シャドウ(広義での)

週末には凱旋パレードが待っている御大。

(一枚目は公式サイトにリンク)

改めて、恐ろしいほど豪華な出演陣だったんですね。羽生くんだから呼べるのだな。

Number Webでのレポも。

前エントリでも色々書いたけど、今回は人間観察からの創作メモです。

ショーの中で絶対王者から放たれた悲しい言葉は、ファンの涙を誘い、野次馬の心を煽った。また、「ソチ落ち」「ぴょん落ち」などのスラングは、彼のナルシシズムを改めて露わにした。ま、ファンイベントで気が緩んだんだろうけどね。

オリンピック後、発言・品位共に完璧だった青年の、この隙だらけの一連、実はすっごくいいのでは?と思いまして。

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ユング心理学にある「シャドウ」という概念。

(リンク先は、ユング心理学用語解説を記した個人ブログですが、大変良くまとまっています。拝借感謝)

この人無理、生理的に受け付けない、って人は、実は己の影の部分なんだよ、って言う話。
内面を不正確に捉えてしまうと、社交面などに無理が生じる。だから短所(と感じる部分)は抑圧せず、解放した方が良いよ、と。まあ、理屈としては分かる。

「牧師や僧侶の子はグレる確率が高い」という話はよく聞く。親が聖人君主的な生き方を無理して選択していると、その「影」が周りに投影されるためだ。
類義で、社長がやたらポジティブ発言連発!みたいなタイプの会社には、必ずと言っていいほど、暗くやる気のない社員が出てくるとか。
抑圧したシャドウは、大体本人が望まない形で出現する。
経験的に、すごく分かる気がする。どこか無理している人って、気がつくと苦手なタイプを引き寄せている。不思議なもんだ。

羽生くんは、己に降りかかる期待や責任感を全うしようと、いつも痛々しいほどに頑張っている。本質はやんちゃ坊主でナイーブな男子(推測)なのにさ。宰相とは太っ腹で大らか、「良きに計らえ」が自然に出来るタイプを指す。
そんな彼が必死で「キング」をやろうとすると、前回のオリンピックみたいに変な大人にたかられてしまう。この手のシャドウは、良くも悪くもスターの宿命だ。

だから、大切な人たちへ配慮をしたいのなら、本人が多少「自分下げ」をするとか、ネガティヴな側面を晒す、ってのは正解なんだよ。被害を最小限に食い止められるから。

羽生くんがこれらの言動を、戦略的にやっているのか、肩の力が抜けたのかは本人のみぞ知るところだ。しかし、何れにしてもマスコミコントロールが上手いなあ、と感じた。経験が彼を成長させたのかな。

余談だが、上記の分析とまったく関係ないところで生きている宇野昌磨選手は、違う意味での知性を持っている。嘘のない、裏のない人柄はマジで眩しい。ピュアな発言に触れるたび心が洗われ、「汚れちまった哀しみに」と呟いてしまいます。

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シーズンオフに入ったし、そろそろ熱も冷めるだろう、なんて言いながら真逆の行動。根っからのオタク気質を再自覚しました。
まあ楽しいのでいいんです。強く美しいものに触れる時間が、今の私には色んな意味で必要不可欠だしな。創作と疲弊解消の両方に効く。
世界各国のスケーターの演技を甘露にして生きている2018年です。日々リンクで練習を重ねている選手やプロの皆様に、100万回の感謝を。


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