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エピソード

ある日、家を飛び出して、
どうしても欲しいものがあり、
家にモノを取りに戻った。

自分の部屋に一目散に駆け込み、
ゴソゴソ忘れ物を探していると、
ガチャ!!
…と、ドアが開いた。

アメリカにいるはずの、
息子が立っていた。

目が合い、二人で沈黙…。

言葉を探して、
何気なくテーブルに目を落とすと、
『よみがえる変態』
息子は私の視線を追って、
二人で『よみがえる変態』を、見つめていた。

…なんか、母として、
もっと違う本を残すことは出来なかったのかと、
やや背中が汗ばんだ。

アハーーーーーー。
その本の内容もちょっと変態で、
途中で読むのやめたまま放置された本。

何か言ってくれ!…息子よ。
出来れば、私に弁解をさせてほしい。

エロ本を母に見つけられた男子って、
こんな気まずさなのだろうか?


そんな、エピソードがあったけれど、
私は、単に星野源が好きなのよ。

星野源の何が好きかって、
多分、そのゆるさ…だと思う。
刺激が強すぎない…と言うか。

学生時代いじめにあっても、
脳出血で2回も倒れても、
それを強調することもなく、ニュルっと生きている。

初めて星野源を知った時って、
私の周囲で星野源を知る人っていなかった。
有名すぎないから、ライブチケット取りやすいだろう…、
と、思っていたら、
脳出血で倒れライブどころではなく、
永遠同じ、エピソードと言うCDを聴き続けた。
それは、本当に日常を歌ったもので、
「うん。うん…そう言うのあるよね。」
「うん。そういう時って幸せだよね。」
って、思える、キラキラし過ぎない、
微かに笑える、微かにほんわかする、
微かに穏やかにしてくれる歌だった。
し過ぎない、ピッタリ寄り添う感…と、言うか。
それを、共感力って言うのかもしれないんだけど…。

いじめとか、明日をもしれない病気とか、
そう言うのを経過して、
もしかしたら、
より繊細な感覚になって行ったのかな?
と、思ったりしている。
あらゆる粒子も見えていて、確固たる何かを作っているような。
(身勝手な個人の見解です)




『不思議』は、ゆるくて、リズムがかっこよくて、静かな幸せ。


それなのに…。
何故、あの時は
『よみがえる変態』…だったんだろう…。

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