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離婚考

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記事一覧

離婚考05

結婚の理由

音楽以外に夫と共有していた趣味に、旅行がある。
彼はどちらかといえば引きこもって音楽を聴いたりすることが好きな人間だったので、元々旅好きではなかったのだけれど、わたしの大学の卒業旅行として一緒に行ったタイで、旅の面白さに開眼したようだった。

貧乏バンドマンだったわたしは、旅に憧れながらも学生時代にはほとんど旅に行けなかった。単純にお金がなかったのだ(青森行ってたせいかもだけど)。

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離婚考04

優等生意識

両親は、わたしが6歳、弟が3歳の時に離婚した。
その当時、べつに離婚をすることなんて珍しくもなかったはずだけど、母は離婚を周りに隠すようにと言った。

でも、事実を知る親戚とか母の友人からは不憫がられた。親が離婚しており、母の新しい恋人である他人と暮らすことになったわたしたち子供が可哀想だと。物心ついた頃から負けず嫌いだったわたしは、可哀想に思われることがとにかく気に食わなかったのを

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離婚考03

結婚観

わたしには、結婚願望がなかった。言ってしまえば、そこからわたしの離婚は運命づけられていたのかもしれない。

母は二度離婚して、三度結婚した。
わたしは母とよく話した。母の離婚も結婚も、納得した上で進んでいった。

母の生きた時代と、わたしの生きる時代は違う。

母にとっては結婚が当たり前で、自分の能力や才能を引き出すよりも、結婚をして安定した暮らしを望んでいた。
すごく女らしい人だと思う

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離婚考02

好き嫌い、良い悪い

私も彼も、音楽活動をしているという共通点があった。彼は、月に数万円をレコードやCDに投じる音楽好きだった。わたしも音楽は好きだった。でも、音楽それ自体よりも歌うことが好きだった。音楽を聴くことと、歌うことはいつもセットだった。

性格的にも凝る方ではないので、すすめられるがままに音楽を聴いてきて、あまり掘ることをしないできた。しかも、歌いたくて聴いているから洋楽やインストは浅

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離婚考01

であって付き合う

わたしたちがであったのは大学の音楽サークルだった。私が一年生で、彼は四年生だった。
その音楽サークルをわたしは2ヶ月くらいでやめた。サークルの思い出といえば新歓合宿でテキーラを飲みまくり死にたい二日酔いになったことくらいだ。
当時のわたしは門限が厳しく、自分に適した飲酒量が一切わかっていなかったため、泊まりで酒を飲んだ時には必ずやらかしていた。脱線。

であった時にはお互いに恋

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離婚考00

前提

一年前に離婚をした。離婚前から今に至るまで、色々と考えを巡らせてきた。
ただ、考えというのはとりとめもないもので、時間が経てば薄れて、流れていってしまうものだ。
だからこそ、少し整理のできてきた今のタイミングで、自分のために書き留めておこうと思う。

「離婚」というと、世間では結婚に失敗したという言われ方をすることがある。
だけど私は、自分の離婚を結婚の失敗だとは全く思っていない。

私た

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