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人生という〝川〟と作業療法を結び付ける

こんにちは、こんばんは。
作業療法士のユウエイです。

今回は
人生という〝川〟と作業療法を結び付けるというテーマで書きたいと思います。

初めに

なぜ人生を〝川〟として表現したのか?

について書いていきます。

これは

日本で生まれた作業療法理論の一つで〝川モデル〟

というものがあるからです。

この川モデルでは、人生を〝川〟に比喩することができるとされています。

まず、川モデルができた背景を軽くまとめて話したいと思います。

川モデルというものは、日系カナダ人でトロント大学の作業療法学科教授のマイケル・イワマ博士を中心として、日本の岡山県の作業療法士と一緒に開発された理論です。

作業療法士向けのnoteではありますが、作業療法士でない方にも理解しやすいように書いていきたいと思ってます。

さて、本題に戻ると

川モデルという作業療法理論ができた背景には

日系カナダ人のマイケル・イワマ博士が、ご本人の経験と、日本の文化を見た時に

日本の作業療法には日本の文化に適した作業療法理論が必要である

と考えて、日本の文化を見ながら日本の作業療法士と一緒に開発されました。

元々、作業療法士(Occupational Therapist)という専門職は、欧米から輸入された仕事であって

その欧米から日本に輸入された作業療法士の考え方は、欧米の作業療法理論に基づいたもので、欧米の文化が反映されて作られています。

欧米の文化が反映された作業療法理論を、日本の文化に合わせて扱おうとするとマッチングミスが起こって上手く噛み合わなかったんですね。

このために、当時の川モデルの開発に携わった日本(岡山県)の作業療法士は、欧米のアメリカで生まれた人間作業モデルを主に作業療法の実践を行なっていました。

その中で、やっぱり日本の作業療法士たちも欧米の作業療法理論を日本の文化の中で活用している時に上手く扱えないという感覚があったそうです。

そこで日本の岡山県の作業療法士がイワマ博士に相談を持ちかけて、川モデルの開発に至ったというわけです。

ここで大事なことが、

現場で作業療法を実践している作業療法士が困り感を実際に感じていて、その実践家である作業療法士の立場からこの〝川モデル〟が出来上がった

というところだと思います。

多くの作業療法理論は、現場の実践の場から離れた研究者が分析をしながら作業療法理論を作り上げたりしてるみたいですが、

この〝川モデル〟は日本の現場で実践している作業療法士が臨床現場で研究を重ねて、時間をかけて作り上げたモデルであるため
現に実践の現場で困り感を感じている作業療法士が作り上げているモデルとしてかなり説得力のある作業療法理論ではないかと思っています。

かなり川モデルに影響を受けている僕ではありますが、面白い取り組みだなって直感で感じているところも、この川モデルに魅了されている証拠ではないでしょうか。

さて、しっかりと【川モデル】の話していきたいと思います。

日本の文化に適した作業療法とは何か?

というところですが、

欧米の世界観としては個人主義が強い文化があります。

その個人主義の考えが強い文化の欧米で作られた【人間作業モデル】や、カナダの【作業遂行と結び付きのカナダモデル】の作業療法理論を日本の文化に当てはめて行おうとすると難しんですね。

日本での作業療法が作業療法として成り立たない

というイメージです。

少し言い過ぎな気もしますが、上でも書いたように実際に人間作業モデルの作業療法を実践されていた岡山県の作業療法士の方々がこのような背景があって川モデルを作ることに至っているので、これはあながち間違いではないのかと思います。

欧米の文化の個人主義とは違い、東洋の文化、特に日本においては集産主義の世界観が強い社会と言われています。

そして、多くの作業療法の理論で出てくる

人・環境・作業の3つの要素

について考えていくと
欧米の作業療法理論だと
この【人-環境-作業】の3つの要素を切り離して考えられている のですが、

東洋の文化では特に日本を舞台に話していくと

人(個人)と環境は切っても切り離せない集合体

として捉えられているとされています。

川モデルはその世界観が取り入れられたモデルで、このモデルにおける作業療法の目的は、自己とその社会的文脈を含む「人生」において「生活」を滞りなくできることを支援することだと言えます。

作業療法を説明する際に
川モデルの著者の言葉を借りるなら

以下、引用
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「作業とは何か?そして作業療法士は何をするのか?」
ある文化では、「作業は人生の流れであり、作業療法士は人々の人生の流れを可能にする人である」とクライエントは理解するかもしれない。それは、われわれが皆学生のころ習った、標準的な教科書の定義に勝っている。

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今回は以上です!

川モデルの詳しい内容は書籍をぜひ読んでいただきたく思います。

川モデルに魅了された作業療法士の個人的な見解で書かせてもらいました。

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