

          梅ほじる 降り出した雨 梅雨入りか

          昨日取ってきた青梅を漬ける準備。 青梅をきれいに洗い、水気をとり、竹串でヘタをとる。すぐ終わると思って始めたが、ヘタをくいっときれいに取るにもコツがいる。一粒ずつやっていく。いつの間にやら夢中になる。 指先の青梅に一点集中していると、窓を打つ雨音が聞こえ始める。 先ほどお天気アプリの速報で、梅雨入りを告げていたっけ。

          梅ほじる 降り出した雨 梅雨入りか

          至福かな 湯にほぐされて 唸りでる

          湯船に沈んだ時、全身が解きほぐされて、身体の根底から唸り声が出る。 あれは一体、何者の声なんだろう。 お風呂でしか聞けない、己の声もあるよね。

          至福かな 湯にほぐされて 唸りでる

          悩みごと 蒸籠に聞けば 蒸しパンのまる

          台所でタイマーを眺め、蒸しあがるのを待っていると、ふと、どうしたものかと悩みごとが頭をもたげる。思考しているうちに、タイマーが鳴り、蒸籠をあけると湯気の中に蒸しパンが、丸く丸く膨らんでいる。完璧な丸。答えはここにあったのか。

          悩みごと 蒸籠に聞けば 蒸しパンのまる

          ニュース見て 夜中に響く カレーせん

          カレーせんとは、カレー味のスナックせんべい。かじるとバリッとした音がよく響く。 緊急事態宣言が解除されたニュースを見ながら、無性に食べたくなり、かじる。せんべいの音が室内に虚しく響いた。 虚しいなと思いつつ、今、せんべいをかじり、ここに生きているのかと安堵感もしみじみと湧いた。

          ニュース見て 夜中に響く カレーせん

          湯あがりに アーモンドフィッシュ 大人だな

          甘塩コーティングの小魚、カットアーモンドが小袋に入ったお菓子「アーモンドフィッシュ」。幼少期、親に許された数少ないおやつのひとつ。 最近久しぶりに見かけて購入。パッケージそのまま、懐かしの味。 で、今のが美味しく感じる。味覚の変化か、味の進化か。一気に3袋、袋から直食い。 もう、好きな時に、好きなだけ食べられる。

          湯あがりに アーモンドフィッシュ 大人だな

          かの人の 心の隙間に アーモンド

          アーモンドとはアーモンド型のボールから、ラグビーをさす。(自己解釈強め) 夫が長期の出張中、その心の隙間にラグビーがトライ。

          かの人の 心の隙間に アーモンド

          日々つづる 過去の我をば うつくしく

          10年日記というものを付けている。 ページを開くと、見開き2ページが一日の日付けで、それが10段に分かれていて、一冊に10年分の日記が書けるようになっている。 日記を書きながら、ちょうど一年前の自分が何していたのか覗く。 これをしたくて書いている。ほぼ忘れていることがつらつらと。 はじめは、偶発的な発見、例:同じ日に偶然同じ人にばったり、とかを楽しみにしていた。最近は、過去の状況と今日を省みて、少しの進歩を褒めてみたりする。 1年の変化はうっすらだ。しかし、2年、3年は結構、

          日々つづる 過去の我をば うつくしく

          野の草の 緋色に褐色 いとおかし

          冬が深まっていく。野の草も色をなくす。 無くす前の緋色、色を無くした褐色、これもまたいい景色。

          野の草の 緋色に褐色 いとおかし