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ブロックチェーンとデジタルツイン

メモ。Ficty と Conata との事業提携について。不勉強なので何かの参考にはなさらないこと。

Fictyはこの度、ブロックチェーンを利用したバーチャルグッズ販売所「Conata」等を運営する株式会社BeyondConceptと、ファッション、アート領域におけるデジタルツイン価値創造に取り組むため、事業提携を行います。

ブロックチェーン、デジタルツインと横文字が並んでおり難しい印象だ。

製品や製造工程の状況をデータ上にも再現するという意味でのデジタルツインという用語については、WIRED の特集が詳しい。

ただ、ここでいうデジタルツインは Cotana の mekezzo さんの認識によれば、もう少しカジュアルなものになるようだ。

かんたんに伝えると現実の写し鏡のようなものです。現実で存在するアイテムがバーチャルでも存在する的な。

現実で存在するアイテムがバーチャルでも存在する」で思い出すのが VRoid WEARchloma のコラボレーション「Y2K Anorak」。

「VRoid WEAR」第一弾は、chlomaが2019年新作コレクションとして発売する「Y2K Anorak」を、3Dデザインとして再構築されたアバターウェア「Y2K Anorak for VRoid」。
「VRoid Studio」のテクスチャデータとして自分のアバターに着せることができる。もちろん、他のテクスチャデータと組み合わせてコーディネートを楽しむのも自由だ。

VRoid の場合は VRoid Hub というサービスが SDK で開発された各サービスで同じアバターを使えるよう連携させる。ポケモンシリーズの新サービス『Pokémon HOME』のような感じだ。一方、Ficty と Conata のケースはブロックチェーンでデジタルツインの価値を創造するということらしい。

ハブ / ターミナルのような中央集権的なモデルとブロックチェーン、分散型台帳技術はどこが違うのか、となるとデータの使用権の扱いが大きく違ってくるようだ。

現実のモノと同じようにバーチャルでもモノを所有できるようになる。

現実において我々はどのようにモノを所有しているか。おそらく多くの人が想像する手に持つ、または身に纏うというような状態は法学では占有と呼ばれる。所有とは採ったり拾ったり、あるいは前の所有者から承継して(売買だとか贈与だとかの契約や相続で)使用したり処分したりする権利を取得した状態だ。(特にこの段落は何かの参考にしてはならない)

資産価値が大きく外形的に誰が所有者か分からない土地や建物、不動産では権利関係を公示する登記簿が法務局に備え付けられる。所有権の移り変わりは次のように登記される。所有権に関する事項、登記の原因:所有権移転、原因:○月○日売買。

データの場合、実物とは権利の扱いも変わってくる。インターネットにアクセスすることは、ネット上のデータをダウンロードし貴方のパソコンにコピーすることだ。際限なく増え続けるコピーを権利上どう扱うか。CCCD ?

ブロックチェーンは分散型台帳技術でデータの真正性を保証する。暗号化技術を用いて台帳に書き込まれた履歴が権利の譲渡関係を明らかにする。ブロックチェーンでは貴方のパソコンでも台帳への書き込みに際しての暗号の計算に参加できる。

登記簿に家のローンの抵当権が載るように(登記の目的:抵当権設定、原因:○月○日設定、債権額:○万円)、ブロックチェーンにも様々な契約をスマートコントラクトとして盛り込める。スマートコントラクトはプログラムなので、銀行の債権回収会社の机に書類が眠っているなんてこともない。プログラムにより自動的に実行される契約、文字列の表示から巨大金融システムまで。デジタルツインの価値創造もおそらくそのへんにある。

なぜ分散なのか。ポケモンのようにハブになるデータセンターが台帳を管理するのでなく?

株式会社ポケモンは良い会社だろう。しかし、世の中には情報・メディアリテラシーの確立に向け、過去に誹謗中傷を行うアカウントを運用していた公益財団法人とパートナーシップ協定を締結する SNS も存在する。Amazon は販売停止した電子書籍を Kindle からユーザーに無断で削除したことがある。このとき、ユーザーは購入していたのは電子書籍の所有権か、閲覧のライセンスか?

もちろん巨大企業を悪者にしなくても権利関係を辿れることにはメリットが有る。JASRAC に頼らなくても権利者へ収益の正当な配分ができたり、JASRAC が管理していると思いきや管理していない楽曲も配信できたり、なんかもっと複雑に色々な団体が絡む原盤権を解決したり。

実際、デジタルツインの価値創造については具体的な検討ついていなくて、そこらへんはどうなるのか楽しみ。ブロックチェーンについては仮想通貨バブルの胡散臭いイメージもそろそろ払拭されていくのかなぁという感じがします。ユーザー目線だと電子書籍やデジタルカードゲームなんかとは相性良さそう。レジェンド・オブ・ルーンテラ面白いです。

特になにもないよ。

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