キリンとIRと神戸投資勉強会と
月曜日はヒールで踏まれ~♬
火曜日は黒田バズーカ~♬
トゥリャトゥリャトゥリャ退場トゥリャギャアァァァ!!
冒頭から失礼しました、お金減りすぎて錯乱状態のため、危うく日曜まで歌うところでした、すいませんキリンと申します。怪しい者ではたぶんないです。
ツクルバのシゲマツさんが企画された「IR系アドベントカレンダー2022」にシゲマツさんやバシマエさんからお声がけいただき、楽しい流れに乗っかるのが好きな性格から、株芸人枠として参加してみました!
既に12/1(前夜祭含めると11/30)から各企業のCFO方、及び各社IRご担当の方々、いつも若くてパワフルな三井さん、そして勉強会幹事の大先輩である「Kabu Berry」のyamaさん、「湘南投資勉強会」のkenmoさんなどなど、錚々たる方々が脈々と日々更新をされてきたなか、場違いですけどまたとない機会なのでがんばって書いてみようと思います。
そんなことよりクリスマスイブの夜にキリンのnoteを読んでいる皆さん大丈夫ですか?人生こじらせてません?と、心配ですが、後日ではなく今日読んでいただけた方とは仲良くなれる気がします。よろしければご笑納ください。なお、キリンは人生をこじらせています。
自己紹介
noteを使うこと自体が初めてですので、冒頭自己紹介を。
私キリンは京都府出身、神戸市在住、大阪勤務、関西一人三都物語の41歳、「あぁ・・」って言われがちなAB型です。繊細な性格です。
大手企業でうだつが上がらない会社員をやりつつ、趣味で2015年頃から株式投資を開始、現在投資歴約7年の古参のカス、俗にいうコサカスです。転勤が多く、大阪⇔東京を行ったり来たり、引っ越すこと計10回、自分一人の引っ越しであれば、いつ辞令が出ても3日あれば準備できる程度に飼いならされたちゃんとした社畜やってます。
家庭は、職業:webライター(使えるライターさん募集中らしいです)、趣味:サーフィン(サーファー仲間募集中らしいです)の妻が1人、もうキリンとはお風呂に入ってくれなくなった娘が2人おります。家庭のことを話し出すと1万文字級の別記事書けますが、今回はIR系アドベントカレンダーですのでこの話はまた需要があれば…
ちなみに長女のスマホには私のこと「キリン」と登録されています。余談でした。
投資スタイルとIR情報の使い方と期待
ここからは、自身の投資スタイルを踏まえつつ、凡人であるキリンがIR情報をどう使って、どんな情報に期待しているかという視点で独りよがりに書いてみたいと思います。期待する情報については業態などによってできるできないある話と思いますが、少しでもIRご担当の皆様の参考にしていただければ幸いです。
投資スタイル
キリンの投資スタイルは迷走しました。
職歴として企業融資実務に長く携わり、関連資格なども取得してきたため、財務諸表にまつわる知識にスペシャリティをもつ自負があったのが逆にじゃまをし、「つぶれない(=ちゃんとお金を返してくれる)企業」と「株価が上がる(≒成長する)企業」は違うという事実に気づくのに随分な時間を要しまして、最初の2年程度はこわれそうな株ばかり集めてしまうガラスの10代みたいな投資をしていました。。(←元ネタわかるそこのあなた40代以上確定)
その後紆余曲折ありつつ
①企業が開示する一次情報を積み上げて業績が伸びる蓋然性が高そうか
をベースに
②①がそう遠くないうちに株価にインパクトを与えてくれそうか(①で想定される業績を株価がまだ織り込んでなさそうか)
を検討して一定期間の保有を通じて値幅を取りに行くスタイルに落ち着きました(会社員をやっているため短期投資には向かず、また毎日株価見るのも億劫な性格なので必然的にこうなった、ということでもあります)。本当は企業のビジネスモデルをちゃんと理解し、確信をもって中長期投資できるのが理想ではありますが、自分の理解レベル/メンタリティでは難しいので、記載した視点で多くの企業の一次情報を薄っぺら~く読み漁り、気になった銘柄について積み上げを行うなかでメシの種を探し続ける非常に疲れのたまるコスパの悪い投資を行っています。
キリンが欲している情報
上場企業が発する情報にもいろいろありますが、個人的に投資を考えるうえで重視する情報を記載します(決算短信、説明資料は割愛)。
◆中期経営計画
私は中長期投資といえるほど甲斐性もなく、期待した値幅が取れれば取引をクローズしがちですが、それでも一定期間の保有を検討するうえで中期経営計画の開示は欲しいです。
