【シリカ水】怪しい？水飲み健康法ってどうなの？【ケイ素】

シリカ水とは？
シリカ水とはざっくりいうとケイ素を多く含むミネラルウォーターとなります

ケイ素は、おもに水分にふくまれるミネラルで、近ごろは「美肌に効く！」とか「老化を防ぐ！」などと言われております。
そんでそれって本当に効果があるの？を説明して

後半では一日水を2リットル飲みましょうとかいう水飲み健康って本当に効果があるの？
そもそもデトックスって効果あるの？
ということを解説します。

ケイ素

ケイ素が注目されるようになったのは2000年代の半ばごろで、ケイ素の量が多い水を飲んでいる人たちは長寿が多い（パキスタン人とか）って調査結果がチラホラ出てきました。

ほかにも、ケイ素が多い水を飲んだ高齢者は、アルミニウムの悪影響を受けにくいってデータもあります。これだけ見ると、ケイ素はアンチエイジングに効きそうですね。

しかし、これらのデータはあくまで観察研究がメインです。

実際の実験データはどうかといえば、これがめっちゃ量が少なかったりします。たとえば、「ケイ素が美肌にいいかどうか？」って問題については、

・動物細胞にシリコンサプリを使ったら、光老化のダメージが軽くなった。これは活性酸素を除去する効果によるものなので、人間の肌にも効くかも
・ヒトの肌細胞にシリコンサプリを使ったら、抗酸化の作用が認められた。だから、人間にも美肌効果があるかも

抗酸化の効果はありそうですが、ヒトを使った実験がないので、現状「効くかも…」って感じです。

ヒトを対象にした実験があるかというと、呼吸器系の健康について調べたものが主ですね

具体的には、

・７人のサイクリストにケイ素を飲んでもらったところ、とくにレースのタイムやパフォーマンスの向上はみられなかった
・６人のサイクリストにケイ素を飲んでもらったが、とくに疲労や心拍数、心肺機能には変化がみられなかった

みたいな感じ。いずれも参加者の数が少ないのでデータの信頼性が低いうえに、どの実験でも「ケイ素は無意味！」って結果が出ちゃってますね。

まとめ
そんなわけで、以上の話をまとめると、

・美肌やアンチエイジング効果は、あくまでまだ「仮説」の段階
・ヒトを対象にした実験では、ケイ素の効果は出ていない

という２点がポイント。仮説レベルの商品が話題になっちゃったって感じ。「水素水」と同じですね。
もちろん、ケイ素自体は大事なミネラルですが、いまのところサプリで飲んで効果が出るかといえば、非常に怪しい。普通に食事から摂ればよしですね。

水飲み健康法って効果あるの？

ミネラルウォーターを2リットル飲むことはデトックスになって良いのではと思う方々はいらっしゃると思います。

では、水はどのくらい飲めばいいのか？
ペンシルベニア大学のレビュー論文で
水分保持力のスペシャリストであるスタンリー・ゴールドファルブ博士のリサーチで、一般的によく聞く「水と健康」に関する４つのデマをぶった切っています。そのデマとは

1. 水を飲むと体から毒素が排出
2. 水を飲むと肌の調子がよくなる
3. 食前に水を飲むと空腹感が減る
4. 水を飲むと頭痛がやわらぐ

というもの。よく怪しい水を売る商売やデトックスで聞く話ですが、博士が過去の実験データを調べ直したところ、どの説も根拠はなかったとバッサリ否定！

例えば毒素を排出の説については、

体内の毒素を排出するのは腎臓だ。それこそが腎臓の役目であり、実に効率よく仕事を果たしてくれる。そして、水を飲む量は、腎臓の正常な働きとは関係がない。たくさん水を飲めば尿の量は増えるが、尿のなかの毒素の量が増えるわけではない。

とのこと。2009年に出た「デトックス」に関する論文でも、「毒素の排出なんて肝臓と腎臓が完璧にこなしてくれる」ってのが主張なので水を多く飲めばいいという訳では無い感じ

そのほかの３つの説も同様で、いずれも「証拠はほとんどない」とのこと
あくまで水を余分に飲んでメリットがあるのは、

・気温が高くて乾燥している場合
・アスリート
・病気中の人たち

だけで、平均的な人には目立った効果は出ないそうです

ゴールドファルブ博士いわく、

水を余分に飲むことでメリットあるとの証拠はなかった。ただし、水をよぶんに飲むメリットがないとの証拠もなかった。

とのこと。いまのところ「水飲み健康法」については、メリットがあるともないとも言い切れないんだ、と。

そんなわけで、綺麗になりたいからとか、健康のためとか大量の水を飲む必要はなさそう。
起床直後の脱水時には必要ですが、それ以外のケースでは、2014年にオタゴ大学から出た、

ほとんどの条件下では、環境の違いに関係なく「ノドが乾いてから水を飲めば十分」

ってガイドラインを守っていれば問題なさそう。結局は、体のサインに従うのがベストってお話でした。