断捨離をした~在宅 その3

在宅シリーズ、ゆるーく執筆しているが、もう3作目。コロナで巣篭もり生活に入って一年になる。

ずーっと家にいるものだから、家の中の段々と気になることがでてきた。今まで、仕事での転勤で引っ越しを数度してきた。その都度、仕事が忙しく、片付ける暇もなく、あれこれ荷物が増えてしまった。全く開けていないままの段ボールもある。荷物が整理できるのは退職後だと思っていた。

そんなところへ、友人が2021年の4月にご主人の転勤で引っ越すという。この期に断捨離するらしく、業者さんに廃品回収をお願いした、というのだ。

彼女との会話の中では、私も整理したいものが沢山あるのよね、と何も考えずに話したら、業者さんにお願いしてもいいよ、と快く聞いてくれた。

断捨離は、時間と気力、体力がいる。いま、やっておく時期かもしれない。重い腰をあげて。いつか大きな地震が来るかもしれない。その時、荷物がぐちゃぐちゃになってしまう前に、不要なものは捨てて、身軽になったらどうだろうか。

有り難く、彼女にお願いすることにした。

今まで、どうしても捨てられなかったもの、思い出のあるもの、子供の頃のおもちゃ、まだ、使えるかな?と取っておいた海外用の炊飯器、兄弟が置いてあったギター、布団などなど。駐車場一台分がすぐに満杯になった。

私が淡々と整理をしている様子を父親は冷めた目で見ていた。「お父さんも捨てるものがあったら、一緒に出して良いよ」と言っても、「自分のものは、大きな物はないから、また、後日ゆっくりやる」と言い何も出そうとしない。

私からすると、さっさと、整理しなさいよ、なんだけど、父も思い出もあり、捨てても再購入するわけではないから、嫌なんだろう、そう思い、放っておいた。

そんな中、いよいよ、業者さんが4トントラックで家にやってきた。

男性が二人、沢山ある廃棄物を見て、「家を解体するのですか?」と。それぐらい沢山の不用品が山積みに。

何でも手際よく二人でトラックに乗せていく。その様子を最初は遠くから見ていた父が、亡くなった祖父が住んでいた小屋から、これも亡くなった叔母のものをあれこれ出してきた。

「これももっていってもらえますか?」炊飯器、ミシン、など。また、父が買ってくれたバーベキューセット、猫の籠、兄のスキー板、そして、祖父の小屋の窓ガラス、父と祖父が家を建てた時に使っていた建具など。

何でも全部持っていってくれる様子を見て、父はすごく感動。何度も何度もお礼を言い、お食事でも、とお金を持ってきた。

30分もしないで、二人は大量の廃棄物を乗せたトラックと共に帰っていった。

父は祖父の小屋をホウキで掃き、綺麗になった、おじいちゃんが喜んでるね、と。

何をしてあげても全く喜んだことがない、むしろ、いつも迷惑そうな父が、今回はとてもとても喜んだ。その後も、何度も彼ら二人の話をする。

そして、今回、業者を手配してくれた友達の引っ越し祝いも渡したいと言った。よほど、嬉しかったのだろう。

最初は、断捨離を嫌がった父ではあったが、最後はとても喜んでくれた。一つ、親孝行できたな、良かったな、と思った。自分がしたかった断捨離だったが、予想外の父の反応が嬉しかった。

とは言ってもまだまだ整理、処分しないといけないものがある。1か月にゴミ袋三袋整理!を2022年の目標に、これからも整理を続けていこう。また、何か予想外の副産物があるかもしれない。

断捨離も良いものだな、と改めておもった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?