コード211

 ニコラス・ケイジ主演の表題作をdTVで視聴。ニコラス・ケイジ主演とはいえ、登場するのは結構後の十分くらい経ってから。最初はインターポールが出て来たり、傭兵が出てきたりととても国際的な物語が始まるのかと思っていた。
 あらましとしては傭兵を雇って私設軍とした戦争屋が彼らに金を払わずに逃走しようとする。それに怒った傭兵たちが戦争屋を襲撃、金を寄越せと迫るが「世界中の銀行に分散して手元にはない。引き落としに時間をくれ」と懇願される。傭兵たちは聞く耳を持たず「分散先の米国の銀行で一箇所教えろ」と戦争屋から聞き出した後で射殺。舞台はアメリカへ。
 その分散先の銀行があるのは大都市ではない普通の街で、ニコラス・ケイジはその街で務める引退間際の警官という役どころ。
 警官としての相棒は、彼の娘と結婚した娘婿で、娘が妊娠したと告げられたり、高校でのいじめられ子が逆襲でいじめっ子を殴ってしまい、矯正措置の一つとしてパトカー同乗してたりとかある中で、前述の傭兵団が銀行強盗を実行するという流れ。

 なんだろう、娘とうまくいっていないとか、気の弱いいじめっ子が事件に巻き込まれるとか、色々と人情ドラマも詰め込んでいるんだけど、冒頭の壮大な国際犯罪めいた演出のせいで、いまいちすっと入り込めない感じ。
 あと、ところどころあり得ないシーンが多々あって。
 例えば相棒の娘婿は銀行犯に撃たれて病院に行くんだけど、そこに急行した娘が見たのは、ドアが開けっ放しにされた手術室で治療を受ける夫の姿。思わず走り寄って手を握り「わたしはどこにも行かない、娘もね」と。医者は「俺たちの仕事をさせてくれ!」と口では言うものの、彼女をどかしもせずもくもくと処置を。
 メスで身体切ってる最中なのに、除菌消毒してない人物の進入許すかね普通? というか、なんで手術室の扉開けっ放しで処置してんだよ。と、つっこみどころが満載な感じ。
 お涙頂戴なヒューマンドラマを目指してリアリティを無視したのかとかそこが気になった。

 あと、強盗団の傭兵も3人になってしまい、警官隊数十名に囲まれたのに、人質を全員正門から逃してその後を追って同じ正門から逃げるというのも計画としてありえんだろうと。
 人質のポケットに爆弾忍ばせてというのはあったが、それでも一緒になって同じ正門から出たらダメじゃん。逃げた人質を確保しようと警官隊が殺到する。そこで爆破して民間人・警官隊にダメージを与えパニック状態に。そのすきに裏門からとかならまだ分かるんだけども。
 案の定、傭兵全員が射殺されてめでたしめでたしという結果に。

 うーん、むっちゃ風呂敷広げて、その中に人間ドラマ詰め込んだけど、うまく相互作用せずにどっちつかずになったって感じかなぁ。
 あと、シナリオのせいか、演者のせいか、ところどころとてつもない棒読みのシーンが数か所。観てる側が恥ずかしくなるレベルの。
 ニコラス・ケイジはそんな演技巧者ってイメージないけど、でもやはり彼のシーンではそういうのはなかったので、売れっ子はやっぱ最低限そこは押さえてるんだなとは思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?