「緑」

どんな場所もサービスについて考えるようになったのはいつからだろう。
くら寿司のびっくらポンが当たらず、怒鳴り散らかす厳格な祖父や、
眼鏡市場で怒り、手土産までもらってくる父。
いつも家族が大好きな自分だが、その時だけ異様な違和感を得たのを
はるか昔にも関わらず、鮮明に覚えている。


コーヒーが好きだった。
空間が好きだった。
たくさんの「好き」が募る場所に
中学の頃、一目惚れのような感覚に襲われた。
初めてするバイトはこの時から決まっていた。

願いは制度により叶わず、様々なバイトを経験して
2018年4月にようやく叶った。
緑のエプロンを初めてつけたとき、なんでもできるような気がした。
自分も早く誰かの優しく過ごすひと時をサポートがしたかった。
家でもなく、学校でもない第3の場所、「サードプレイス」という言葉に異様なほどに共感した。

大学に入る前に親に1通の通帳を渡された。
「この口座に学費を毎月振り込むように」
覚悟はしてたものの、正直きつかった。
1限から5限まで授業を受けて、19時から働く。そして夜には違うバイトの夜勤が待っていて、1時間だけ寝て学校へ。
友達とはなかなか遊べず、授業には疲れ過ぎて遅刻、欠席。そんな生活が本当に苦しかった。
ただその中で唯一楽しかったものがこれだった。
一緒に楽しく話しながら、ドリンクを選び、帰る際にわざわざ違うポジションにいるにも関わらず、「お兄さんの提案してくれたドリンクすごくよかった。またこの店舗にくるね」
と伝えてくれる言葉に何度助けられただろうか。

このお仕事の中身の部分を話そう。
何が違うのか、なぜここまで他のカフェと違いがあるのか。

勝手ながら、この企業が世界的に大きくなったのはこの制度にあるのではないかと感じる。
まずはじめに接客にマニュアルがない。自分の中で考え、動くことこそがこのサービスの原点にある。

また、理念の中に「察する」という項目がある。お客様のトーン、話し方、状況に応じて自ら考える。
電話しているお客様には静かな対応を、話したくなさそう方にはしっかり引いて、聞いてくれるお客様には全力で答える。
アパレルのような押し売りや、毎回同じ言葉遣いで接客するファーストフード店があまり好きではない自分にはぴったりだった。

そして何よりも自分が一番魅力を感じている点は「利益」が見えない場所にあることだった。
ドリンクを売ってるのではなく、空間を提供するお礼にお金をいただいてる感覚。
サンプルのお渡しや新作の試飲を全く惜しまない。暇があれば、「ティスティング行こう」と口を揃え、お客様に無料で知らない商品を知って頂く機会を作る。
祇園祭で大盛り上がりの際、周りは道端で出店を出して売上を取りに行ってるにも関わらず、永遠にサンプルを配り続けているような企業である。

働きやすい環境づくりも全く怠らない。4ヶ月に1回必ず様々なコーチから自分一人についてのコメントをもらい、それを見ながら店長と1対1で会話する。
しっかり目標を定め人材的、人間的成長のサポートがされる環境がここには整っている。

どんなときもお客様と挨拶、対話することを大切とし、どんなときもパートナー同士のフィードバックや礼儀を忘れない。


また、店舗数が多いからなのか、各店舗ごとに色が出る。
主婦層が多く真面目な店舗や、ふんわりおっとりした店舗、様々あるが
自店舗は暖かく、時に激しい緑色のようである。


初めてのマクドナルドのバイトも
24時間営業の有名なお寿司屋さんのバイトも
派遣で入ったパン工場のバイトも
音楽スタジオのバイトも
全て勝てない。

4回生になり周りが就活を始める中、まだこの仕事を越えられるものに出会う気がしないから、選ぶことができない。

長くなってしまいました。どこで働いてるかもうお分かりでしょうか。
本気でお客様にサービスすべく、自分の成長
店舗の成長を考えながら働いておりますので
ぜひお近くにお寄りの際はスターバックスコーヒー京都四条河原町町店へ。
あなたにとって1番のドリンクをお作りします。

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