まず数字を見て「●年後この数字に本当になったとしたらPER▲▲倍で配当利回り■%か」など頭に入れ、その後ストーリーに蓋然性がありそうか資料の中身を見に行くわけです。なので、将来の数字だけでは不十分で、そこに至る根拠(例、国内/海外別の売上/利益の情報、セグメントごとの成長イメージ、新規事業があるならその内容と展望、など)を明快に示していただいて、「確かにそうなりそうだよね」と投資家が賛同できる姿が大切と思います。
数年後の大きな数字だけが書かれ、"どのように"達成されるかが伝わらない、書かれていたとしてもわかりづらい、抽象的な説明にとどまっている、最終年度に急に謎の利益が創出されるらしい、といった内容では投資対象にするのは難しくなります。(実はそういう銘柄のなかに、追加でヒアリングして掘っていけば魅力的な場合もあるのですが、その作業は基本めんどくさいし、わかりやすく根拠を最初から示せ、が個人的願いです)
◆月次情報、受注状況などの適時開示情報
四半期決算の開示だけでも大変なお仕事ですが、四半期決算の合間に将来の業績予測の参考になる開示情報があるとありがたく、個人的にはここが一番言いたいことかなと思っています。
好決算が発表されると株価が反応しつつも、次の決算発表までの3ヶ月間という時間軸では株価も上下し、保有する心が折れる経験をされたことのある投資家さんも多いのではないでしょうか。その間に出会う他の銘柄に目移りもしますしね。人間だもの。
というわけで、決算発表以外のタイミングで保有判断のブリッジになりうる開示があると、握力が強まったり、逆に割り切ってリリースする判断ができるな、などと思うわけです。
月次でKPIが開示される会社はフォローしやすくていいなと思いますし、受注状況などをタイムリーに教えてくれると近未来の業績予測に役立ちます。決算発表を跨ぐ際のギャンブル感を少しでも減らしたいわけです。限られた資金で株やってる小市民としては。
せっかくなので一つサンプルで、今年後半盛り上がった「6338 タカトリ」という企業を例に、IR情報を振り返ってみましょう。今年11/23の北野誠さんのラジオ番組に出させていただいた際にも言及した銘柄ですし、ちょうどよくないですか。
タカトリは奈良県橿原市という関西人ですらあまり知らない(失礼)場所に所在する地味な(失礼2回目)銘柄です。ですが、パワー半導体向けSiC材料切断加工装置の大型受注が2021年初頭頃より開示されるようになり、徐々に注目されていきました。ちなみに私もそれまで一切知りませんでした(重ねがさね失礼)。
では見ていきましょう。
大口受注がポツポツと開示されるようになり、気になりますよね。
適時開示は日々有象無象が出るので、全部見る時間が厳しければ「受注」「業績予想の修正」「中期経営計画」などのキーワードで検索してそれだけ見る、とかそんなやり方もありと思います。
当時、年間50~60億円くらいの売上規模でしたので、単発で14億円の案件はインパクトがあります。
2022年に入ってからは大口受注の乱れ撃ち状態でした。
一方で株価が全然上がらず泣きながら買い続けるしかなかったのがこのあたりの時期です。開示が出ても寄り天連発でまあつらい。なんかすごそうなのに。
これらの開示情報を拾って並べるとこう。
受注・受注残の伸びから23/9期の業績の伸びは十分想定できるかなと。
タカトリの場合は、大口受注の開示をコツコツ出してくれており、四半期ごとの決算短信を待たずに業績予測を雰囲気でできていたので、日の目を見るまで何とか握れたというのが正直なところではあります。
株価はこう。
ギュイン!てなる瞬間を取るためにコツコツ開示を拾う地味な作業を行っています。今回のようなわかりやすい例はそんな頻繁には見つからないですけどね。
こういうのを取るために1社でも多くの開示情報を眠い目をこすりながら開けまくるのが業務後の日課です。
投資家アンケートから見るIR好取組事例
今回のnote執筆にあたり、神戸投資勉強会ご参加メンバーのなかで無作為にアンケートを依頼していました。設問を練れてなかったのでうまい集約ができずごめんなさい。ここで、投資家から声があがった「この企業のIRいいね!」をいくつか共有します。
◆トビラシステムズさん
「初めての試みにトライされている」
これは私も同感でした。例えばIR担当の近藤さんがYouTubeで定期的に配信されている「5分でわかる」シリーズ。直近の決算やビジネスなど、その時々のテーマ設定で配信されていますが、どれも本当に5分以内で終わる動画に仕上がっていますw
5分で何かを伝えようと思うと、必然的にポイントしか話せないので、視聴するとポイントだけ簡単に知れます。ご覧になられたことない方はぜひ一度ご視聴どうぞ。5分で終わるので!
