昔話 【桃太郎】から

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マガジン「物語りを考えたい」のお品書き(マガジンの目次)

前回までの説明

権利関係や物語りの内容自体がバレても問題ない物語りという観点から、
昔話や童話を調査対象に決めさせていただきました。
そして今回は、昔話、童話の中から、【桃太郎】を題材に挙げさせていただき、進めてみようと思います。

物語りの構造を調べようとしたキッカケについては、下のリンク先に、このシリーズの初回のページがありますので見ていただければと思います。
リンク先に、このアイデアのキッカケとなる岡田斗司夫さん動画のリンクも貼らせていただいています。物語の構造の流用について話されていますので参考にしていただければと思います。
[物語りの構造を調べてみたい]より


昔話【桃太郎】の物語りの流れ

昔々の話。
おじいさんとおばあさんがおり、ひょんなことから、川で、とても大きな桃を手に入れた。またその大きな桃の中には小さな赤子(赤ちゃん)がいて、おじいさんとおばあさんは、桃太郎と名付けて育てることにした。
小さかった桃太郎が立派な青年になった頃、
悪さをするという鬼の噂を聞いた桃太郎は、鬼退治に行くことを決意して、生家を離れて鬼退治の旅に出る。

鬼がいるという場所までの旅路の途中、犬と猿と雉(キジ)に出会い、おばあさんに作ってもらった吉備団子をあげて家来とし、一緒に鬼退治のたびに連れて行く。
旅の末に到着した鬼ヶ島、鬼の住処に乗り込んだ桃太郎一行は、見事鬼を退治すると、鬼たちが所有していた宝を故郷に持ち帰った。

物語りの流れから感じる物語りの特徴や判ること

・桃太郎という主人公主体の物語りであること。
・現実離れした出生。桃から生まれる(諸説あるそうです)
・擬人化ならぬ擬獣化しているのではないかと思われる家来(犬猿雉)
・鬼が悪役であるという決めつけ(推理物語りであれば検証、捜査するかも)
・あっさり鬼を退治(もしかしたら、激闘ぶりの演出しているものもあるかもしれない)
・鬼のその後が判らない。鬼は皆殺しにしたのか、追い出したのかは判らない。
童話としては、鬼退治というよりも、鬼を降参させて、宝を差し出させる内容が多いと思う。
・鬼の財宝は持ち帰っているが、鬼の悪事にある人さらいされた人の話はなく、連れ帰ったという話もなかった。(そもそも人さらいはしてないのか、話をふくらませることのできる要素にしてもいいかも)
・鬼の財宝が豪華すぎるので、時の政府や自治体(領主、大名など)の討伐依頼や討伐行動があってもおかしくないような気がする。もしくは話を盛っている。
・物語りの後話はあるかもしれないが、一般的に出ていない。桃太郎たちが幸せに暮らしましたみたいな話くらいしかない。

物語りを最大限簡素化すると

桃太郎が仲間を集めて鬼退治し、宝物を持ち帰った話

昔話【桃太郎】の登場人物

桃太郎 主人公 男
おじいさん 桃太郎の育ての親 男
おばあさん 桃太郎の育ての親 女
犬 桃太郎の随伴者 不明
猿 桃太郎の随伴者 不明
雉(キジ) 桃太郎の随伴者 不明
鬼(達) 敵役 不明(複数人や団体である可能性あり)

昔話【桃太郎】の設定

・物語りの舞台の時代背景
諸説あるようですが、物語り自体は、江戸時代初期より以前ではないかという記事を見かけていますので、少なくとも物語りの舞台は江戸時代初期より以前であろうと思われます。
ただ、登場人物や道具が時代を特定できるようなものが出ていないことと、あえてなのか失伝なのか、必要性がなかったのか、時代設定よりも昔の話であることで留めています。

・登場人物の設定と主人公との関係性
先に書いておきますと、桃太郎の登場人物は、それほど深く設定されていないのか、あまり特徴的な要素がありません。
邪推ではありますが、これだけ簡素というかシンプルな物語ですから、物語りの応用元としての位置にあるような気がしてなりません。

