己の卑小さを知れ

思慮に欠け知性も至らない子供が、アメリカにヒッチハイク旅行へ行き(リンクは当該人のTwitter投稿)、SNS上で大騒動になった。入国の際に虚偽の申請をしたこともあり、国際問題にも発展している。
結局は保護され、犯罪行動だと諭されて親が迎えに行き帰国したようだ。州によっては未成年のヒッチハイクや申請のないホームステイ等は犯罪にあたるとのこと。調べもせずに行き当たりばったりで出向いたらしい。

ヒッチハイカー、バックパッカーはどの時代にもいる。基本的には身の安全を確保できる範囲で好きにやればいい。

今回の騒動で、「皆に勇気や夢を与えたい」とのたまい、クラウドファウンディングなどで資金を集めて旅をする若者が一部で増えているのを知った。暗澹たる気分だ。
「承認欲求に振り回されないで!市井の生き方だって美しい」という意見を投稿した方もいる。言いたい事は分かるが説得できないだろう。

旅の記録としてSNSを活用する人はいるだろうが、オーディエンスを求めている時点で、全てモチベーションは承認欲求である。程度の差はあれ。
ただ、「感動を与えたい」という文言と不特定多数への発信となると、旅の目的が全然違ってくる。
「アイドルになりたい!みんなに見てほしいの!」といって活動している子たちの方が、よっぽど素直で性格がいいと思う。

生きるのに美しいも汚いもない。正誤もない。条件と環境があるだけだ。あと肉体と。
そして、人が人にしてやれることはない。周りへ与えられるのは、自分が誇れる生き様を歩むこと、背を見せることだけだ。
そこに必要なのは他者の視線ではなく、己の己に対する考えのみである。幸福であればその人生は豊かだ。誰に評価されなくても。

己の卑小さを知らずに世界へ飛び出すのは自殺行為である。或いは他殺行為でもある。
何をするにも知識と知恵、思慮が必要だ。国や言語、民族や習慣が異なれば常識が非常識になりかねない。

誤解を恐れずにいうと、この界隈の人たちが本当に無邪気で愚昧でびっくりしてしまった。
ものすごく気持ち悪い。他人をなんだと思っているのだろう。何故丸腰で無知な自分が受け入れられると?

まだ全然意見はまとまらないが、怒りのあまり筆をとってしまった。
今は別の執筆をしているのでアレだが、落ち着いたら承認欲求や無知や無謀について、きちんと考えてみたい。そしてそれも小説にする。
あー気持ち悪い。

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