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【日常】LUUPノススメ
近年、都会ではありとあらゆる場所にターコイズブルーの電動キックボードが停められている。
しかも、駐車場所は大通りに面した場所よりも、アパートやマンションの一角や、入り組んだ路地などが多い印象。
ネズミのように増殖している電動キックボードは、シェアリングサービスの1つであり、巷ではLUUP社が提供するターコイズブルーの電動キックボードを「LUUP」と呼んでいる。
漫才やコントではLUUPがネタにされていたり、Instagramでは若者たちがLUUPで移動する姿を載せていたりする。
都会の街を歩くと、センターパートの髪型をした今時の若者や、シュッとした外国人がLUUPに乗って悠々と私を抜き去っていく。
素直にかっこいいなと思い、自分が乗った姿を想像するけれど、歩道に乗り上げた上に派手にコケて、他人に嘲笑われるところまで簡単に想像できたので、地方在住の私には縁のない乗り物だと思っていた。
当たり前のようにそう思っていた。
ある日、街を歩いていると、60代ほどの女性がLUUPに乗ってスーッと私の前を通り過ぎていった。
その女性がLUUPを乗りこなしている姿をみて、LUUPに乗っている姿はもちろん、LUUPに乗ろうと思った女性の挑戦心と行動力がかっこいいと思った。
逆に、地方在住だからとか、乗るのが怖いとか、他人の目線が気になるとか、御託を並べている自分が少し恥ずかしくなった。
単純に「LUUPに乗りたい!」という自分の気持ちに素直に慣ればいいだけだったのに。
LUUPに乗ることは、自分の気持ちに素直になるための第一歩だと言い聞かせ、さっそく「LUUP乗車会」を開催した。
利用開始するまでも手こずったり、歩いたほうが早いのではないかと思うくらいのスピードしか出なかったり、想像以上に「ダサい」姿だったと思う。
少し慣れた時でさえ、緊張で肩が上がっていたし、いつか事故するのではないかと思うと気がかりで終始落ち着かなかった。
それでもLUUPに乗って移動すると、風が心地よく、そしてほんの少しだけ清々しかった。
1時間ほどのLUUP乗車会を終えて、知らないマンションの片隅で座り込んでいると通り雨がやってきた。
雨が去っていくのを待ちながら、今度はLUUPを乗りこなしてやろうと決意した。
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