 ・桃太郎の設定
桃から生まれたという現実離れした出生。
出典が思い出せないのですが、昔話やおとぎ話などで、現実離れした話が出てくるときは、超人的な人という印象をつけるためという解説を読んだ記憶があります。
出生以外の特筆するよう設定は特にない。
強いて書くとすれば、絵本などでは演出上だと思うけれども、
兜なしの甲冑姿で旅していたり、胴と脛(すね)当て、籠手(こて)程度の軽装で、旗指し物を持っていたりと派手で綺麗な服装だが、馬を連れているところは見たことがない。
戦国物の読み物の知識的には、鬼退治のような戦場に行くならば、あまり軽装では行かないと思うのだが、ここは知識不足。更に調べないとなんとも言えない。
おじいさんやおばあさんが偉い人というわけでもなく、裕福かどうか判断できないことから、鎧を揃えられなかったのか、演出かは判別できない。
私の個人的な知識としては、鉄砲が伝来されるまでの戦闘は、かなりの重装備であったとされていると記憶している。そういう意味では、あり合わせで済ませたのかなと感じたりもする。
この辺りは書かれていない部分なので、妄想を膨らませるところかもしれない。
馬を連れていないのも、裕福でないはないからというのなら、食料も余分に用意する必要のある馬を連れて行かないのも、それなりに説明がつく気もする。

 ・おじいさんとおばあさんの設定
特別な設定がなかったり、桃を食べて若返った末に桃太郎が生まれたという話など、諸説あるそうですが、今回はごく普通?のおじいさんとおばあさとして、物語りの型としては、バリエーションを付けることができる余地があると考えたいと思います。
 ・桃太郎との関係性
育ての親。武術を教えたとかの記述は見たことがない。

 ・犬 猿 雉の設定
桃太郎の旅の途中で吉備団子をもらって鬼退治の旅についていく。
それ以外の特別な設定はないが、桃太郎の家来になるなどの記述から、擬人化ならぬ擬獣化されているのではないかと想像している。
 ・桃太郎との関係性
桃太郎を主人とする家来。仲間

 ・鬼(達)の設定
悪さをするという噂、ここに引っかかっている自分がいます。
物語りの中に具体的な悪さの記述が目立たないのが不思議です。
一応、疑いとしては、宝物を持っていたということで、盗みや人さらいをしたような感じになっていますが、悪さの内容は調べたときに出てこなかった不思議があります。
設定的には、悪さをしていた孤島を占領、占拠している人。もしくは人達です。
諸説あるそうですが、鬼の正体について外人説があったりと読んだことがありますが、正確ではないので参考にはしないでください。
 ・桃太郎との関係性
敵役

略式的な物語りの流れ(物語りの型)

主人公の出生話→イベント的事件発覚→旅立ち→偶発的に仲間を得る→諸悪退治→故郷に凱旋

テンプレート(型)として思うこと

とても簡素な物語りで、特徴と言えるのは、主人公の出生以外に無い。
そういう意味では、現代の物語りでは、色々と不足している設定を足さないと物語りとして、どんな時代背景に当てはめても、設定をそのまま流用しただけでは、物足りなさを感じるかもしれないと感じています。
ただ、視点を変えると、簡素故に勧善懲悪(良いことを推奨し、悪いことを懲らしめる)のような物語りには、テンプレートとして、設定さえ盛り込めればという条件付きで、どの時代背景にも当てはまるのではなかろうかと感じていますし、設定次第で、恋愛物語りでも、推理物語りでもという、汎用性の高さを感じています。
それと、簡素な物語構成ですが、それ故か、それぞれの時期のエピソード。例えば、幼少期、青年期、旅の途中、鬼ヶ島に乗り込む前等々、全くと書いて支障がないほど見当たらなかったので、桃太郎の構造は大枠の型として考えるとして、物語りの流れを彩るエピソードを添えて、ちょっと強引な流れのように見えるものを、無理のないもののように仕上げていくという作業は必要だろうと感じています。

