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セミきもいっすよね〜

水が喉に当たって冷たい、蝉の声が耳に突き刺さる夏だね。って蝉なんて鳴いていない街に住んでいるあの人が言っていた、薄いカーテンと共に揺れている。身体が強張らない気温で涼しい、と寝転びながら自分の信念を言葉に表せない事に傷付いた。
求愛行動で馬鹿みたいに鳴いてお腹の空洞が真っ黒で真っ黒で真っ黒で。何色にも染まらないから黒が好き、とか極彩色を際立たせる為に使われてもおんなじ事言えんのかよ。鳴いてみてよ、泣けよ。
土の中に居る時はみんな静かだったのに、羽化したら煩くなっちゃって大学デビューみたいでいいね、たくましいとか言われちゃっていいね。
青さが青いとして疑わないのも、馴染めない事を誇れるのも才能だよ、簡単に逃げれないからさ。
アイスが溶けて、べとべとした手を舐める。恥ずかしげもなく。高架下を通ってた知らない2人、電車の音で声が聞こえないってそ、それ、しあわせって呼ぶやつですか?目を逸らしてしまった。恥ずかしくなって手を隠した。カテゴライズされた言葉を使えていいですね、何かしらで他人に強く当たる度に、綿毛のような柔らかい声をしていた知らないわたしを抱きしめてあげたくなる。大切にしてあげられなくてごめんなさい。下を向いて歩く癖がもうなおらない。アイスの棒ちゃんとゴミ箱に捨てた。
半額の弁当が美味しくて、友達の卒業式に着いて行ったら卒業生だと思われて一緒に起立した話をラジオで聴いて笑った、有線のイヤホンの方が音楽を聴いていますよ感があって良いよねと絡まったコードをそのままにしてイヤホンを付け、OKAMOTO'sを流し、歩き続けて、坂道を登り、振り返ったらそう悪くないかも、って思えたよ、
いつまでもそのままでいようね。
理解したくなかったこと理解して、向いてる向いていないを確認して、分からない自分をそういうものだと信じ込ませて、単純化させていく毎日は、仮病を使って学校をずる休みしておかゆを食べながら いいとも!を見たあの時の気持ちをもう味わえなくしているみたいで退屈。嘘ばっかりの履歴書を書いて土から這い上がろうとしてみる、わたし笑顔うまくなったんだ。「セミ、きもいっすよね〜笑」とか、別になんともおもってないけど同調ってテキトーにしておいた方が嫌われないんでしょ、しょうもないね、しょうもない。自分殺すことが平気になったなんて聞きたくなかったのに、いっしょだね
ミーンミンミンミーン。ジッ、あっ、いま飛んだよ




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