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可愛い娘を探しに自転車🚲で12時間走った夏休み。

痛い16歳の僕

中二病を発症していた当時の僕は(今も完治せず)何故か毎日5㌔のマラソンと、腹筋200回、背筋200回をこなす謎にマッチョなシックスパックの帰宅部でした。

"謎のマイルール"

16歳の僕は高倉健さんに憧れていました。高倉健さん=ストイック=カッコ良い‼️の図式。

健さんがブラックコーヒー☕️しか飲まないらしい…そんなことを知ったCoca-Cola大好きマンな僕はコーヒーだけの生活に変わります。

バイト先でも(従業員はドリンクバー飲み放題でした)アイスコーヒーのブラック一択。なんてクールな俺!そんな頭の弱い高校生活を送っていました。

館山の女の子は可愛いってよ❗️

中学校からの付き合いのYくん(バスケ部レギュラー)、Tくん(関西人の軽音部)と放課後だべっていた時のこと。

バスケ部のレギュラーのYくんは館山(チーバくんでいう所のつま先)に練習試合に行った時の話をしてくれました。

"とにかく女の子が可愛かった!"

そんな思春期を刺激する情報に、脳髄反射で「じゃあ見に行こうぜ!チャリで❗️」と挑発するように言いました。

煽り耐性の脆弱なYくんは「よ〜し、行ってやるぜ!」と、そんな風に夏休みの計画は決まりました。

ちなみにマイペースなTくんは、ニコニコ笑っているだけでした。

その日の夜に3人がそれぞれの両親に話した所、3家族とも満場一致で"死ぬぞ!"とのことでした。

当時の僕らの住んでいた市川市(チーバくんでいうと、舌の部分)から館山までは片道約120㌔、自転車🚲なら約10時間かかることがわかりました。

親から猛反対を受けた僕らは、ゆるゆるの脳みそで考えた結果「じゃあ似たようなもんだし九十九里浜にしよっか!」となりました。

真夜中のキチガイサイクリング🚴‍♀️

僕らの家から九十九里浜(チーバくんでいう所の頚椎)までは、約70㌔自転車🚲で6時間予定。

何も考えていない僕らは「まぁ遠いのはわかったけど何とかなるっしょ〜」精神で当日の朝を迎えました。

"当日の朝"

地元である妙典駅近くのミニストップに、朝3時に集合しました。 

テンションが最高潮の僕たちは、アミーゴのBe Togetterを高らかに歌いながら(遅くなりましたが、真夜中の騒音申し訳ございませんでした。)立ち漕ぎで国道14号へと向かいます。

装備は

ママチャリ、Tシャツ、長ズボン(どぅーさん)

ママチャリ、Tシャツ、半ズボン(Yくん)

マウンテンバイク、Tシャツ、半ズボン(Tくん)

で、江戸川橋を渡りニッケコルトンプラザを右折すると、国道14号に入ります。千葉駅の方は所々降りた駅もあったので、普段電車では見えない景色を堪能しながら走り続けていました。

自転車ってめっちゃ腹減るよね!問題

自転車🚲の消費カロリーは1時間=約500kcal

片道だけでも3000kcalは消費する計算で、育ち盛りの僕たちはお腹が空いて仕方がありません。

走る→食べる→走る→食べるのサイクルで、この日はマックに寄ったり、牛丼を食べたりと、6回くらいご飯を食べることになりました。

地図は持っていかなかったので、大きな通りを道路標識だけを見て進んでいきますが、特に問題はありませんでした。(むしろ何も気にしておらず、今思うと恐ろしい…。)

東金(チーバくんでいう耳👂)あたりになると、山道になり、一気に苦しくなったのを覚えています。

僕らの通う高校も梨園や畑の広がるのどかな雰囲気でしたが、この辺になると自然のレベルが違く見惚れながら走っていました。

九十九里浜までの距離は確かに長かったのですが、友達とずっとおしゃべりをしながら走り続けていたので、苦ではありませんでした。

それでも流石に、海🏖が見えてきた時には感動しましたね。

外房でもある九十九里の海は本当に広く、水面がキラキラと太陽光を反射していて、父の田舎でもある館山とは違った魅力の海に、心がじんわりと暖かくなりました。

たった2時間の九十九里浜

11:00にやっとの思いで九十九里浜にたどり着いた僕らはとても疲れていました。30分ほど海で遊んだだけで後は海の家で昼寝をしてしまいます。

起きてもダルさの取れない僕らは昼ごはんを食べながら、「よっし!帰るかぁ〜。」となりました。(当初の目的でもある可愛い女の娘のことはすっかり忘れていました。)

13:00に九十九里浜を出発してもと来た道を戻るのですが、1度走っているためか行きよりも早く感じます。

地元に20:00頃に到着すると、ガストで最後のご飯を食べて解散することにしました。

その日6度目となるご飯はステーキセット。どうなってるのかわからない食欲で平らげ、解散となり泥のように眠りにつきました。

次の日はステーキ屋でのアルバイトだったのですが、同僚の人達がみんな驚いています。

「それどうしたの?((((;゚Д゚)))))))」

そう真夏の炎天下で1日中走った僕は、アフリカの方もビックリのまっっっっっっ黒に日焼けをしていたのです。一生であの時ほど日焼けをしたことはありません。

一見ムダにみえるこの日帰りサイクリング🚴‍♀️旅行も今となって考えてみると、やっぱりムダだったんじゃないか!とつよく思える経験です。



#創作大賞2022

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