数値化される感情、自己矛盾を抱えた夜
ーー名残惜しいけど、もう帰らなきゃ。
ロングスカートの裾を翻し、私は宵を目前に控えてなお白熱する会場を後にした。九月十八日、私はゲンロンカフェに足を運んでいた。東浩紀さん、桂大介さん、安野貴博さんの三名が『民主主義は本当にアップデートできるのか?』というテーマで熱い議論を繰り広げる。残念ながら私は前半の四時間半で席を立ったが、それでも心は揺さぶられ、脳は疲弊するほどに満たされた。
「ド文系データサイエンティスト」。文学や美術を愛しつつも、AIを推進するこの自己矛盾を抱える私