【済】建設業会計

・建設業会計（工事契約）：建物、ダム、土木建築の企業会計
・契約後、受注者は建設用の材料を仕入、作業員を雇い、機械設備で建設。完了後、発注者に引き渡し、残る契約代金を受け取る
・請負：責任をもって引き受ける
・着工：作り始める
・工事代金を受け取った
eg×3/3/1,建設を契約価額（工事収益総額）30000円で請負、工事代金の一部1800円を小切手で受取、着工。完成予定日×5/2/28
【現金／未成工事受入金1800】
未完成工事にかかる受入金＝前受金（負債）
・決算
・工事収益総額：工事契約で定められた対価の総額
・工事原価総額：工事契約で定められた工事の施行にかかる総原価
・工事系や鵜の収益認識：契約した工事の進捗度を合理的に見積もる時、一定期間にわたって収益を認識する
・原価回収基準：契約した工事の進捗度を合理的に見積もれない時、工事を行った際に発生する費用は回収できると見込まれる時、
発生した工事原価のうち回収見込まれる金額と同額の収益を計上する方法
・工事完成基準：取引開始日から工事の完成引渡日まで短期の時、完成引渡時点で収益を認識
・工事進行基準
＝完成度合いに応じて収益計上
＝工事期間中に発生する総原価（工事原価総額）のうち、当期発生した原価によって、工事進捗度を求める
＝（工事契約、一定期間にわたって収益を認識する場合、工事の完成引渡前でも工事の完成度合い＝進捗度を見積もれる時、完成度合い＝進捗度に応じて収益を計上）
eg期中材料費2000円、労務費300円、経費100円。
契約価額（工事収益総額）30000円、見積工事原価総額24000円。
契約時の受入金＝未成工事受入金1800円
工事進行基準で処理
①原価発生学の振替
（完成基準も進行基準も）当期発生した原価を未成工事支出金（資産＝仕掛品）へ振替
【未成工事支出金2400／材料費2000＋労務費300＋経費100】
・工事収益の計上
・工事進行基準では、決算日に工事の進捗度を見積り、工事の進捗度に工事収益総額を掛けて当期収益計上
・原価比例法：当期までに発生した実際工事原価を工事原価総額で割って工事進捗度を計算（現場でより方法あれば採用）
・当期までの工事収益＝工事収益総額（全期間収益）×（工事進捗度＝当期までに発生した実際工事原価／工事原価総額）
・2年目以降の当期収益＝当期までの工事収益‐前期までの工事収益
②進捗度計算＝2400／24000＝10％
③1年目：当期までの収益＝当期収益＝完成工事高（収益）＝30000×10％＝3000
※未成工事受入金1800は収益から減らす
※契約資産：完成引渡前で対価を受け取るのに支払期限以外の条件がある
【未成工事受入金1800＋契約資産1200／完成工事高3000】
④工事原価計上：未成工事支出金（資産）→完成工事原価（費用＝売上原価）振替
【完成工事原価／未成工事支出金2400】
＜まとめ＞
①当期費用＝原価発生額の振替
【未成工事支出金2400／材料費2000＋労務費300＋経費100】→当期発生した費用
②工事収益計上
売上【未成工事受入金1800＋契約資産1200／完成工事高3000】→①進捗度計算＝当期発生した費用／総原価②当期収益計算＝総収益×進捗度
③工事原価計上
売上原価【完成工事原価／未成工事支出金2400】→原価振替

・工事完成基準（完成引渡後、完成工事高と完成工事原価を計上）の決算
【未成工事支出金2400／材料費2000＋労務費300＋経費100】
・工事進行基準の2年目決算
eg,×4/3/31、当期発生した費用、材料費6000円、労務費2000円、経費4000円
工事収益総額30000円、工事原価総額24000円、
前期中発生した原価2400円、期の工事収益3000
工事進行基準（原価比例法）で処理
①当期費用
【未成工事支出金12000／材料費6000＋労務費2000＋経費4000】
②当期収益（売上）
当期進捗度12000／24000＝0.5
当期収益30000×0.5＝15000
【契約資産／完成工事高15000】
③当期原価
【完成工事原価／未成工事支出金12000】
・工事原価総額の変更
eg,24000円→25000円へ変更
①当期まで進捗度計算
（前期費用2400＋当期費用12000）／25000＝0.576
②当期まで収益
30000×0.576＝17,280
③当期収益
17,280‐3000（前期）＝14,280
・工事収益総額の変更（建築物の仕様変更）
eg.30000円→40000円へ変更
①当期まで進捗度計算
（前期費用2400＋当期費用12000）／24000＝0.6
②当期まで収益
40000×0.6＝24000
③当期収益
24000‐3000（前期）＝21000
・完成引渡時（進捗度計算不要）
eg,×5/2/28,完成引渡済、当期費用、材料費1000円、労務費5600円、経費3000円
工事収益総額30000円、工事原価総額24000円、
契約時受け取った手付金1800円、差額来月末受取る
前期まで発生した原価14400円、前期まで計上した収益18000円、工事進行基準
①当期費用【未成工事支出金9600／材料費1000＋労務費5600＋経費3000】
②当期収益【完成工事未収入金28200／完成工事高12000＋契約資産16200】
・完成工事未収入金（売掛金）＝収益総額‐手付金
・完成工事高＝収益総額‐当期まで計上した収益
・工事未払金＝買掛金
③原価振替：【完成工事原価9600／未成工事支出金9600】
・工事完成基準で処理：完成引渡後、収益計上
①当期費用【未成工事支出金9600／材料費1000＋労務費5600＋経費3000】
②収益計上【未成工事受入金1800＋完成工事未収入金28200／完成工事高30000】
③当期までの原価振替【完成工事原価24000／未成工事支出金24000】＝9600＋14400

