サイレント・ヒル リベレーション
以前に視聴した『サイレント・ヒル』の続編。左記で「パラレル・ワールドから抜けだす続編を意識したんかな」と書いていたけど、実際の続編では「娘のシャロンは母親の尽力で抜けだせており、父親(ショーン・ビン)と逃亡生活を送っている」というシーンから始まる。
敵(この場合はサイレント・ヒルに閉じ込められた人々)に見つかるとシャロンは連れ戻されてしまうため、定期的に名前を変えて全米を転校しつつ逃亡する生活というのが分かるようになっている。
しかしシャロンは未だにサイレント・ヒルの夢を見続けており、18歳の誕生日を目前にしてその悪夢がどんどんと現実味を増している。
新たな転校先には同じ転校生のヴィンセント・クーパー(キット・ハリントン、『ゲーム・オブ・スローンズ』のジョン・スノウ! ショーン・ビンのスターク卿と共演)がおり、彼はやたらとシャロンに話しかける(シャロンはどうせすぐに転校するから相手にしないでおこうとする)。
しかしシャロンの行方が敵に見つかってしまい、父親が誘拐されてサイレント・ヒルに連れ去られてしまう。父親を捜すために、シャロンとヴィンセントはサイレント・ヒルに向かうという展開。
ゲームは相変わらずやってないのでゲームとの比較という意味では書けないのだけど、物語として観た場合には前の映画評と結構被る部分があった。
かつて一人の私生児の少女が「父親知らずは罪の始まり」と魔女裁判で焼かれた過去がこのサイレント・ヒルではあり、彼女の復讐心から全て始まったみたいな内容。
パラレル・ワールド側に閉じ込められた人々は、このときの加害者側で、跋扈するモンスター群は彼女の復讐心から生まれた痛みや憎しみの象徴。かつ、夢遊病の娘は復讐を果たすのに不要となった彼女の良心。
主人公の助けを借り、この少女は復讐を果たして加害者側全員の殺害をようやく実行できるという流れだが、ここで一気にホラー要素無くなっちゃった。跋扈するモンスターたちは主人公を狙っていたわけじゃなく、主人公の手助けが欲しいがゆえに追っていたということで、どっちに転んでも害されることはなかったんだよなぁと。それまで圧倒的恐怖の象徴であったがゆえに余計に「味方にしたら心強い」と価値の逆転すら発生。
ここの部分。結局、サイレント・ヒルで少女を待ち受ける敵は「人間」で、サイレント・ヒルを跋扈するクリーチャー類は「シャロンの仲間」。実際、敵の大ボスがクリーチャー化するんだけど、実際に戦うのはシャロンではなく斧を持った三角頭のクリーチャーという展開に。
サイレント・ヒルに住む人間たちにとっては恐怖の対象であるクリーチャーはシャロンを決して害しはしないため、サイレント・ヒルに行くと危ないというコアな部分が薄くなってしまう(唯一、音に反応して無暗に襲う〝バブルヘッド・ナース〟のみがシャロンでも容赦ない)。
そんなわけでクリーチャーの助けを借りて大ボスを倒し、サイレント・ヒルを脱せたシャロンとヴィンセントは現生へと戻る。唯一、父親だけが「妻はまだここに閉じ込められてるんだ。探してくる」とサイレント・ヒルに残ることに。
これも続編ありそうな終わり方ではある。
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