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なんにでも、終わりはあるもんさ

10月にテストを受けた。
介護支援専門員実務研修受講試験

クソ長いので要約すると、ケアマネジャーの試験である。
個人的に介護の仕事をしている中で、絶対に取りたいと思っている資格…その中でも最後の難関だと思っている。

世間の事は良く分からんけど、俺の中では介護の資格においては一種の到達点だと思っているし、ゲーム的な言い方をするとメインクエストのラスボス位な立ち位置だと思っている。

実は今回で受けるのは3回目だ。
過去2回は…問題集を買って、あまりの難しさにすぐに勉強を辞めた。

そして、今回の3回目は…すべてを捧げ、やれることは全部やって挑んだ。

そんなテストだが…いや~難しかったね。
過去5年の中では出なかった範囲がガンガン出まくってたし、ちょっとひねりを加えた問題が多かった気がする。

意地悪な問題に怒りは覚えたが、何ていうか後悔とかは一切感じなかった。
だってやる事は全部やったもの。

テスト終了時点で、確実にあっているものは60問中40問。
そのあと自己採点して、60問中43問正解。

こうして、俺の8か月にわたる挑戦は、いったん終わった。

感想は…人間、何歳になろうと意外に頑張れるなって。
今の年齢を考えても、もうさすがに勉強とかできんわとかちょっと前は思っていたけど、割と8か月も続ける事が出来た。

それに前回の結果が10点台とカスみたいな点数だったのに、自己採点と言えど7割の得点を取る事が出来た。

それに、感覚的な話だけど…

自分の限界を超えたその先の世界
短い期間と言えど、そんな世界が垣間見えたような気がするのだ。

その世界ではあらゆる感情の昂ぶりは一切起こらない。
ただひたすらに穏やかで、凪のような心象風景

もしかしたら、これこそ、悟りを開く感覚と言えるのかもしれない。

…ちょっとスピリチュアルなこと言ってしまったが、
自分的にはこれは無理だなっていう所を、
一時的にでも超える事が出来たというのは確かにあった。

とにかく、全力で、すべてを出し切ってやりきった。

それから2カ月…びっくりするくらい、元の生活に戻っていた。
あんなに生活の一部とか言っていた勉強も、別にやらなくたって支障は出なかった。

とりあえず、8月からの縛り、娯楽の制限を解除して、大変エンジョイした2カ月を送る事が出来た。。

プラモデルだって、今までで一番楽しく作れたような気がする。

しかし、頭の片隅ではやはりテストの結果がちらつく瞬間があった。
これが圧倒的な得点か、びっくりするくらい惨敗だったらそこまで気にはしていなかっただろう。

合格得点はだいたい7割と言われていて、自分の自己採点は何度やってもちょうど7割なのである。

後悔はないが…なんで、こんなちょうど7割なんだ。
まあ、7割なら受かっているでしょと自分に言い聞かせつつ、一方で

もしマークミスがあったら?
もし、自己採点が間違っていたら?

とネガティブな考えがよぎるのだ。
それにあんまりこんなこと考えたくないが、

もし不合格だったら、この縛りみたいな生活をまた2月から始めるんか?
てか、たとえ再開したとて、今度こそ本当に受かるのか?
もしかしたら惜しい点取り続けて、落ちる一生なのでは?

なんて負のスパイラルみたいな思考が発生することもあった。

多分、この2カ月は解放感の裏で、このネガティブな思考が時折チクチクと痛む日々を過ごしていたと思う。

そして12月。
12月に入ってからは毎日うなされる日々を送った。

もうネガティブ思考がチクチクどころではない、みぞおちをボカボカ殴ってくる間隔で襲い掛かって来るのだ。

SNSで合格点予想を見ると、48点だの50点だのと予想している人が結構いて、そんな訳ねーだろ!!と怒りつつ、なんだか具合が悪くなり、そっと閉じる日もあった。

12月3日
メンタル不調極まり、ため息とともに仕事をしていた。
会社の人に愚痴りたい、この心配事を共有したい…なんて一瞬思ったが、きっと話したところで楽にはならんって思い、押しとどまった。

仕事が終わって、家に帰宅。
ため息とともに夕食を取り、気を紛らわすためにゲームやプラモデルを試して、2時に就寝。

が、結局寝れなかった。
朝までベッドで動画を見ながら頑張って目をつぶるが、
そのたびに眼が冴えていく。

結局6時まで粘ったが、一切寝れなかったのでそのまま起床。

朝食を食べて、ネットを見ると千葉県はなんともう発表しているとの事だった。慌てて神奈川県のサイトを見るが、こっちの発表はまだだった。

そこから、サイト更新を定期的に押す作業が始まった。

しかし、そんなことをしていても時間は全然進まないので、レンタルDVDを見ることにした。

アウトレイジ
アウトレイジ ビヨンド

北野武のヤクザ映画である。
これがとても面白く、あんなにネガティブ思考に囚われていた心が少し軽くなった。

ただ、ここから心にヤクザが住み着いた。

てめー、いつになったら合格者発表すんだよ!!
ふざけてんのか馬鹿野郎!!さっさと出せよ!!
なめてんじゃねーぞ、落とし前つけんかい!!

神奈川県のサイトを更新するたびに、
心のヤクザが騒ぐようになっていった。

…とりあえず、塗装でもするか。
なんて、エアブラシを起動し、さあ塗装を始めようと思った9時40分、
その時が来た。

塗装直前にサイトを更新すると、そこには合格者についてとのリンクが発生していたのだ。

そこには合格者一覧のリンクもあった。
キタキタキタ!!ついに来たんだ!!

なんて急いで合格者一覧を確認。

自分の受験番号を呪文のように唱えながら、番号を調べていく。
そこには自分の受験番号と、全く同じ番号が載っていた。

何度も見返すが、そこには確かに自分の受験番号が存在していた。

少し前、合格した時はどんな感情なんだろうと思った事があった。

めっちゃ騒いで大喜びする
号泣して泣き崩れる

きっとどちらかだと思っていた。
では実際はどうだったか?

答えは、静かに目を閉じて息を吐くだった。
喜びや感動よりも最初に感じたのは、
これで本当に終わったんだ…という安堵であった。

こうして、8カ月にもわたる長い挑戦は終わった。
発表確認後…家を出ると、雲一つない青空が広がっていた。

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