「バトル・シップ」

個人評価:★★★☆☆

 テイラー・キッチュ主演

 あらすじ:アメリカや日本など、各国の護衛艦がハワイに集まって大規模な軍事演習を敢行することに。アメリカ海軍の新人将校アレックス(テイラー・キッチュ)は、日本の自衛艦の艦長ナガタ(浅野忠信)をライバル視しながら演習に参加。そのさなか、沖合で正体不明の巨大物体が発見される。人類からの友好的な呼びかけに応じて現われたエイリアンの母船だという科学者たちの推測に反し、彼らは突如として謎の武器で攻撃を仕掛けてくる。         

 二時間を超える長さの映画なのだけど、内容的には恐らく二時間未満にすべきB級臭のある映画。これは別に悪口ではなく、「宇宙人が攻めてきたのを米軍のおちゃらけ軍人が撃退する」といういい意味でのアメリカ万歳映画で、それからすると二時間超は少し長く思えるからだ。
 実際に映画の冒頭は主人公:アレックス・ホッパーが「いかに駄目人間でおちゃらけているか」のエピソードを結構長めにとっている。正直、冒頭を観てるうちにアレックス・ホッパーに余り魅力を感じられず、視聴やめようかなと迷ったほど。
 そうそう先ほどアメリカ万歳映画と書いたけど、実際には「日米万歳映画」だった。米軍と自衛隊の合同訓練の場にエイリアンがやってくる設定で、実はこの自衛隊がかなり頑張ってるのだ。アメリカが他国の軍隊を称賛するのは珍しいなと覆える程に、いい盟友として描かれている。
 最初はアレックスとナガタは犬猿の仲なのだけど、戦闘を重ねるにつれて和解し尊敬しあうという少年漫画風展開もやはりB級臭の源ではあるけども。
 戦闘シーンやエイリアンの機械などはよく作られていて、人類は勝てないんじゃないかと思わせる演出はグッド。おちゃらけ軍人が戦闘でいっぱしの名将に変わっていく過程はいいのだけど、最初のおちゃらけぶりが群を抜いて凄いだけに、少々変化が急に思えるのは仕方ないところか(もっとも、命のやりとりをする訳なので、すぐに変わること自体はおかしいことではないとは思うのだけど)。
 戦争の悲惨さとかそういうのに思いを馳せずに、ただただドンパチを観たい場合にお勧めの映画です。

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