スパイダーバース
primeで表題作視聴。CGアニメ作品だが、リアルに近づける方向ではなく、CGのならではの映像にこだわった作品で絵柄と内容がマッチしていたと思う。
ピーター・パーカー(スパイダーマン)とグリーンゴブリンの死闘に出会せた少年、マイルス・モラリスはその数日前に放射能蜘蛛に噛まれて、ピーターと同じ能力を持っていた。
スパイダーセンスでそれを感じ取ったピーターは、「能力の扱い方教えるから手助けしてくれ」と、キングピンの計画である「次元通路」を開かせないための鍵をマイルスに手渡す。
しかしそのすきをつかれて次元路が開かれてしまい、多次元世界が繋がってしまう。その衝撃で発生した地震によりもともとこの次元のピーター・パーカーが死亡、残されたマイルスのみがこの次元での唯一のスパイダーマンとなる。
ただ次元路が繋がった結果、違う次元のスパイダーマンであるピーター・パーカーや(黒髪で年齢も一回り上で、おそらくは彼がこれまで見ていたスパイダーマン)、スパイダー・グウェン、スパイダーマン・ノワール、SP//dr、スパイダーハムなどの様々なスパイダーマンが集結する。
彼ら全員をもとに戻すために、誰かはこの次元に留まる必要があるのだが、スパイダーマンの能力の得たばかりのマイルスにはその荷は重く感じられた……。
あらすじはこんな感じ。もともとマイルスの居た世界のピーター・パーカーは金髪碧眼の完全なるWASPで、どうやら「ヒーローは白人じゃなきゃなれない」というアンチテーゼの意味もあるみたい。マイルスは黒人の父に、ヒスパニックの母を持つ初めての有色人種スパイダーマンらしい。
SP//drは日系アメリカ人とロボットだし、スパイダーハムは豚だしと色々あるんだけど、色物扱いになってるんかも。
他次元から来たピーター・パーカーは事業に失敗して、MJとも離婚してと落ちぶれたヒーローとなっているが、マイルスを育てる過程でヒーローの責務を思い出して再生していく姿も描かれている。
いわば、マイルスの存在する次元においては、ピーター・パーカーが喪失したことになり、マイルスという新たなスパイダーマンの誕生物語であり、オリジナル・ピーター・パーカーの再生の物語でも。
マイルズは高校生なんだけど、スパイダーマンとティーンエイジャーは本当に相性がいい。大人になっていく過程と、不意に得られたスーパーパワーを持て余す心理描写に親和性あるからだろうな。
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