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春の匂いが良い それでも苦しい 
幸せになりたいなんて常日頃言うけれどその幸せなんてイメージは掴めるようなものじゃない
1年前の今日、今日なんだ。
今年は桜が咲くのが遅い ゆっくり、ゆっくり、そしてゆっくり散っていく 春がまた巡ってきたのに 昨日のことのよう 
桜が咲いてそうな所に行ってみましょうと言ってくれて、ついていった あの道のことはあんまりおぼえていない 背中だなあっておもってた 急に背骨の辺りを詰ったらびっくりするかな?かわいいニットだなあ なんの柄なんだろう どこで買ってるのかなあ とか思っていたら どこか分からない臓器が押し潰されそうになって 友達の腕をつよく、つよく握った
あの友達の笑顔も忘れられない やさしかった
でっかい公園に着いて見事に全部葉桜だった
満開の葉桜だった、春の匂いが身体に染み込んで気持ち良かったなあ
ぜんぶ苦しくていとおしくていとおしくてたまらなくて世界がまわっていたのはあなたがまわしているからだと思っていたなあ
もう、誰も、何も、でも、と うじうじうじ丸まっていたらいつまで経ってもいちばん好きだった記憶と比べるとそりゃ誰のことも好きになれないし愛せるわけないよ って親友に少しだけ怒られた
ショッピングモールみたいなところでエスカレーターに一緒に乗って一段上でこっちを見て話しかけてくれていた 君の家で君の写真をいっぱいとった その後に手を差し伸べてくれて 起き上がりたくて抱きつこうとしたら全部夢で ひとりだった、真っ暗な部屋にわたしひとりだった 薄いカーテンからすこしだけ、光がさしていた 朝だったのかな 声を上げて泣いちゃったよ
なにがすきだったの?ってきかれて、ぜんぶ、って答えた わからない わからないけど、たぶん
今迄見えていなかった嫌な部分が見えてきらいになる、とか そんなのじゃない。 その部分もぜんぶ受け止めたくてぜんぶ肯定してあげたくて それだけで生きていけたんだ ごめんね、桜より綺麗だったもん
君じゃない誰かと居ても それが心地よくても どこかでえーんえん、えーんえんと泣きじゃくる子どものように成ってしまいそうになる
ひどい人だ ほんとうに見ていられない もう全然温もりに満ちた心じゃない もう1回ギャハハと笑い合えたとしても、ひどい人だなって思う
睫毛が上に上がっていてきれいだったなあ、ちょっと悪いこと言って右の口角だけあげて わるい顔して、それがほんとうにいとおしくて たのしくて わたしが笑ったら 君も笑ってた 笑わないできいてほしいんだけど君の口の形、君の指の隙間、布団に横たわり思い出してる
悲しかった日も、嬉しかった日も毎日、毎日ね。
奇妙、だよね ごめんね 
今年の春は誰と過ごすんだろう、そんなことは知る由もないよね 知りたくもないけど わたしは、わたしはさあ、きみが 春だった 散って 色んな人に踏まれて 葉っぱになって 真緑になって 光合成とかしたら、おしえてほしいな まあ、あたたかくして過ごしてくれ

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