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理不尽さを取り除きたい

社員のモチベーションが高いことと、業績が関係するかどうかはよく分からない。でも、個人的には、モチベーションの高い社員が多い方が職場の雰囲気も良いだろうし、そういう人たちと仕事できるほうが楽しいのではないかと思う。どうせ働くなら楽しく働けるほうがいいじゃないかと僕は思うので、社員のモチベーションはやっぱり気になる。

ただ、会社としてはモチベーションを高めるためにご機嫌取りみたいに何か施策をやるとかは考えていない。モチベーションそのものの組み立ては、なんだかんだ本人の気持ちとか仕事への向き合い方とかが大きいのではないかと思ってるので、あえて会社からモチベーションを上げるためにどうこうする、みたいなことはやればやるほど逆効果なんじゃないかとも思っているのだけど、「モチベーションを損ねる」ってのは、仕事や環境や発言や、回避しようと思えば回避できことがかなりあるんじゃないかなと思ってる。

で、自分が過去、どんな時にモチベーションを阻害されたかを思い起こしてみると、「理不尽なことを強いられた時」だということに気付いた。

自分がやりたかったわけでもないけど、人から指示されてやらないといけない仕事は沢山ある。そういう仕事でも、その仕事が理不尽なものでなければ、納得して仕事に向き合い、あるレベルで「自分事化」して処理できる。

でも、「理不尽」な仕事の場合は、自分を納得させるのが難しく、結局、最後まで、嫌々自分はやりたくてやったわけではないのだ、という言い訳をし続ける。

「理不尽」な仕事とはどういうものか。

例えば、前職時代に、お盆前にオリエンがあり、お盆明けにプレゼンをする案件があった。スケジュールの関係で仕方なしにそうなってるということだったけど、常識的に考えたら、1~2週間お盆前に前倒しするとか、そういう措置を取るべきだ。しかも、お盆期間中は、先方の担当は休みにはいるので質問も回答できないと明言されてる。なので、質問はオリエン中にお願いします、ということだったけど、当然、企画内容を考えてるうちに疑問や確認したいことが出てくることは多々ある。このスケジュールでプレを実施してしまうと、そういう疑問を解消できないままプレをしないといけない。それはお得意さんにとってもマイナスだ。あえてこちら側にお盆に休ませないために、いけずしてるようにしか思えない。

こういう仕事はすごく理不尽だと感じる。会社方針としてオリエンに参加することになっても、担当レベルでは全くやる気が湧かない。そんなお客さんの仕事なんて受注しても面倒なこと間違いないし、失注したほうがいいんじゃないかすら思えてくる。

こんなケースも理不尽だと感じた。

とある会議の席で、ビジネスの方向性の話をしてる時に、あるベテランの経営者の方から、「お前らはビジネス経験が浅いので何も分かってないだけだ」とこちらの提案や発言内容を全否定されたことがあった。

「ビジネス経験が浅いので何も分かってない」という論法は、それ出されたら、何も反論もできない。ビジネス経験が浅いのは事実だし、その浅さで「何も分かってない」と決められたら、「そんなことはない」と証明するのは、かなり難しい。色々理由をつけて反論できたとしても、結局すべての反論も、「ビジネス経験が浅い」からダメ、分かってない、と言ってしまえば終わりだ。

こういう決めつけの仕方や否定は、受け手にとってはかなり理不尽に感じる。そして理不尽さを感じると、モチベーションはガクンと落ちる。僕自身はそうだった。それを「モチベーションが落ちる」と表現して正しいのかどうかは分からないが、何をやるにせよ、もやっと、いやぁーな気持ちが体中に広がるのだ。

理不尽さも含めて、社会の厳しさを経験する、みたいなことも多少は必要なことなのかもしれないけど、でも、理不尽なことが頻繁に起きたり、積み重なると、どこかのタイミングで、もうどうでもいいやと一気にやる気を失ってしまう、みたいなことはある。

なので、会社としてはどうやって、理不尽な要求や理不尽な仕事をなくすのか、そういう仕事を請け負わなくても済むような強いビジネスを作るのかも考えていく必要があるのかなと思う。
昨今、言われる「サスティナブル」みたいな言葉も、社員のモチベーションを損ねないことも重要な鍵なんじゃないかと思う。

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