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水曜日の湯葉 #2

今どき何もしなくても行動履歴が Google アカウントに蓄積されていくのだから、日記なんかつけなくても勝手に日記をつけられているようなものだ。ただ「毎日の出来事を3段落くらい書こう」と思うことで、3段落分を用意するために能動的に動くことができる。現代の日記は過去よりも未来のために存在している。

12月8日 水

前澤さんが ISS へ。僕も旅行好きだしSF作家なのでいずれ宇宙旅行には行きたいのだが、現行のソユーズで国際宇宙ステーションに滞在したいとはちょっと思えない。閉所恐怖症というのもあるが、それ以上に仕事で来た人と観光で来た人が狭い空間に同居するという状況があまりに居たたまれないからだ。新幹線の3列シートでも似た軋轢がよく発生する。

短編 SRB のゲラ校正※を仕上げて送る。20ページのゲラに3日は使い過ぎである。しかしまだタイトルが決まらない。僕のタイトルは大体「書き始める前に決まる」か「書き終わっても決まらない」のどちらかである。
(※仮印刷された原稿に赤ペンで誤字訂正などを書き込む作業。以前は郵便だったが今は iPad でやっている)

短編 WDM について編集さんと打ち合わせ。ストーリーの核がだいたい固まったが、核でない部分がかなり厚い。読むべき参考資料をピックアップ。図書館に行くために今読んでるものを読み終えねばならない。

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