eg:工事収益総額45000、請負時の工事原価総額30000、
実際発生した原価：第1期9000円、第2期15000円、第3期8000
第2期に工事原価総額32000円へ変更、第3期完成引渡
決算日の工事進捗度：原価比例法
A工事進行基準
　　　　 第1期　 　第2期　　第3期
工事収益 13500円（0.3）20250円　11250円
工事原価 9000円（0.75）15000円　8000円
工事利益 4500円（0.25）5250円　 3250円
B原価回収基準：第1期と第2期は工事原価と同額の工事収益を計上→工事利益0
　　　　　第1期　　第2期　　第3期
工事収益 9000円 　15000円 21000円
工事原価 9000円 　15000円　8000円
工事利益 　0　　　　　0 　 13000円

・工事契約から損失が見込まれる場合の処理
工事契約期間中、経費増加（資材価格の高騰、工事遅延）
→見積もった工事原価増加→工事原価総額＞こう収益総額
→工事損失発生
①工事損失発生可能性高い
②金額合理に見積もれる
→工事契約の全体から見込まれる工事損失から、当期まで計上した工事損益（工事利益と工事損失）を控除した金額は工事損失引当金に計上、引渡後、工事損失引当金を取崩す
→これから計上される工事損失の額。将来の工事損失発生可能性高い、損失額が見積もれる場合、工事損失が見込まれた時に計上
eg:工事進行基準、工事損益計算
工事収益総額50000円、請負時工事原価総額47500円
第2期に工事原価総額50500円へ変更、第3期完成引渡
決算日の工事進捗度：原価比例法
実際発生した原価
　　　　第1期　　第2期　　第3期
材料費　5000円　9000円　3000円
労務費　3000円　8000円　7000円
経費　　1500円　8850円　5150円
合計　　9500円　25850円　15150円
・第1期
①当期費用【未成工事支出金9500／材料費5000円＋労務費3000円＋経費1500円】
②当期収益【契約資産10000／完成工事高10000】＝9500／47500×50000
③当期原価【完成工事原価9500／未成工事支出金9500】
④当期利益：10000‐9500＝500円
・第2期
①当期費用【未成工事支出金25850／材料費9000円＋労務費8000円＋経費8850円】
②当期収益【契約資産25000／完成工事高25000】＝（9500＋25850）／50500×50000‐10000
③当期原価【完成工事原価25850／未成工事支出金25850】
④当期損失：25000‐25850＝△850円
⑤これから見込まれる損失【完成工事原価（工事損失引当金繰入）150／工事損失引当金150】＝△500（全体）‐500（第1期）‐△850（第2期）
⑥当期損益：△850＋△150＝△1000（損失）＝25000‐（25850＋150）
・第3期
①当期費用【未成工事支出金15150／材料費3000円＋労務費7000円＋経費5150円】
②当期収益【完成工事未収入金50000／完成工事高15000＋契約資産35000】＝ 15150／50500×50000
③当期原価【完成工事原価15150／未成工事支出金15150】
④工事損失引当金取崩す【工事損失引当金150／完成工事原価150】
⑤当期工事損益＝15000‐（15150‐150）＝0
→工事損益合計△500＝500＋△1000＋0
【まとめ】
・売上＝完成工事高
・売上原価＝完成工事原価
・仕掛品＝未成工事支出金
・売掛金＝完成工事未収入金
・買掛金＝工事未払金
・前受金＝未成工事受入金
・工事代金の受取時【現金／未成工事受入金】
・決算①
【未成工事支出金／材料費＋労務費＋経費】
【未成工事受入金＋契約資産／完成工事高】
【完成工事原価／未成工事支出金】
・当期までの工事収益＝工事収益総額×当期までに発生した実際工事原価／工事原価総額
・決算②
【未成工事支出金／材料費＋労務費＋経費】
【契約資産／完成工事高】
【完成工事原価／未成工事支出金】
・引渡
【未成工事支出金／材料費＋労務費＋経費】
【完成工事未収入金／完成工事高＋契約資産】
【完成工事原価／未成工事支出金】