物語りの舞台となる世界観ってなんだろう

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先に、予防線を張ることをお許しください。

私は人気作家のような職業作家ではないし、どこかの機関で研究しているわけではありません。
基本的には独学で、こういう感想を持っていることを書いているだけですので、目くじらを立てずに、こういう感想もあるんだねと、読んでいただけたら幸いです。


私の思う、物語りの構造

さて、予防線も貼り終えたこととして。
前回、物語りの構造とはなんだろうかという記事にて、
物語りの構造の中身で思い浮かぶものとして、
以下の5つの項目を挙げさせていただき、簡略的に、こんな感じというふうに書かせていただいたと思います。

物語りの構造の中身で思い浮かぶもの

・物語りの舞台となる世界観
・登場する主要人物とその人間関係
・世界観で成り立つ特筆する出来事
・出来事の解決方法(解決しないのも方法の一つ)
・物語りの流れや運び方

また、この上記の5つの項目を挙げた上で、
基本的には、
設定と出来事・イベントと話の流れ方・運び方で、物語りはできていると仮定させていただいたと思います。

まだ未熟な仮定ではありますが、今回は、物語りに必要となる5つの項目の一つ、物語りの舞台となる世界観について少し書かせていただこうと思います。

物語りの世界観

物語りの舞台であり、物語りの中で、出来ることと出来ないことを定める一番大きな枠組みの設定だと思っていて、物語りのジャンルも、この物語りの世界観の中の一つの設定だと思っています。
架空の世界ならば、作者の想像した世界だったりするでしょう。
また、偉人伝ならば、その偉人のいた時代を設定として盛り込んでいくことになると思います。

物語りの舞台を設定し、それを説明していくことにより、この物語りの舞台を読んでいただく方々に示していくことになる。また、物語りのジャンル、種類は、物語りの中で説明こそしないまでも、大きな枠組みとして設定しておくことに越したことはないと思います。

物語りによっては不要な設定もあるかもしれないですが、世界観に関する必要と感じるものを挙げてみようと思います。

その世界は、どんな場所なのか

・価値感(貨幣の価値と物品の価値)
・権力者の立場
・一般人の立場
・治安
・税金
・どんな仕事があるのか
・風景と地理情報
・身分制の有無(差別を含む)
・食事情
・性事情
・お店
・お祭り・イベント
・政治体制(統治方法)
・教育機関

その物語りは、どんなジャンル、種類になるのか

・推理
・恋愛
・戦争、戦闘
・土地争い
・ビジネス
・学校
・スポーツ
・金融
・政治
・冒険(未知の探索)
・異世界
・立身出世
・偉人伝、英雄伝
・神話

その物語りは、いつ頃の物語りか

・現在
・過去
・未来
・不明
舞台設定が未来だと、現実世界の歴史と離れた部分を簡易的にでも必要な歴史を設定する必要が出る場合があると思うし、
舞台自体が異世界等。もしくは、仮想舞台のため、簡単な歴史を設定する必要がある場合があると思う。

取りあえず思い浮かぶものをザッと挙げてみました。上記に挙げた物以外にもあると思います。

設定について思うこと

先に書きましたが、必要な物だけ設定すれば良いと思うのです。
例えば、身分の違いによる話を書くとするならば、身分制の設定は、簡単にでも必要になるでしょうし、物流が発展していない場所では、そこで手に入りにくい物は、需要と供給の関係で値段が高くなるので、行商みたいな話なら、そんな設定が必要かもしれません。

必要な物だけ設定すれば良いと思うと書きましたが、物語りの設定は、物語りの中の約束事であり、法則だとも思っています。
約束事は破れることがあることで、法則は基本的には破ることが出来ないことだと考えています。
例えば、現実世界の普段の生活で、物理の法則を破れるかというと、まず不可能だと思うのです。
少なくとも私には無理です。何らかの仕組みや他の法則があってこそ成り立つものと認識しています。
そんな感覚で、物語りの必要に応じて設定をしていくことになると思います。
ご都合主義的に捻じ曲げた設定も、物語りの中では成り立つかもしれません。ただ、現在離れした設定は、現実世界を舞台にする場合ならなおさら、現実離れを指摘されることを想定に入れておく必要を感じます。
ヒーローもののように、その人限定みたいな現実離れになる理由付けをするという事前策で留めても良いと思います。
そして、諸々必要になった設定だけでも、まとめておくと、設定が歪むことが少なくなるのではないかと思います。

設定について、少し話が逸れるかもしれませんが、
世界観についても思うのですが、ガチガチに設定するという感覚というよりも、物語りを成立させるための理由付けに設定したり、読んでいただく方々に想像しやすくするために設定を強調したりする感覚でいます。
ちょっと強引な設定も、特殊であることを理由に超常の能力や効果が発揮されても、現実世界と別の世界とか、とても特殊な状況とか、物語りの中だからこそ理解をしてくれるものは多いと思います。
暴力表現や性描写、恋愛対象、諍いの争点、現実世界でも、ルールが厳格化したり、逆にもっと自由をと求められたり、様々な変化が起きています。
また、こういう世界ならば仕方ないなと思わせるのも、世界観の設定だと思っています。

ジャンルや物語りの種類については、純粋に一つのジャンルに留まること自体が珍しいのではないかと感じています。
そういうこともあり、他のジャンルの要素を取り入れた主となるジャンルという考え方になるのだろうなと感じています。
また、ジャンルや物語りの種類は、読んでいただく方々の好みのジャンルを探すためのものだと思っています。
その物語りに色んな要素が含まれているとしても、ベースとか基礎となるジャンルを設定するか、結果的にそうなったという感じでも良いと思います。
ただ、投稿サイトのような場所に投稿する場合。ジャンルの違う場所に投稿しない方が良いと思います。
読者目線ですが、許容の範囲か、同じく好むジャンルであれば、だまされたと感じずに読めると思いますが、だまされたと感じると、最後まで読む自信はないと思います。

色々書いてしまいましたが、同じことの繰り返しのように見えるところもあって、少し恥ずかしいですが、代わりとなる表現が思いつきません。

さて、だいぶ書いてしまいましたが、今回はここまでにしようかと思います。
ここまで読んでいただけたとしたら、お疲れ様でした。ありがとうございます。
愉しんでいただけたとしたら幸いです。

2024年1月24日(水)
指の歩み 池田修一

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