大統領の陰謀
いわゆるリチャード・ニクソンの『ウォーターゲート事件』を題材にした、新聞記者の奮闘を描いた映画。ダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォードという二大スターがウォーターゲートを暴いた新聞記者役で主演。
うーん、決して面白くない訳じゃないのだけど、実は題材からすると当然あってしかるべきサスペンス要素が薄めだったかも。これは実際でも、『ディープ・スロート』という内通者がいて、彼の情報によってどんどんとウォーターゲート事件の全貌が明らかになっていくのだけど、映画では新聞記者に焦点を当てるため、「ヒントしかださない」となっていた。
それ自体は非常にいいと思う。映画で、二人の新聞記者がヒントを頼りに、足で稼ぐという演出にもつながって。ただ、彼らの新聞記事が誤報であると窮地に立たされたとき、最後の最後で『ディープ・スロート』が雄弁に語ってそれがゆえに全貌が分かるというのは、「最初から素直に話せや」とはやっぱりなってしまう。
しかも彼らが追っていた政治家が逮捕されたり、失脚したりの情報はエンドロールの新聞記事でのみ流されて、映画内では触れず。うーん、これはもう「みんなこの後の流れは知ってますよね」というのでわざとそういう演出にしたと思うのだけど、ただ最後の最後で二人の新聞記者の奮闘が無くなって『ディープ・スロート』がすべてかっさらっていった感が凄い。
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