思い出のチェーンフード
「思い出の味」と聞かれて、みなさんは何を思い浮かべるだろう。
お母さんの肉じゃが、近所の肉屋のコロッケ、いろいろあると思う。でもそれらは属人性が高くて、他の人からしてみれば「そうなんだ〜」としか言いようがない。同じ家や地域で育っていない限り、味わうことができないからうまく共感もできない。
一方で、思い出の味がコンビニやチェーン店の食べ物であれば「へー、あれが思い出の味なのね」と共感できる可能性がある。チェーン店の有難いところはどの店でも同じ味を提供してくれるところ。他人の思い出の味と同じものを食べることができる。
このチェーン店(コンビニも含めた)の食べ物を、チェーンフードと呼んでみたい。
私には思い出のチェーンフードが二つある。
一つはアンデルセンのピーナッツフランス。もう一つはサンマルクのクラムチャウダーだ。
アンデルセンのピーナッツフランスはむっちりとしたフランスパンの中に粒入りのピーナッツバターが入っているシンプルなパンだ。いつから好きになったのかは、昔のことすぎて覚えていないが、とにかく大好きだ。
私が7歳の頃、我が家ではお手伝いをしてポイントを貯めるとご褒美がもらえる制度があった。一番少ないポイントで交換してもらえるのがアンデルセンのピーナッツフランスだった。私はお手伝いをしてはそのパンをご褒美に食べた。ポイントは一向に貯まらなかった。
お手伝い制度がなくなった後でも、母は出先でアンデルセンを見つけるとピーナッツフランスを買ってきてくれた。
大人になった今でもアンデルセンを見つけると入って買って、あっという間に一本食べきってしまう。 190円の幸せ。
ピーナッツフランスであればなんでもいいのではなくて、アンデルセンのピーナッツフランスがいいのだ。他のパン屋ではピーナッツフランスは目につかない。
(画像元:サンマルク公式HP)
サンマルクのクラムチャウダーは、幼い頃住んでいた家の近くにあったサンマルクのレストランでよく食べた。「焼きたてパンが食べ放題」というのが売りのレストランなのだが、私はクラムチャウダーに夢中だった。魚介の旨味がたっぷり出たクラムチャウダーはどれだけ食べても飽きがこなかった。
いまは近所にレストランがないので、サンマルクカフェに入ってクラムチャウダーを食べる。サンマルクカフェではクラムチャウダー以外注文したことがない。あの時と変わらない味で、毎回「チェーン店って素晴らしい」と思う。冬季限定なのが惜しいところ。
クラムチャウダーであればなんでもいいのではなくて、サンマルクのクラムチャウダーがいいのだ。あの味はサンマルクでしか食べられない。
この二つのチェーンフードに通じるのは、幼い頃に食べていたということだ。私はその二つの味に圧倒的安心感を覚える。大人になってからハマった食べ物とはどこか違う。他人にわざわざ薦めるほどのおいしさではないが、自分にとって大切な食べ物だ。
チェーン店に思い出の味がある人って、結構いるのでは?と思い、ぜひ簡単なエピソードとともに聞いてみたい。みなさんのチェーンフードはなんですか?
このnoteは、以前長谷川リョーさんが書かれていた「#わたしのチェーン」からヒントを得ています。面白いのでぜひ読んでみてください。
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