参考資料

ウィキペディアの桃太郎のページ
マンガ 日本昔ばなし データベース

今回の記事について

記事のテンプレートとして、もう少し工夫が必要かもしれないとちょっと不安でいます。
今回の桃太郎は幸いなことに、とても簡素な物語だったこともあり、このぐらいの文量で済んだのですが、他の物語でどうなるのか、ちょっと不安になってきました。
記事のテンプレートの説明記事も掲載したほうがいいのかなとも思いますし、後述する注意事項も別ページのリンクにした方がいいのかなと、改善の方法を模索しなければと感じております。
まだ、note自体に慣れていないため、見目の悪さや、行きあたりばったりな記事のため、読みにくい等あるかもしれませんが、あまりにも酷いときには教えてくだされば助かります。
読者様のために、なんてことはしませんが、真摯に受け止め改善していきたいと感じています。
そろそろ、行動経済学の勉強も再開しようとも思っていますので、そちらもOUTPUTしていくつもりですが、こちらの記事のように、私の感想や考えを書くのと違いますので、感想記事のような感じになると思います。
話がそれましたが、個々まで読んでいただきありがとうございます。
下の後出し注意事項は、 定型とさせていただきたいと思っています。
基本的には記事に対する予防線であり、私の保身のための記述ですので、気になっていただけたら読んでいただければと思います。

ではでは、話が長くなってしまいましたが、
ここまで読んでくださり、ご苦労様でした。ありがとうございます。
本日はこのあたりにさせていただこうと思います。
2024年01月14日(日)
指の歩み 池田修一

2024年01月15日(月)
更新履歴として、
略式的な物語りの流れ(物語りの型)と参考資料の2つの項目を追記しました。
2024年01月21日(日)
マガジンの目次 物語りを考えたいのお品書き 追加

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後出しの注意事項ではありますが、知っていただけると助かります。

記事の終わりに、後出しで失礼します。
次回からも、記事の内容の前置きにしては、クドクドとした注意事項ですので、記事の終わりにて定型的に、私の心構えや目的の内容を残すつもりでおりますので、ご了承いただければ幸いです。

物語の構造について、アイデアの種とすることを考慮する場合について、
記事の序盤、前回までの説明の中にリンクを添えさせていただきましたが、物語りの構造をテンプレートとして捉え、設定を変更していくことにより、新たな作品を模索するというアイデアは、岡田斗司夫さんの動画から来ていますが、私自身にも言えることですが、構造の捉え方や設定の仕方次第で、作品の盗用を疑われることを理解していただければと思います。
リスペクト、参考、参照したという便利な文言がありますが、物語りの流れも設定も構造も同じという作品は、盗用を疑われても仕方のないことです。
設定や構造を利用しつつ、物語りに新たな性格を吹き込む、芽生えさせることにより、似て非なる新たな作品になると感じていますし、ご理解いただければと思うばかりです。

話が少し変わりますが、
昔話、おとぎ話、童話などと、古くから語り継がれてきた物語りだけでなく、創作された物語りはどれもこれも、大小の差はあれど異なる解釈があります。それを否定するつもりは全くありません。
真偽のほどには、私自身が無知であり、作者本人に伺う機会があったとしても、解釈を誤解することは、よくあることだと意識的に警戒しています。
昔話のような古くからある物語ですと、それぞれの地域で語られている内容が異なることをもあり、それを研究されているという話は、ちょっとネット検索するだけでも出てきます。

どのような物語りにも言えることですが、私は、物語りの構造を知りたいと思っています。
また、先程書いたかもしれませんが、こういう活動で得たものを、アイデアの種にできたら良いなと考え、研究と呼ぶには恥ずかしいような内容ではありますが、調べ、新たな創作の種にすることを基本的な目的としており、できれば個人的にデータ化したいという下心もあります。
それ故に、個々の物語りの真偽や解釈の違いに対して、こだわりというものを、このシリーズ(noteでいうマガジン)にわざわざ付加するつもりはありませんが、(こういう解釈があるみたいぐらいは書くと思います)
下手をすると、物語りの多角化とか、バリエーションとして、どうやってデータ化するかという、アイデアの種という観点で資料になるかもしれないと考えています。
目に触れる方々それぞれに、考えや思惑、思いを持たれていることと想像しますが、どうか心地よく過ごされることを祈らせていただければと思います。
保身であり、出過ぎた真似とは思いつつ。
池田修一

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