◆アピリッツさん
「説明会でのプレゼンのうまさと普段のギャップ」
わからんではないというか、普段の永山さんがディスられてるだけな気もしますがw
永山さんは一人で桃鉄ばりに各地を行脚しまくる熱い方です。
聞くと来年も全国を飛び回る所存とのこと、ぜひお近くの機会に対面で投資家の皆さんには話を聞いていただきたいですね!
直近今週水曜のイベントの動画がアップされてましたので貼っときます!
つい最近素晴らしいなと思ったこと
今週火曜の昼、日銀の金融緩和策の修正を受けて市場が(主にキリンが)動揺したじゃないですか。
その日のうちにグッドスピードの松井さんがTwitterで金利上昇と業績見通しの関係などを速やかにツイートされていました。非常に速かったです。スピード優先で情報としては既に同社が開示済みのものの再掲でしたが、今回のニュースとの関係をわかりやすく伝えてくれる価値の高いツイートと思いました!
少し日を置いて、会社としての見解がまとまったとのことでランディックスの松村さんも詳細にツイートされていました。
投資家が知りたいこと(ポジティブ/ネガティブ問わず)をタイムリー・誠実に教えてくれるのってありがたいし、姿勢として素晴らしいなと。
最近ではTwitterで情報発信をされる企業の中の人が増えていますので、「こういう発信があるといいね!」ってのを投資家側からもお伝えしていきたいですし、投資家側のリテラシーを高めていくことも相互理解の前提には必要でしょうし、ボキャブラリーが底をつきましたけどうまくいい循環を生み出せればと思う次第です。
「神戸投資勉強会」を立ち上げた経緯
2018年、東京で気楽な単身赴任生活を送っていた頃、kenmoさんの「湘南投資勉強会」に参加し、参加者のレベルと自分の無力さの乖離に焦りを覚え、定期的に自分も学べる場を確保したかったのと、kenmoさんの飾らないお人柄に魅かれ、「関西に戻ったら同じような会を作りたい」と思いました。2019年、神戸に戻ったのを機に名称の【湘南】を【神戸】に変えただけの"kenmoインスパイア系二番煎じ勉強会"として「神戸投資勉強会」を開始しました。当時投資歴4年弱。なぜか知らない人たちから「おまえごときが幹事?」「アンタが一番勉強たんねーだろww」など、大きめの口内炎くらい心に沁みるDMが送りつけられた日もありましたが、投資家の皆様、及び企業様のお力添えをいただく中で約3年半にわたり計31回続けてくることができました。この記事をお読みいただいている方のなかには当勉強会でお世話になった方も多くおられると思いますので、この場をお借りし御礼申し上げます。
勉強会の内容や課題意識は12/5のkenmoさんの記事と重複するので(二番煎じですゆえ...)割愛しますが、おかげさまで現在に至るまで会として存続できており、個人投資家として、勉強会幹事として、また会社員としても役付の片隅に置いていただき、3つの立場で退場せずに続けられていることは本当に運が良く、ありがたいことです(家庭からはいつ退場になるかわかりません)。
2022年の神戸投資勉強会振り返り
2022年も神戸投資勉強会ありがとうございました!
