まったく この世界は…
まったく この世界は… 突然 色をなくし
毎日 降りしきる豪雨のように
透明なのに グレーと白の世界にしてしまう
薄ぼんやりと グレーと白のグラデーションで
チクチクした感覚だけを 際立たせる
チクチクした感覚は嫌だけど
グレーと白のグラデーションは 美しい
だから 自分の感覚も雨に溶けて
溶けて 溶け続けて
境界線をなくしてしまう
それなのに…
まったく この世界は…
突然 太陽が照りつけるように
大量の色彩で 溢れかえる
色彩の波が いつの間にか自分を高揚させる
「なんて 綺麗な 色達だろう」
空の青 緑の木々 赤い百日紅 ビルの白い四角
音まで 溢れかえり
止めどない 音が溢れかえる
そして 自分の輪郭を取り戻す
あの時あったチクチクは 知らぬ間に姿を消して
ピカピカした何かを 胸にしまう
きっと自分は
光合成して生きている
だから 自分は緑の匂いがしている
きっと トンボがよく自分に留まるのだろう
まったく この世界は…
色即是空
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