生まれ変わり

もし生まれ変わったら、と誰しも一度は考えた事はあるだろう。
あんな人やこんな人になって、斯く斯く然然
花屋さんになって毎日、花を活けていたい。
ピーナッツを食べられる人になりたい。
プロ野球選手になって美人なアナウンサーと結婚したい。
現状に満足しておらずそういう妄想を膨らみに膨らまし人は頭の中だけで
満足してしまう。それでいい。妄想は人を幸せにする。
妄想するだけで微量でも幸せというものを感じることができる。
なんて素晴らしい生き物なのだろう。
美味しいチャーハンが作れなくても、顔にホクロが何個あろうと
誰にでも妄想することはできる。誰にでもできる幸せになれる方法なのだ。
しかし、ここで一つの問題が生じる。
妄想力が時空を飛び越えて、現実と向き合えない、夢見がちヒューマンが生まれる。
この夢人間、非常に厄介である。
会ったことも話したこともない著名人に恋をし、僕なら、私なら付き合えると、
妄想し妄想の世界の中だけで生活をしてしまい、挙句、その人が結婚しようものなら
何でどうしてと実際に悲しみ、仕舞いには怒り心頭に発する。
お前は直接なにもされてないやん何をそんな怒っとんねん。癇癪持ちかよ。
現実世界に戻っておいでと手を差し伸べる隙も与えない。
そして間もなく次の新しい妄想が始まる。
あーもう駄目だ。またあっちの世界に行ってしまった。
また一人、救えなかった。そもそも救う気はあったのか。と自分自身に問いかけるも
はっきりとした答えは出ない。有耶無耶である。
今日は正義のヒーローになって悪の組織を倒して寝よう。

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