月1ペースの12回(神戸8,東京3,大阪1)開催できました。
仕事や育児とのバランスでものごとを決めていく制約がありますので、そのなかでは幹事キリンよくやってんじゃないかとは思います。
唯一大阪で開催したヴィスさんのセミナーはヴィス大阪本社に投資家がおじゃまし、オフィス見学もさせていただく楽しい機会となりました。
今後もいろいろ工夫してより良い場を作りたいなと思います。
投資家アンケートから見る当勉強会へ期待されていること
アンケートのなかで、「神戸投資勉強会でやってほしいこと(自由記入)」というフリーフォームの問いを置いてみました。一部の声を取り上げ、運営の参考にしたいと思います。それでは見てみましょう。
「銘柄ディスカッションのあと、他テーブルで出た銘柄も知りたい」
⇒おっしゃる通りですね。銘柄ディスカッションでは5~6名のグループに分かれてグループ単位で各自が持ち寄った銘柄について共有・議論する形式で行っています。確かに、全体でどんな銘柄が出たか気になりますよね。これはすぐにでも改善できそうなので考えてみます。
「決算資料の気づきから大きな利益を得た事例の共有」
⇒これ面白そうですね。再現性のあるストーリーとして共有できるか、がポイントになりそうですが、うまいやり方ないか考えます。皆さんの知見の結集が不可欠になりますので、銘柄ディスカッションよりやや難易度は上がるかもしれません。少人数の神戸開催向けコンテンツなんだろうなと思います。やりましょう2~3月くらいに。
その他、「キリンさんのネタ祭り」「マッチングパーティー!」とか好き勝手いただいたものは見なかったことに・・。
神戸投資勉強会今後の予定
という感じで神戸投資勉強会楽しくやっております。
キリンはおそらく勉強会幹事界隈で最も軽い気持ちで接していただけるキャラなのではないかと思ってます。人見知りマンなので自分からはあまり話しかけられませんが。
「初心者ですけど参加して大丈夫でしょうか?」とよく聞かれるのですが、どうぞお気軽に参加してください。参加いただくうえで必要なのは知識ではなく学びたい意欲です。
今後の神戸投資勉強会予定は下記ツイートをご覧ください。これ以降についても随時Twitterでアップデートします。
2023年も湘南投資勉強会との株バトルロワイヤル「2倍株研究会」から始まり、神戸/東京中心に月イチ程度を目標に開催していきたいと思います。企業様からのご登壇希望につきましても、随時ご相談ください!
運営の中で企業様と話す機会が多く、「個人投資家に知ってもらいたい」思いの強さを日々感じています。今後も企業と個人投資家の相互理解の一助となれるよう、運営の試行錯誤を2023年はやっていこうと思ってます。
開催頻度はこれまでよりは東京寄りになると思います(企業様との調整次第)が、九州とかにも行ってみたいです永山さん。
神戸投資勉強会あるある
「うるる近藤さん、とにかく雨降らせがち」
おわりに
IR系アドベントカレンダー、これ軽はずみに参加するもんじゃないなと思いつつ楽しく書かせていただきました!
皆さんで築き上げられたクオリティを一気に落としてしまった点はお詫びしますが、トップ画の達筆さでは皆さんに負けてないなと思ってます!
また、自分のnote更新する前に、これまでの皆さんの記事を改めて拝読してまして、
ブロードエンタープライズさんの「しくじり先生」おもしろいなー
アディッシュ中村さんの「取組みの可視化」わかりやすくて知性あふれてるなー
グロリンあおちゃんマラソン一緒に走る約束を簡単に反故にしてくるタイプやなー
ロードスターキャピタルの川畑さん朝早くてジムばっか行ってるよなー
ロボペイ新藤さん賢いイケメンで単純に腹立つビンタしたいなー
などなど楽しく振り返らせてもらいました!!
こういった取組みがぜひ来年以降も継続されていくことを願っています!
(トリの25日のほうがおいしい気がしてきたので、来年は25日狙っていいでしょうか…)。
さてここまでの文章のなかで、アドベントカレンダーご参加者のうち、上場企業のCFO、IRご担当者の全員のTwitterアカウントのリンクをはることに成功しました!
(唐突で雑な神戸投資勉強会あるあるもこのためです)
キリンの企業愛が溢れかえってしまいすみません。
一つ提案で、「アドベントカレンダーに参加された企業さんは2023年必ず神戸投資勉強会に登壇する」ルールでどうですか??
さて明日でいよいよIR系アドベントカレンダー2022最終回!たんのだんさんにタスキ(「バトン」と言うのが一般的ですが、箱根駅伝に向けてテンションを上げていく季節だし)を繋がせていただき、失礼させていただきます。
水曜日は♬・・
うそうそ、皆さん良いクリスマスを!
2023年もキリンと神戸投資勉強会よろしくお願いします!